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2次方程式の解と文章題(1)(代入、解から式を作る、重解)(基~標)

 

今回は、2次方程式の解に関わる問題を扱う。

解と係数の関係や、判別式はまた今度くわしくまとめるので、

補足は、基礎~標準レベルなら飛ばしてもよい

 

前回 ←補題・2元2次連立方程式

次回 →解の問題(2)(文字解、解と係数の関係、式の値、整数問題)(難)

  

 

3.2. 2次方程式と解

  3.2.1 解の問題(1)(代入、解から式を作る、直前の形)(基~標)

  3.2.2 解の問題(2)(解と係数、文字解、式の値、整数問題)(難)

 

 

今回のメインは

 ① 代入による解法

 ② 解から式を作る

の2パターンについて見ていく。

 

1.解の代入①

例題01

(1) x^2+3x+2=0の小さい方の解をa, 大きい方の解をbとする。  ab^2+a^2bの値を求めよ。

(2) x^2-x-1=0の小さい方の解をaとする。4a^2-4a+5の値を求めよ。

 

解説

 一方を解いて、他方に代入するだけ。

 

(1) 

x^2+3x+2=0は普通に解けそうなので、

a,bも値をもとめられる。

 x^2+3x+2=0

  (x+2)(x+1)=0

  x=-2,-1

よって、a=-2, b=-1

これを代入し

 ab^2+a^2 b

  =-2×(-1)^2+(-2)^2×(-1)

  =-2+(-4)

  =-6・・・答

 

(2)解の公式をつかう

 x^2-x-1=0

  x=\frac{1±\sqrt{5}}{2}

小さい方の解なので、

 a=\frac{1-\sqrt{5}}{2}

あとはこれを4a^2-4a+5に代入するだけ

 

 

解答

(1) 

 x^2+3x+2=0

 (x+2)(x+1)=0

 x=-2,-1

よって、

 a=-2, b=-1

ゆえに、

 ab^2+a^2 b

  =-6・・・答

 

(2)

 x^2-x-1=0

  x=\frac{1±\sqrt{5}}{2}

よって、

 a=\frac{1-\sqrt{5}}{2}

これを代入し

 4a^2-4a+5

  =(1-\sqrt{5})^2-2(1-\sqrt5)+5

  =9・・・答

 

補足 解と係数の関係(難)

 ax^2+bx+c=0の解をx=α, βとすると

  ① α+β=-\frac{b}{a}

  ② αβ=\frac{c}{a}

 が成り立つ。

詳しくは「解の問題(2)(難)」の方でまとめる。

この公式を利用すれば簡単に解ける問題もあるので、

覚えておいた方が得ではある。

 

(1) 別解

x^2+3x+2=0の解a,bについて

解と係数の関係より、a+b=-3, ab=2

 ab^2+a^2b

  =ab(a+b)

  =2×(-3)

  =-6・・・答

 

補足 代入の利用(難)

(2) 別解

 x^2-x-1=0の解はaであるから

  a^2-a-1=0 

 が成り立つ。これを利用して値を求める

   a^2-a=1

   4a^2-4a=4

 なので、

  4a^2-4a+5

   =4+5

   =9・・・答

 こちらも、詳しくは解の問題(2)(難)の方でまとめる。

 


練習問題01

(1) x^2-x-6=0の大きい方の解をa, 小さい方の解をbとする。a^2-b^2の値を求めよ。

(2) x^2+3x+2=0の小さい方の解をaとする。a^2+6a+1の値を求めよ。


 

2.解の代入②

例題02

(1) x^2+5x-7a=0の解の1つがx=2のとき、aの値を求めよ。

(2) x^2+2(a-1)x+(a+1)(a-3)=0の解の1つが、x=1のとき、aの値と他の解を求めよ、ただし、aは正の数。 

(3) x^2+ax-32=0の解の1つが、x=aのとき、aの値と他の解を求めよ。

 

解説

 解が与えられている場合、解を元の方程式に代入してもよい。

 これは、連立方程式や1次方程式と変わらない。

(1) 単純に代入するだけで答えがでる。

(2) 代入して出てくるaについての2次方程式を解く

(3) aの値が複数でてくるので、aの値で場合分けする。

 

