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2018(H30)年度 青森県公立高校入試・解説

 

問題

https://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/education/H30senbatsu-ac.html

解答

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-gakyo/files/H30suugaku-saiten.pdf

学力検査の結果

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kyoiku/e-gakyo/files/H30senbatsu-kekka.pdf

 

 

大問1

忘れやすい部分や、盲点になりやすいところが順当に正答率が低い。

間違えた部分の公式や用語は必ずチェックしておこう。

 

(2)

 元の数=商×割った数+余りの関係を使った基本的問題。

 この年、他の県(奈良、山口、高知など)でも出題された。

 a÷5をして、商がb、余りが3だったので、

  a=5b+3

※5人にb本分けたので、配れたのが5b、 あまったのが3本。これらを足せば全体の鉛筆の本数になる。

 

(6)

 やはり、中央値や相対度数といったデータ分析に関わる用語を忘れがちなのだろう。受験の少し前に一通り復習しておこう。

 40人の中央値なので、20位~21位がどこにあるか探せばよい。

 今回は5以上10未満の階級に含まれる。この階級の度数は10なので、

 相対度数は 10÷40=0.25

 

(7)

 円錐の展開図における、おうぎ形の面積は

  母線×半径×π

で求められる。これを使えば早い。

テクニックの1つとして覚えておこう。

 8×6×π=48π cm^2

※展開図を書いて中心角をもとめてもいいし、

 \frac{中心角}{360}=\frac{母線}{半径}を使っても良い。

 

(8)

円周角の定理で忘れがちなのが、

  「直径に対する円周角は90°」という点である。

つまり、図中の赤い角は90°である。

 f:id:keimathchem:20181130204022p:plain

 ∠ACD=90°-42°=48°

また、弧BCに対する円周角だから

 ∠BDC=∠BAC=32° (水色)

よって、三角形CDEについて

 48+32+x=180

 x=100°

 

 

大問2

 連立方程式の問題の正答率が低い。

典型問題ではあまり見ない問題ではあるが、

演習を積めば解けない問題ではない。

数値を表で整理すると良い。

 

なつきの勝利回数を x, あきの勝利回数を yとすると、

なつきは、あきが勝ったときは負けている。よって、なつきの負けた回数は y回になる。

また、勝負の回数から、なつきの勝利回数と、なつきの負けた回数を引いたら、あいこの回数になる。

f:id:keimathchem:20181130205202p:plain

表で整理すると上のようになる。

よって、

なつきの点数について

 2x-y+(15-x-y)=12

整理して

 x-2y=-3

 

あきの点数について、

 2y-x+(15-x-y)=6

整理して

 -2x+y=-9

この2つを連立すればよい。

 

大問3

(1)アは簡単な合同の証明で、正答率も高かったようだ。

(1)イの正答率がかなり低い。正三角形と正方形の特徴を図に書き入れていけば糸口が見つかる。問題文の図中AEDFが平行四辺形のままなので、ビジュアル的に解きにくかったのかもしれない。

 

(2)典型的な入試問題のパターンしか出ていない。しかし、正答率がア14.4%, ウ5%エ3%, だったところを見るに、こういう図形の典型問題をあまり演習する機会が無いのかもしれない。本問でその練習をして、今後に活かそう。

 

(1)イ

 △AEBが二等辺三角形だと気がつけるかの勝負。

  f:id:keimathchem:20181130213039p:plain

条件より、四角形AEDFは正方形なので、

  AE=ED∠AED=90°

また、△BDEは正三角形なので

  DE=EB∠BED-60°

つまり、△AEBは AE=EB の二等辺三角形

また、∠AEB=150°なので、

 ∠EBA=15°

(1)アより、△AEBと△CDBは合同だから

 ∠DBC=∠EBA=15°

なお、この問題が3番目に正答率が低かったらしい。

 

(2)

 ∠ACD=60°なので、1:2:\sqrt3 の直角三角形である。

 よって、AQ=4\sqrt3

 

 

 図1を見てみよう。

  △APQは、AP=AQの二等辺三角形

  また、三角形BCDで中点連結定理より、PQ=4

 ここで、△APQを取り出そう

  f:id:keimathchem:20181130222826p:plain

図2のような三角形が取り出せる。

この三角形の面積を求めるために高さAHを下ろす。

三平方の定理より 

 AH^2=(4\sqrt3)^2-2^2

 AH=2\sqrt{11}

よって、底辺と高さがわかったので

 △APQ=4×2\sqrt{11}÷2=4\sqrt{11}

 

 イと同じく、△APQを取り出そう

  f:id:keimathchem:20181130223841p:plain

 APを底辺と見れば、求めるQRは高さである。

 イで三角形の面積が分かっているのだから

  4\sqrt3×QR÷2=4\sqrt{11}

 これを解いて

  QR=\frac{ 2\sqrt{33} }{ 3 }

本問のように、底辺と高さを、前の問題から再設定して式を作る問題は典型的パターン。2018年北海道の学校裁量問題では、立体でこの方法を利用した。

 

