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2019(H31)年度公立高校入試・正答率が低い難問②

今回は、2019年度の公立入試問題の中で、正答率が低かった問題を詳紹介する。

なお、2019年度9月1日現在、正答率が公式に発表され、問題がインタネット上で公開されているもののみ扱う。

※2020年3月まで、2019年度入試で解答・解説がほしい問題を募集します。

 コメントかメールでご連絡ください。

  

marhchem.hatenablog.com

 

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7.滋賀県 大問4(2)③ 正答率0.7%

f:id:keimathchem:20190907180956p:plain

 

 

 解答・解説

(1) 正答率 23.3%

(2) ① 正答率 1.1%

   ② 正答率 6.5%

   ③ 正答率 0.7%

③が難しい。2019年滋賀県は、大問3・大問4ともに正答率が低く、平均点が38.1/100であった。

 

(1)

 △ABEは直角三角形だから

  AE^2=AB^2+BE^2

  2=x^2+BE^2

   BE=\sqrt{2-x^2} ・・・答

 

(2)

平行線と線分の比で攻めると

   AS:SB=FU:UE

 よって、 AF//SU//BE

 ゆえに、 AS:SB=FP:PB=1:1

 以上より、点PはBFの中点

 

 正六角形の一辺の長さを x とおいて

 六角形の面積を x で表し、方程式を作ろう。

 

f:id:keimathchem:20190908234000p:plain

 図のように、二等辺三角形×2個と、長方形に分ける。

  AB=x  とする。

  六角形の1つの角は 180-\frac{360}{6}=120°

  だから、△ABPは∠BAG=60° の直角三角形

  よって、

   AP=\frac12 x

   BP=\frac12 \sqrt3 x

   BF=\sqrt3 x

  以上より

   二等辺三角形2個分 

     \sqrt3 x ×\frac12 x÷2×2=\frac12 \sqrt3 x^2

   長方形 

     x×\sqrt3 x=\sqrt3 x^2

  よって。正六角形の面積は 

   \frac32 \sqrt3 x^2

  ゆえに

   \frac32 \sqrt3 x^2=40\sqrt3

  これを解いて

   x=\frac{4\sqrt{15}}{3} ・・・答

 

 △STUからオレンジ色の三角形を引けば、目的の面積を出せる。

   f:id:keimathchem:20190908233419p:plain

△ABF∽△SBP、AB:SB=1:2 なので

 △SBPは△ABFの  \frac14

さらに、オレンジの三角形は、△SBPの半分なので、

オレンジの三角形1つ分は、△ABFの   \frac18 

 (2)②より、BF=4\sqrt5,  AP=\frac{2\sqrt{15}}{3}   

  なので、オレンジ三角形3個分は

   4\sqrt5×\frac{2\sqrt{15}}{3}÷2×3

   =\frac52 \sqrt3

 

正三角形△STUの面積を求める。

まずは、1辺の長さを求めよう。

 f:id:keimathchem:20190909002726p:plain

 図の赤い部分に着目する。

 正六角形だから  BE=2AF

 △ABFで中点連結定理より

  SP=\frac12 AF

 △FBEで中点連結定理より

  PU=\frac12 BE=AF

 よって、

  SU=SP+PU=1.5AF

(2)②より、 AF=\frac{4\sqrt{15}}{3}  だから

  SU=2\sqrt{15}

△STUの1辺の長さが出せた。

よって、△STUの面積は

  △STU=\frac{\sqrt3}{4}×SU^2=15\sqrt3 ※

 

以上より、目的の面積は

 15\sqrt3-\frac52 \sqrt3=\frac{25\sqrt3}{2}・・・答

 

 正三角形1辺の長さを x とすると、

 正三角形の面積 S

  S=\frac{\sqrt3}{4}x^2

 もちろん、高さを計算して面積を出してもよい。

 

 

8.青森県 大問5(4) 正答率0.7%

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 解答・解説

(1) 正答率 20.4%

(2) 正答率 3.4%

(3) 正答率 イ3.9% ウ8.1%

(4) 正答率 0.7%

誘導に乗れば、(4)は意外と楽に解くことが出来る。

 

(1)

1-30番のページ数

f:id:keimathchem:20190909003049p:plain

 1組は30番まで30人いる。

 つまり、1組だけで15ページ分必要。

 3ページ目から1組の掲載が始まるので

 1組の最後は

  2+15=17ページ目 ・・・答

 

3-1番のページ数

 f:id:keimathchem:20190909003114p:plain

 後ろから遡ればよい

 47ページから3組の掲載が始まので

  48-15=33ページ目 ・・・答

 

(2)

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 2組は18ページから始まり、32ページまである。

 上の表のように、18ページ目を①として通し番号をつける。

 すると、下段の番号は、通し番号の二倍になっている。

 通し番号は、「ページ数-17」で計算できるので

  ア=2(x-17)=2x-34 ・・・答

 

(3)

 裏のページを1枚目から書き出す

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 右のページ数は枚数の2倍

 左のページ数と右のページ数の和は常に49

よって、イ:49-2n,  ウ:2n   ・・・答

 

(4)

誘導に乗れば、(4)の答えは裏だと予測できる。

n枚目の裏について検証する

 (3)より、左のページ数は 49-2n

 (2)より a=2(49-2n)-34

同様に

 (3)より、右のページ数は 2n

 (2)より b=2×2n-34

a-b=10より

 2(49-2n)-34-(4n-34)=10

  n=11

よって、11枚目の裏・・・答

 

一応、表も検証しておく

n枚目の表について

 左のページ数は 2n-1

   a=2(2n-1)-34

 右のページ数は 49-(2n-1)=50-2n

   2(50-2n)-34

よって、

 2(2n-1)-34- \{ 2(50-2n)-34 \} =10

  8n=112

 nが整数ではないので不適

 