(1) 解を代入する

 x^2+5x-7a=0x=2を代入すると

  2^2+5×2-7a=0

  -7a=-14

  a=2 ・・・答

 

(2)

 x=1を代入すると

  1+2(a-1)+(a+1)(a-3)=0

  a^2=4

  a=±2

 問題文に「aは正の数」と書いているので

  a=+2 ・・・答

 

 他の解(x=1以外の解)も出す。

 a=+2を代入すると

  x^2+2(a-1)x+(a+1)(a-3)=0

  x^2+2(2-1)x+(2+1)(2-3)=0

  x^2+2x-3=0

  (x-1)(x+3)=0

  他の解はx=-3・・・答

 

(3)

 解が文字でも代入する。

 x=aを代入すると

  x^2+ax-32=0

  a^2+a^2-32=0

  2a^2=32

  a^2=16

   a=±4

 aの値が二つあるときは、場合分けする

 

a=4のとき

 x^2+ax-32=0

 x^2+4x-32=0

 (x-4)(x+8)=0

  x=4,-8

x=a=4以外の解を聞かれているので

 他の解はx=-8

 

a=-4のとき

 x^2+ax-32=0

 x^2-4x-32=0

 (x+4)(x-8)=0

  x=-4,8

x=a=-4以外の解を聞かれているので

 他の解はx=8

 

①②より、

 a=4のとき、他の解x=-8

 a=-4のとき、他の階x=8 ・・・答

 

 

解答

(1) 

x=2を代入し

 2^2+5×2-7a=0

 a=2 ・・・答

 

(2)

x=1より、

 1+2(a-1)+(a+1)(a-3)=0

 a^2=4

 a=+2 (a>0) ・・・答

これを代入し

 x^2+2(a-1)x+(a+1)(a-3)=0

 x^2+2x-3=0

 (x-1)(x+3)=0

  他の解はx=-3・・・答

 

(3)

x=aを代入し

 x^2+ax-32=0

 a^2+a^2-32=0

 a^2=16

 a=±4

a=4のとき

  x^2+4x-32=0

  (x-4)(x+8)=0

  x=4,-8  他の解はx=-8

a=-4のとき

  x^2-4x-32=0

  (x+4)(x-8)=0

  x=-4,8 他の解はx=8 

①②より、

 a=4のとき、他の解x=-8

 a=-4のとき、他の解x=8 ・・・答

 

補足 文字解の利用(難)

(2) 別解

x^2+2(a-1)x+(a+1)(a-3)=0

を文字で解いてみる。普通に因数分解すれば

 

 x^2+2(a-1)x+(a+1)(a-3)=0

 (x+a+1)(x+a-3)=0

 x=-a-1, -a+3

 

となる。この解の一方が、問題文のx=1と一致するから

 ① -a-1=1のとき、a=-2 (不適 aは正の数)

 ② -a+3=1のとき。a=2

  このとき、もう一方の解はx=-a-1なのでx=-3

以上より、

 a=2, x=-3・・・答

 

補足 解と係数の関係(難)

 (1)(3)は、他の解をbとおくと、解と係数の関係で解ける。

(3) 別解

 もう一方の解をbとすると

  a+b=-a・・・①  ab=-32・・・②

 が成り立つ。

  ①よりb=-2a

  ②に代入し

   ab=-32

   -2a^2=-32

   a=±4

  (a) a=+4のとき、②に代入すると、b=-8

  (b) a=-4のとき、②に代入すると、b=8

 以上より、

  a=4のとき、他の解はx=-8

  a=-4のとき、他の解はx=8 ・・・答

 


練習問題02

(1) x^2+6x+5=0の小さい方の解がx^2+2ax+a-5=0の解の1つである。aの値を求めよ。

(2) x^2+ax-a+3=0の解の1つはx^2-12x+20=0の小さい方の解の2倍である。aの値を求めよ。

(3) x+a=2の解がx^2+(a-1)x-a(2a-1)=0の解である。aの値を求めよ。

(4) x^2+2ax-3a+6=0の解の1つがx=3で、他の解がx^2+3x-b=0の解である。a,bの値を求めよ。


 