 正答率が3%と最も低い問題。「◯◯は◯◯の何倍か」という問は、たいてい比の問題として考える。つまり、RBCDとABCDの体積比を求めよう。

 さて、平面図形のとき、底辺共通なら「高さの比=面積比」は何度も学習する。ところが、空間図形で底面共通なら「高さの比=体積比」は同じ発想だが、あまり練習しない。入試では、時々利用する性質なので知っておこう。

 

 今回、RBCDと、ABCDは底面BCDが共通している。

よって、高さの比さえ分かれば体積比が出せる。

今回はAP:RPが分かればよい。

 

※汚い図で申し訳ないが。本来は下図のように、

 RとAから垂線をおろしS, Tとして、RS:ATを求める。

 f:id:keimathchem:20181130232108p:plain

だが、△RPS∽△APTが明らかなので、今回は[tex:AP:RP]さえ求めればよい

 

APの長さはわかっているので、RPの長さを出そう。

RPの長さは、ウまでの図から分かる。

f:id:keimathchem:20181130233611p:plain

図の△PQRで三平方の定理を使えば、RPを出せる。

 RP^2=4^2-(\frac{2\sqrt33}{3})^2

 RP=\frac{2\sqrt3}{3}

よって、

 AP:RP=4\sqrt3:\frac{2\sqrt3}{3}

 AP:RP=6:1

ゆえに、体積比も 6:1 だから、

答えは \frac{1}{6}

 

大問4

 関数をただ書くだけの問題で7割の正答率を切っている。

大問3で心が折られたのだろうか。入試問題ではわからない問題はササッと飛ばすことも大切だ。それとも、関数の書きレベルの練習から足りていないのか。(2)ではよくある動点の問題が出ている。これも定期テストレベルの典型問題なので練習しておこう。

 

(2)

 x=14 のときの点P, Qの位置を確認しよう。

  Qは6秒かけて点Dまで行き、そこで止まっている。

  Pは12秒かけて点Cまで行き、そこから残り2秒分点Dに向かって進んでいる。

 よって、下図のようになる。

    f:id:keimathchem:20181201000409p:plain

 

 △APQの面積は

   y=4×6÷2=12

  ※ 点PはAB上に無いので、y=\frac{1}{2}x^2は使えない。

 

 この手の問題はたいてい答えが1つではない。

 面積が16となる可能性があるのは以下の図1と図2のとき

 f:id:keimathchem:20181201001021p:plain

図1は「点PがAB上にあるとき」

このときは問題文中の式がそのまま使える。

 y=16より

  y=\frac{1}{2}x^2

  16=\frac{1}{2}x^2

  x=4\sqrt2  (x>0)

 

図2は「点PがCD上にあるとき」

式を作るところから始めなくても解ける。

 △APQの底辺を AD=6 とすると、

 面積16となるには高さは DP=\frac{16}{3} 

ということは、点Pは

  18-\frac{16}{3}=\frac{38}{3} cm 進めばよい。

よって、x=\frac{38}{3}

 

 

大問5

情報が多いためうまく整理しないといけない。また、与えられた図の意味がわからない子もいただろう。よって、大問全体での正答率は最も低い。ただ、問題文の意味や条件、式の意味を考えられているなら簡単に解ける。

 

(1)

 高速道路と、一般道の距離自体は同じと書いてあるので、一般道の距離はAから高速に入り、Jから出た場合と同じである。

問題にある図2から、AJ間の距離は168 kmと分かる。これに加え自宅からAまで、Jから祖父の家までの合計16kmが加わる。

 よって、

 全体の道のりは 184  km

条件の②の文章から、

 車の時速は 40 km/h

ゆえに、

 184÷40=4.6 時間

よって、4時間36分

 

(2)

 (1)と同じくAからJまでは 168 km

条件の①から距離と値段の関係が分かる。

 y=30x+230より

  y=5270

 

(3)

 できるだけ高速道路を長く使えばよい。

 y=3200円で乗れる高速道路の距離xを求める。

  y=30x+230より

  3200=30x+230

  99 km

これと近い数値を図2から探すと

Bから入って、Gから出る。96 kmが一番近い。

 

 道路は全体で 184kmあった。

 このうち、96kmを高速道路で移動する。

 よって、残り88kmは一般道である。

条件②の速さを使って

 96÷80+88÷40=3.4

よって、3時間24分

 

(4)

 まず、トシさんとヒロさんの間にどれだけのハンデがあるか調べる。

  AC間は図2より25km

 

 よって、トシさんがAから高速道路に入ったとき、下図のようになっている。

  f:id:keimathchem:20181201010046p:plain
 ヒロさんが t 時間でトシさんに追いつかれるとする。

 A地点からの2人の距離は等しいので

  80t=40t+25

  t=\frac58

 この間に、トシさんはAから 80×\frac{5}{8}=50 km 進む

 Aから50 kmの位置に最もちかい出口は Eの56 km

 よって、トシさんは出口Eを出る。

 

 トシさんだけで考える。

 Aから出るまで(Eまで)なので、56kmを何分ですすむかを出せばよい

  56÷80=0.7 時間

 単位は分なので

  0.7×60=42

 

感想

極端に難しい問題がなく、至って標準的なレベルの問題。

大問の最後の方の問題は十分に練習しないと通用しないだろう。