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2021(R3)年度公立高校入試・正答率が低い難問③1.6%~3.4%

2021年度公立高校入試の中で、正答率が低かった問題を紹介するシリーズ③ 

なお、単位を省略して解答を行う。

前回、前々回と違って図形以外の問題中心になっている。

 

2021パート②

 

 

18. 埼玉県公立高校入試 学校採択5(2)  1.6%


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(2) 1.6% (3) 2.0%

学校選択問題なので, 一部の中~上位校の受験者が解いてこの結果であったのだろう。

前回の17埼玉県大問4(3)よりこちらのほうが難しい。

 

19. 高知県公立高校入試 大問5(3) 1.6%


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近年の傾向から考えて、説明させる問題が増えるだろうから

必ず練習しておきたい。

 

20. 栃木県公立高校入試 大問3-2 1.7%


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この手の問題はやりなれていないとややこしい。

 

21. 鳥取県公立高校入試 大問6(3) 2.3%


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結構面白い。

 

22. 鹿児島県公立高校入試 大問6(3) 2.4%


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大幅に問題文を変えてある。もともとは会話文を読んで進めていく問題であった。

考え方は19.高知県の問題と同じ。

 

23. 千葉県公立高校入試 大問3(2)② 2.5%


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もう少し正答率が高くてもいいと思う。

 

24. 高知県公立高校入試 大問3(3) 2.6%


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よくある動く図形の問題

頻出なのでたくさん練習して欲しい

標準的な難易度

 

25. 広島県公立高校入試 大問3 2.7%


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線分比→面積比のよくある問題。

 

26. 兵庫県公立高校入試 大問5(3) 2.9%


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ルートが整数になる問題と確率の組み合わせ。

数え間違えないようにすれば、難しくない。

 

27. 神奈川県公立高校入試 大問6ウ 3.4%


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解答


18. 埼玉県公立高校入試

△APQの形は、

 ①QがDに到達するまで

 ②QがCD上を動き、PがBに到達するまで

 ③PがBに到達し、QがCに到達するまで

 ④PがBで停止し、QがCB上を動くとき

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以上4パターンがある。

 

(1)

上の図の①のときである。

 AP=AQ=x であるから

 y=\frac12 x^2 0≦x≦4 ・・・答

 

(2)

 条件を P, Qの位置を①~④で考える。

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△APQと△AQCは底辺AQが共通なので

面積比が3:1になるためには

 AP:DC=3:1

である必要がある。

 DC=2だから AP=6

 よって、x=6

となるが、これは0≦x≦4を満たさない。

 

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△APQと△AQCは高さADが共通なので

面積比が3:1になるためには

 AP:QC=3:1

である必要がある。

Pの移動距離とQの移動距離は等しいから

 AP=x  AD+DQ=x

よって、QC=6-x

ゆえに、

 AP:QC=3:1

 x:6-x=3:1

 =\frac92

これは, 4≦x≦5を満たす。

 

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②と同様に、

△APQと△AQCは高さADが共通なので

面積比が3:1になるためには

 AP:QC=3:1

AP=6だから, QC=2

ところが、5≦x≦6のときQC≦1であるため不適

 

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△APQと△AQCは高さ共通なので

面積比が3:1になるためには

 PQ:CQ=3:1

CP=CB=5より

 CQ=\frac14 CB=\frac54

よって、

 x=AD+DC+CQ=\frac{29}{4}

これは, 6≦x≦11を満たす。

以上より

 x=\frac92, \frac{29}{4} ・・・答

 

(3)

台形ABCDの面積は (5+2)×4×\frac12=14

よって、三角形APQの面積は7になる。

 

まず,①~④それぞれについて,

△APQ=7となりえるか考える。

 

 ①0≦x≦4のとき

  △APQの面積は徐々に増加し、

   x=4のとき,

    △APQ=4×4=8

  となるため, △APQ=7となり得る。

 

 ②4≦x≦5のとき

  x=4のとき

    △APQ=8

  ここから, 面積は徐々に増加するため

  △APQ=7となりえない。

 

 ③5≦x≦6のとき

  x=5のときの△APQの面積から変化しない。

  ②から△APQ=7となりえない。

 

 ④6≦x≦11のとき

  ③の面積から, 徐々に減少し

  △APQ=7となり得る。

 以上より①と④のみ考えればよい

 

では、①, ④についてxを求めていく

①0≦x≦4のとき

 △APQ=\frac12 x^2 なので

  \frac12 x^2=7

  x=\sqrt{14} (x≧0)

 

②6≦x≦11のとき

 △APQ=7であれば

 四角形AQDC=17-7=7

 △ADC=4×2÷2=4

 △AQC=3

 △APQと△AQCは高さ共通なので

 PQ:CQ=7:3

よって

 CQ=\frac{3}{10} CB=\frac32

ゆえに, x=AD+DC+CQ=\frac{15}{2}

以上より, x=\sqrt{14}, \frac{15}{2}・・・答


 

