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塾講師アルバイトについて②(面接・試験・研修)

第2回は 面接・試験について、採用後の研修についてまとめます。

 

  個人的な経験+知り合いの講師からの情報によって作成した記事であり、必ずしも正確性を保証するものではありません。

 

 当記事は、これから塾バイトをしようと考えている大学生を対象にした記事です。 対象の塾は一般的な個別塾、集団塾で、いわゆる予備校、大学受験専門個別塾、医学部専門塾、top高校進学塾を除きます。

 

 第1回 待遇・業務

 第2回 この記事

 第3回 

 

 

①塾の分類と特徴

1.規模が大きいか小さいか

 全国に教室を持っている塾

 県内に複数の教室を持っている塾

 教室数が少ない塾

など、教室数によって分類できます。

 フランチャイズは加盟企業自体が持っている教室数にも着目しましょう。

 

(1) 大規模な塾

コンプライアンスに力を入れているところも多少ある印象です。

ただし、上から決められたことに融通が効きません

 

また、規模が大きい塾ほど、所属教室をアルバイト講師が選べない所が多いです。

本部や支部に面接に向かい、塾側が所属教室を決定します。

 

(2)中・小規模塾

規模が小さいほど、コンプライアンスがめちゃくちゃであることが多いです。

教室長の裁量により、多少融通が聞くことが多いです。

  

※融通とは

実際にあったのは

・内部の書類が、教室長判断or講師の要望で改定されるケース

・制度の一部が、教室長判断or講師の要望で変更になるケース

・使っている教材や使用方法が、講師を含めた会議で変更になるケース

・交通費が足りなくなった講師に、緊急で交通費の先払いに対応するケース

いずれも、中・小規模な個別塾のケースです。

  

 

2.進学塾か補習塾か

 受験向けの進学塾と、低学力層向けの補習塾があります。

  ※ もちろん中間の塾もあります

 

(1) 進学塾

 生徒が入塾する際に入塾テストを課すことが多く、ある程度、生徒に学力がある場合が多いです。進学塾は集団塾である場合がおおく、補習塾と比べ時給が高く、採用が多少厳しくなります。それなりの学力を求められます。

 

(2)補習塾

 主な生徒は偏差値35~45程度の生徒が多いですが、誰でもウェルカムな状態で、不登校自閉症学習障害、ヤンチャな子から、偏差値70超えの生徒まで、幅広い生徒層がいます。補習塾は個別塾である場合がおおく。学校の基礎レベルを扱うことのほうが多いので、学力はあまり求められず、採用試験の際に学科試験がない塾もあります。進学塾より採用が厳しくないようです。人手不足な中小規模塾だと落ちるほうが難しい

  

 

3.集団か個別か

(1)集団塾

 進学塾の多くがこの形態を取っています。複数の生徒の前に立って、黒板やホワイトボードを使い授業を行います。時給が個別塾より高いですが、その分準備に時間がかかります研修にリソースを払っている塾が多いようです。補習塾でもこの形態を取っている塾がありますが、生徒の学力差がより激しいので、コントロールに工夫が必要です。この形態の塾で働くなら、そこそこの規模の進学塾をおすすめします。

 

(2)少人数制

 進学塾・補習塾でこの形態が取られます。単純に生徒の少ない集団授業である場合と、4~5人を個別指導のように教えていく場合あります。集団塾より採用のハードルが下がり、時給は集団塾より低く、個別より高いです。ただし、異なる指導科目や学年の生徒を、まとめて少人数にいれ、1対多の個別指導と変わらない状態になっている塾もあり、そのような塾はおすすめしません。

 

(3)個別

 補習塾に多い形態で、講師対生徒1:2や、1:3で授業を行います。生徒の学力、学年、指導教科などはバラバラであることが多いです。生徒1人1人と密にコミュニケーションを取る必要があります。1:3では、時間管理が難しく、必要なフォローが生徒に出来ず、放置されていることも珍しくありません。初めてのバイトなら1:2の塾をおすすめします。

 

②面接・試験

1.面接の形態

塾の規模によて2パターンのスタイルがあります。

 

(1)面接会スタイル

 本部や支部に面接に向かいます。面接の曜日や時間が固定されており、複数の面接希望者が同時に採用試験に挑みます。面接は途中で1人ずつ別室に呼びだされることが多いので、集団面接を行うわけではありません。基本的に面接時間が5~10分以内と短い時間で終わることが多く、あまり踏み込んだ質問はしてきません

 