 

9.兵庫県 大問4(4) 正答率0.7%

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解答・解説

(1) (2) 正答率57.6%

(3) 正答率 79.6%

(4) 正答率 0.7%

最後の問題のみ難しかったようだ。

(3)の合同の証明が伏線

 

(4)

 △ABQと△CBPは合同であるから

 △ABQが最大のとき、△CBPの面積も最大になる。

 △CBPの面積が最大となるような点Pは、

 弧BCの真ん中にある。

 また、△QBPは正三角形、△AQBは二等辺三角形だから

 QA=QB=QP となるため、点Qは点Oと重なる。

 よって、図は以下のようになる

f:id:keimathchem:20190909013805p:plain



 

下図のように、赤い扇形から、オレンジの三角形を引けば、

目的の面積の半分を求めることが出来る。

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(2)より、円の半径は 2\sqrt3 であるから

 (2\sqrt3×3\sqrt3×π×\frac{120}{360}-2\sqrt3×3÷2)×2

  =8π-6\sqrt3・・・答

 

9.青森県 大問3(2)エ 正答率0.7%

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解答・解説

(2)

ア 正答率 52.4%

イ 正答率 5.9%

ウ 正答率 0.7%

エ 正答率  あ17.1% い9.8%

 

 

(2)ア

 底面積 5×5×π×2=50π

 側面積 10π×10=100π

 よって、150π・・・答

 

(2)イ

 点Pは1周360°を30秒で移動する。

 よって、5秒には

  ∠AOP=360÷30×5=60°・・・答

 

 直角三角形△APBを利用して、BPを出す。

 ∠AOP=60°であるから、△AOPは正三角形

 よって、AP=5

 △APBについて、三平方の定理より

  BP^2=10^2+5^2

   BP=5\sqrt5  ・・・答

 

(2)ウ

 OP//OQのとき

  ∠AOP+∠BOQ=0°,180°,360°,540°,720°・・・

 となる。

  x秒後には

   ∠AOP=12x, ∠BOQ=8x

 よって、

  12x+8x=0のとき, 出発地点は考えないので×

  12x+8x=180  のとき,  x=9

  12x+8x=360  のとき,  x=18

  12x+8x=540  のとき,  x=27

 これ以上は、点Pが点Aで止まるので考えない。

 よって、9秒, 13秒, 27秒・・・答

 

(2)エ

 PQが最も近づくのは、出発地点。

 よって、あ=10・・・答

 

 PQが最も遠ざかるのは、PとQが円の反対側にあるとき

 このとき、PQの長さは、下図AB'の長さと等しい。

   f:id:keimathchem:20190909231228p:plain

 △ABB'は∠BAB'=45°の直角三角形だから

  AB'=10\sqrt2

 よって、 い=10\sqrt2  ・・・答

 

 

11高知県(A) 大問3(3) 正答率0.9%

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解答・解説

 (1) 正答率 14.3%

 (2) 正答率 9.6%

 (3) 正答率 0.9%

  

(1)

 0≦x≦6  のとき、QはCからFへ向かっている。

 f:id:keimathchem:20190909233431p:plain

 図のように、

 BP=x,  CQ=2x

四角形PBCQは台形だから

 (x+2x)×8÷2=12x ・・・答

 

(2)

四角形BCEFの面積は、 12×8=96

 PQが四角形BCEFの面積を半分にするとき、

四角形PBCQの面積が、 48  になる。

 

0≦x≦6  のとき、(1)より

 12x=48

  x=4 

6≦x≦12  のとき、

x=12  で、P,QはそれぞれE,Cと重なるので、

明らかに、PQは四角形BCEFの面積を2等分する。

よって、x=12

以上より、x=4,12 ・・・答

 

※方程式を立ててx=12を出すには、以下のようにする。

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6≦x≦12  のとき、

C→F→Cの経路は、24

また、点Qは、C→F→Qと移動するので、

 QC=24-2x

よって、四角形PBCQの面積は

 (x+24-2x)×8÷2=96-4x

よって、

 96-4x=48

 x=12・・・答

 

 (3) 

 DP,DQx で表し、方程式を立てる。

6≦x≦12 のとき

DP^2=36+(12-x)^2

 DQ=9+(2x-12)^2

DP=DQ  より、 DP^2=DQ^2 

 36+(12-x)^2=9+(2x-12)^2

 3x^2-24x-27=0

これを解くと、x=9,-1

 6≦x≦12 より x=9

このとき、 

 PQ^2=8^2+3^2

  PQ=\sqrt{73}・・・答

  0≦x≦6  のときも x=9 がでるが

 0≦x≦6 を満たさないので不適

 

 

12.広島県 大問6(2) 正答率1.5%

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解答・解説

 (1) 正答率 73.1%

 (2) 正答率 1.3 %

 座標が整数である点(格子点)はあまり学校や問題集で扱う機会がないが、毎年どこかの県で1回は出題されているので、やり方を知っておこう。

 

(1) 

 切片を見るだけ 

 y  座標は 4 ・・・答

 

(2)

 格子点問題の基本は、「書き出し」である。

 Aは②のグラフ上にあるので、①が通る点は

  y=-\frac{2}{3} x+4

 よりも下にある。

 そのような点を調べると以下のようになる。

  f:id:keimathchem:20190915164815p:plain

 このうち、傾き  a  が最も小さくなるのは

 (4,1)  を通るとき

 よって、 a=\frac{1}{4} ・・・答

 

 

※ 

全て調べなくても、グラフを書けば

(4,1)a が最小になると気がつく。

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