 


19. 高知県公立高校入試

(3)

△AOBの面積をmで表そうとしてみる。

例えば 

 △AOB=3m となれば 面積はmの値で変化する

 △AOB=8 となれば 面積はmと関係なく8で一定

といえる。よって △AOB=定数 を導けばよい

 

点Aのx座標を mとすると,

△AOBは二等辺三角形だから

点Bのx座標は 2mとなる。

 ※Aからx軸に垂線をおろしその足を点Hとすると

  OH=HB=mであるから OB=2m

  よって、点Bのx座標は  2mとなる

点Aは関数y=\frac{6}{x}上の点なので, その座標は

  点A (m, \frac{6}{m})

よって△AOBの面積は 

点Aのy座標が高さ、OBが底辺となるから

 2m×\frac{6}{m}÷2=6

ゆえに, △AOBの面積は mの値によらず一定。


 

 


20. 栃木県公立高校入試

太郎さんの4月の通学時間について考える。

 4月の中央値は11分である。

 8月の中央値も11分でなければならない。

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8月には太郎さんの通学時間が+5されるので

4月のデータいずれかが+5される。このとき上の図のように11分以下の数に+5分すると, 8月の中央値が11分でなくなってしまう。

また、上の図の青丸に+5をすると範囲が変わってしまう。

以上から,+5してもいい4月のデータ, すなわち, 太郎さんの4月の通学時間は5分, 12分, 14分のいずれか

よって、8月の通学時間は 10分, 17分, 19分・・・答


 

 


21. 鳥取県公立高校入試 

問1

Aの部屋の体積は 1000cm^3

1分で満水になったのだから

 Aへの流量は 1000cm^3/分

 

Aが満水になった後, 水は図のように

Aと隣り合っている部屋に流れる。

※Cの部屋はAの斜めなので流れない

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つまり, Bの部屋にはAへの流量の半分が流れ込む。

よって 500cm^3

 

問2

問1の黄色の部屋が満水になった後, 水は図のようにオレンジの部屋に流れる。

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よって、Cの部屋にはAへの\frac14×2=\frac12倍の流量で水が流れる。

流量が[tex\frac12]倍ということは、Cに水が入り始めてから, Cが満水になるのにかかる時間は, Aが満水になる時間の2倍である。

よって, Aに水を入れてからかかる時間は

 1+2+2=5分・・・答

 

問3(1)

図の位置の部屋をE, Fとする。

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 Aの部屋に水を入れ始めてから5分後にCが満水になり,7分後にE, Fが満水になる。

つまり, 5分後~7分後の2分間は, 図のようにCから溢れた水のみがDに流れる。

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この2分間のDへの流量は

Cの流量の \frac 12 倍なので 250 cm^3/分

よって、

 5分後の水量は 0cm^3 (高さ0cm)

 7分後の水量は 500 cm^3(高さ5cm)

である。

 

7分後以降、Fから溢れた水もDに流れる。

 f:id:keimathchem:20210912031830p:plain

このときDへの流量は,

Aの流量の \frac12倍なの 500 cm^3/分

7分後のDの水量は 500 cm^3なので

Dへ入る残りの水量は 500 cm^3

よって, 7分後からDが満水になるのにかかる時間は

  500 cm^3÷500 cm^3/分=1分

であり、8分後にDが満水になる。

 

以上より

(0, 0), (5, 0), (7, 5), (8, 10), (9, 10)を直線で結んでいけば良い。

だいたい下のようなグラフになる。

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問3(2)

y=8 cmのとき, Dの水量は 800 cm^3

7分後に 500cm^3の水が入るので

のこり 30cm^3

よって、

 300cm^3÷500 cm^3/分=\frac35 分

ゆえに

 7+\frac35=\frac{38}{5}分・・・答

※もちろん(7, 5), (8, 10)を通る直線の式を出して解いてもよい。


 

 


22. 鹿児島県公立高校入試

楽な解き方はいろいろあるが、工夫なしでゴリゴリ計算していくやり方で解く。

点Aのx座標を t とおくと

 点A (t, 2t^2)

 点B (t+1, 2(t+1)^2)

 点C (t+2,2(t+2)^2

 f:id:keimathchem:20210920103643p:plain

図のように点A, B Cから垂線をおろし、

x軸との交点をそれぞれ点P, Q, Rとする

 △ABCの面積は
   台形ACRP-台形ABQP-台形BCRQ

にを計算して求めることができる。

 台形ACRP=(2t^2+2(t+2)^2)×2÷2=4t^2+8t+8

 台形ABQP=(2t^2+2(t+1))×1÷2=2t^2+2t+1

 台形BCRQ=(2(t+1)^2+2(t+2)^2×1÷2=2t^2+6t+5

であるから

 △ABC=4t^2+8t+8-(2t^2+2t+1)-(2t^2+6t+5)