(2)個別面接スタイル

 中・小規模塾に多いスタイルです。所属したい教室に面接に向かい、面接と試験を行います。面接の曜日や時間は応募時に相談して決めるため、融通がききやすいです。面接に重きをおく所が多く、面接時間が長くなる傾向があります。塾によっては学科試験がない場合もあり、コミュニケーション能力がチェックされます

 

何れにせよ、面接の流れは

  1.面接シート記入(無い場合もある) 

  2.学科試験・適性検査

  3.面接(試験の途中に行われる場合有り)

であるケースが多いと思ってください。 

 

 

2.面接

(1)面接以前の話

・電話は16時までにかけてね

・ 履歴書には証明写真をちゃんと貼ってね

・ 筆記用具(シャーペン・消しゴム)忘れないでね

 ・基本的にスーツ・ネクタイを着てね

 ・髪の色は華美でなければ大丈夫な所が多い

・遅刻するとまず間違いなく落ちるよ

・入室したら挨拶してね

・携帯は電源を落とすか、サイレント、機内モードにしてね

という当たり前の話は、求人媒体のホームページに乗ってると思うので、そちらを確認したほうがよい。

まぁ、 常識的な格好と対応をしていれば問題ないだろう。

 

 

(2)面接での質問内容

ほぼ間違いなく聞かれるのは以下の質問

 志望理由・その塾を選んだ理由

 1週間に何日入れるか

  ※週1でも採用されるが、多少不利

  ※週2~3が平均だろう。

 どれだけの期間続けるつもりか

  ※1年未満は不利 長いほうが有利

 指導可能教科

  ※多いほうが有利ではある。教室次第

 最寄り駅や交通手段

 ほかバイトとの兼ね合い(ダブルワークの場合)

 他塾(他社)の退職理由 (バイト経験者)

 この内、シフト関連と住所交通手段は、面接の前に「面接シート」というアンケート用紙のようなものに記入する場合がある。郵便番号や交通費は事前に調べて書けるようにしたほうがスムーズなので、確認しておいてください。

 

次に、塾によっては聞かれる質問を挙げる

答える内容は、この記事よりも面接対策のサイトのほうが詳しい。

 どこで当塾を知ったか

  ※塾のデータ収集の可能性が高い

 いくらぐらい稼ぎたいか

  ※あまりにも実情にそぐわない金額は不利

   15万以上稼ぎたい→そんなにコマがない等

 長所短所はなにか

  ※よくある裏返しで考えるのがおすすめ

 得意な人(生徒)・苦手な人(生徒)

  ※あまりにぶっちゃけるとNG

 苦手な人に対する対応

  ※例として、

   苦手→挨拶の出来ない人

   対応→こちらから根気強く挨拶する。

 これまでの受験経験(中入試・大学入試)

  ※担当生徒の決定に関わる。

 これまでで一番頑張ったことはなにか

  ※勉強関連でも、それ以外でもOK 

 勉強以外で何を生徒に伝えたいか

  ※例として

   「あいさつ」や「時間を守る」等

   社会に出たときに、当たり前になる事

 休日何をしているか(趣味について)

 学校での過ごし方、学んでいること

 サークル活動について

これらは、結構な頻度で聞かれる。「だいたいこんな感じで話そう」という準備はしておいてください。対策サイトほどキレイに答える必要性は全くないです。

 

他に実際にあった質問例として

 将来の夢や目標について

 自分を動物に例えると?

 社会に出たとき学校の勉強は役にたつか?

 〇〇を中学生に向けに説明してください。

などがある。

 

  

3.学科試験

 ほとんどの塾の学科試験は

 難易度 高校入試基礎~高校1年教科書

   量・時間 中学生の1.5倍程度の速度で解く

である。塾によっては、高校入試までできれば問題ない。

難しい問題が出るわけでなく、知っていたら解けるような基礎問題が出題され

事前に練習するのなら、教科書の例題や入試対策問題集(基礎レベル)で、苦手な範囲を解いて復習すれば問題ない。

 

※学科試験の結果について 

特に、個別指導補習塾では、学科試験の採点すらしていない塾が散見される。

面接時間が長めの塾は、学科試験の結果を全く見ていない場合もあるので、それほど、試験の内容に気を配らなくてよい。個別なら指導教科で70%程度解ければ問題ない。ただし、進学塾や集団塾、面接時間が短い塾は、学科試験の内容をしっかり見ているので、90%ぐらいは解けるようにしておこう。

 

※学歴は必要か

 必要ない所がほとんど。個別補習塾なら短大・専門学校でも採用される。

 募集要項を満たしていれば、臆する必要はない。

 

 

4.試験流れ(例)

・某集団塾(進学)

1.面接シート記入

2.学科試験(英数+国理社から1つ)+適性検査 

 内容 オリジナルテスト

 難易度 公立高校入試

 量 中学生が45分かかるテストを30分で解く

 補足 ほとんどシフトと、テストの内容で決定

 3.試験途中に10分ほど面接

 シフトについて詳しく突っ込む。

 なぜこの曜日は入れないのか?