 △ABC=2

よって、△ABCの面積は点Aの位置に関わらず一定である。

 

△ABCを点Aが原点に重なるように平行移動して

 点A (t, 2t^2)  →(0, 0)

 点B (t+1, 2(t+1)^2)]   →(1, 4t+2)

 点C (t+2,2(t+2)^2]  →(2,8t+8)

として、計算してもよい


 


23. 千葉県公立高校入試 

点Cの座標を特定できれば、点Dの座標が分かる。

△ABCの面積は平行四辺形ABCDの面積の半分であるというところから攻めていく

点Cの x 座標を t とおく

 点A (-2, 2)

 点B (4,8)

 点C (t,\frac12 t^2)

直線Lの式は y=x+4であるから

△ABCの面積は 6×(t+4-\frac12 t^2)÷2

よって 6×(t+4-\frac12 t^2)÷2=\frac{15}{2}

これを解いて t=3,-1

よって、点Cの座標は

 (3,\frac92), (-1,\frac12)

ABのy座標の差とCDのy座標の差は6で等しいので

点Dのy座標は

 \frac92-6=-\frac32

 \frac12-6=-\frac{11}{2}


 


24. 高知県公立高校入試

重なった部分は以下のように変化する。

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(2)

 重なった部分の面積が最大となるのは、下図のように正方形が、直角三角形の中に完全に埋まっている場合である。

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下図のとき

 f:id:keimathchem:20210920140335p:plain

△AFD∽△EFGより, △AFDは直角二等辺三角形であり

 AD=DC=5 だから FD=5

 FC=10

よって10秒後にこのような図形となる。

 

次に下図のとき

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FC=15 よって15秒後である。

以上より 10≦x≦15・・・答

 

(3)

初めの図の①~④について

②五角形のとき、重なった部分の面積は、

 正方形の面積の半分以上になる。

 つまり、\frac{25}{2}以上となり、

 面積は8となりえない

③正方形のとき、重なった部分の面積は

 正方形そのものなので、面積は8となりえない

 

よって、①のときと④のときのみ考える。

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BCとEFの交点をHとすると

△EFG∽△HFCだから 

△HFCは直角二等辺三角形

  FC=xとすると HC=xであり

  \frac12 x^2=8

が成り立つ。これを解いて

  x=4

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ABとEGの交点をIとする。

IG=5で, 長方形AIGDの面積は8だから

 DG=\frac85

よって、

 x=FC=FG+DC-DG=15+5-\frac85

 x=\frac{92}{5}

以上より x=4,\frac{92}{5}・・・答


 


25. 広島県公立高校入試

△BDG∽△FGEであるから

  DG:GE=5:2

 BD:FG=5:2

△CEF∽△CBDであるから

 CE:EB=2:3

 CF:FD=2:3

 DG:GE=5:2より

 △EFD=\frac72△EFG

CF:FD=2:3より

 △CDF=\frac53△EFD

CF:FD=2:3より

 △ABE=\frac32△CDF

以上より

 △ABE=\frac32×\frac53×\frac72△EFG

 △ABE=\frac{35}{4}△EFG

よって S:T=35:4・・・答


 


26. 兵庫県公立高校入試

(3)①

表が1枚とすると

 a=1,4,9

のとき、\sqrt{a}が整数となる。

表が2枚とすると

 a=1×4, 1×9

 a=4×9, 2×8

のとき、\sqrt{a}が整数となる。

以上より 7通り・・・答

 

(3)②

①以外には

表が出ない場合 1通り

表が3枚のとき

 a=1×2×8, 1×4×9,

 a=2×4×8, 2×8×9

表が4枚のとき

 a=1×2×4×8, 1×2×8×9

 a=2×4×8×9

表が5枚のとき

 a=1×2×4×8×9

①と合わせて 16通り

よって、\frac{16}{64}=\frac14・・・答


 


27. 神奈川県公立高校入試

まずはABを通る線について考える

側面の展開図をかくと

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中心角∠ACA'は

 ∠ACA'=\frac39×360=120°

であるから ∠ACB=60°であり

△ABCは正三角形で AB=AC=BC=9

また、∠DCB=30であることから

△CBDは 1:2:\sqrt3の直角三角形

よって, CD=\frac92 \sqrt3

 

次にDを出発し一周する線について考える

展開図は、先程の図を2個隣り合わせてかくと

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このようになり、求める線分の長さはDD'の長さに等しい。

 ∠DCB=30°, ∠BCA'=60°, ∠A'CD'=30°

であるから、∠DCD'=120°である

三角形DCD'を取り出して考える

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CからDD'に垂線をおろし、その足をEとする。

∠DCE=60°であるから

△CDEは1:2:\sqrt3の直角三角形

よって、DE=\frac{27}{4}

ゆえに、DD'=\frac{27}{2}・・・答