 他校舎に移動出来ないか?など


 

・某集団塾(進学)

1. 20分ほど面接

  変わった質問はなかった。

2.学科試験(英数)

 内容 オリジナルテスト

 難易度 公立高校入試~高校1年教科書

 量 中学生が45分かかるテストを30分で解く

 補足 不定詞を中学生向けに説明させる問題

    円の公式を小学生向けに説明させる問題


 

・某個別指導塾(全国展開+補習塾)

1.面接シート記入

2.学科試験(英数)+適性検査

 内容 中3の進研模試をそのまま流用

 難易度 公立高校入試と同じぐらい

 量 中3が45分かかるテストを30分で解く。

3.試験後20分ほど面接 

 座右の銘に関する質問あり


 

・某個別塾(県内展開+補習塾)

1.学科試験(英数)

 内容 中学生用教材からコピーしたもの

 難易度 教科書の例題レベル

 量 中学生が解く速度と同じぐらいで間に合う

 補足 採点していない

2.試験後30分ほど面接

 短所長所・特技などについて

 趣味・休日の過ごし方について

 大学で何を学んでいるかについて 


 

・某個別塾(県内展開+補習塾)

1.面接シート記入

2.学科試験

 なし

3.試験後20分ほど面接

 将来のことについての質問が多い

 

③採用後の研修

 基本的には、規模が小さい塾ほど、研修に割くリソースが現場に乏しいため、十分な研修を行えない状態にある可能性が高い。よって、1度授業の流れを確認したあと、そのまま実際の授業に入るというイメージを持っておいたほうがよい。

 

 (1) 集団塾・進学塾の場合

 規模が大きい集団塾は、比較的研修に力を入れている塾の方が多い。模擬授業も数回行うし、その後のフォローもある。大抵は、所属教室以外の場所で授業研修を行い、模擬授業に合格すると教室に配属され、実際に授業を行うという流れになる。

 

板書計画や、授業計画を記入しアドバイスを貰える塾も存在しています。ただし、必要なことを過不足なく教育出来ているわけではなく、細かな事柄に関しては、自ら見つけていく必要があります。

※規模が小さくなると、このタイプの塾でも教育体制が整っていることが少ない。

 

(2)個別塾・補習塾の場合 

 規模が大きい塾でも、1度、映像や、見学、模擬授業(20分程度)で授業の流れを確認し、書類関係の説明を受けた後、実際の授業に入る所が多い。また、授業の方法についてのアドバイスはあまりなく、そもそも適切なアドバイスができる教室管理職が少ない状態にある。

 

 はじめは、教室長や、先輩講師のフォローを受けつつの授業となるが、教育的な働きかけが出来ているわけではない。その後は放置されるため、トライアンドエラーを繰り返し、自ら学んで行く必要がある。

※ その後のフォローが充実しているわけではないので、その学びが正しい方向を向いているかについて分からない状態で勤務を続けることになりやすい。

 

④おすすめ

あくまで個人の感想です。

もちろんいろんな塾があるので、一概には言えません。

個別は基本1:2のほうがおすすめです。

集団は中~大規模の進学塾がおすすめです。

 

 教員志望

   →集団塾(進学)

 しっかりやりたい

   →集団塾(進学)

 社会経験を積みたい

   →塾じゃないほうがいい。

 徹底的に楽をしたい

   →中・小規模個別塾(補習)

 初めてで不安

   →中・小規模個別塾(補習)

 学力× コミュ力

   →中・小規模個別塾(補習)

 学力○ コミュ力×

   →中・小規模集団塾(進学)

   →中・小規模個別塾(補習)

 

⑤まとめ

 面接までに

  志望理由、週に何回入れるのか、何年務めるつもりか

 ぐらいを準備しておけば大丈夫でしょう。

 あとはコミニュケーションが取れればまず問題ないでしょう。

 

 学科試験までに

  公立高校入試レベルができれば問題ないでしょう。

 

 研修

  放置されるので、コマに入って慣れるしかないでしょう。