3.解の代入③

例題03

(1) x^2+bx+c=0x=2,3を解にもつ、b,cの値を求めよ、

(2) x^2+bx+c=0x^2+cx+b=0と間違えると 解がx=1,3となった。元の正しい方程式の解を求めよ。

(3) x^2+kx+12=0は2つの正の解をもち、一方の解が他方の2倍であった。kの値とこの方程式の解を求めよ。

 

解説

「解→代入」だから、1つずつ代入し、2つの式をつくって連立すればよい。

(2)間違えた方の式をつかって、b,cの値を出してから、正しい式を解き直す。

(3)一方の解をaとすると、他方の解は2aとおける。これを代入すればよい。

 

(1)

x=2x=3をそれぞれ代入する。

x^2+bx+c=0について

 x=2のとき 4+2b+c=0・・・①

 x=3のとき 9+3b+c=0・・・②

①と②を連立すれば、a,bの値が出せる。

 ①-②より 

  -5-b=0

  b=-5

 ①に代入して

  4-10+c=0

  c=6

よって、b=-5,c=6・・・答

 

(2)

間違えた方の式と、解について考える。

(1)と同じく代入すると、

 x^2+cx+b=0について、

  x=1より、1+c+b=0・・・①

  x=3より、9+3c+b=0・・・②

 ②-①より 

  8+2c=0

  c=-4

 ①に代入しb=3

これで正しい式がわかる。

正しい方程式は

 x^2+3x-4=0

あとはこの式を解けば正しい答えになる

 x=4,-1・・・答

 

(3)

 一方の解をaとすると、他方の解は2aとおける。

文字であろうが、考え方は同じ。

x^2+kx+12=0に代入すると

 x=aのとき a^2+ak+12=0・・・①

 x=2aのとき 4a^2+2ak+12=0・・・②

これを連立すればよい。

akの項が邪魔なので、②-①×2をすると

 2a^2-12=0

 a^2=6

 a=\sqrt6 (a>0)

これを①に代入し

 6+\sqrt6k+12=0

 \sqrt6k=-18

 k=-\frac{18}{\sqrt6}

 k=-3\sqrt6・・・答

また、この方程式の解はa, 2aだから

 x=\sqrt6, 2\sqrt6・・・答

 

なお、この連立方程式は、二元二次方程式である。

これは、2次方程式の解き方(難)の方でまた詳しく学ぶ

 

補足 解と係数の関係(難)

(1) 別解

 解と係数の関係より

  -b=2+3 c=2×3 

 よって、b=-5,c=6

 

(2) 別解

 解と係数の関係より

  -c=1+3, b=1×3

 よって、

  b=3, c=-4

 つまり、元の式は

  x^2+3x-4=0

 これを解いて、x=4,-1

 

(3) 別解

 一つの解をaとおくと、他方の解は2a

 解と係数の関係より、

  a+2a=-k・・・①  a×2a=12・・・②

②を解くことでa=\sqrt6 (a>0)

これを①に代入しk=-3\sqrt6

また、解は x=\sqrt6,2\sqrt6

 


練習問題03

(1) ax^2+x+c=0の解がx=1,3のとき,a,cの値を求めよ

(2) x^2+bx+c=0を解くのに、Aくんはbを見間違えx=-1,-2、Bくんはcを見間違えx=3,-2を解とした。定数b,cの値を求めよ。

(3) x^2+bx+6=0の2つの解の比が 2 : 3であった。bの値を求めよ。


 

4.解から式を作る①

例題04

(1) x^2+bx+c=0の解が x=2,3であるとき、b,cの値を求めよ。

(2) 3x^2+bx+c=0の解が x=-2,5であるとき、b,cの値を求めよ。

(3) xについての二次方程式x^2-nx+15の2解がともに正の整数であった。定数nの値を求めよ

 

解説

ax^2+bx+c=0因数分解

 a(x-α)(x-β)=0の形にできれば、解はx=α,βである。

逆に、

 解がx=α,βならば、元の2次方程式a(x-α)(x-β)=0である

x^2の係数(a)を忘れないように気をつけよう。

 

(1)

例題03のように代入していいが、別のやり方で解く。

 解がx=α,βならば、元の2次方程式は、a(x-α)(x-β)=0

 解がx=2,3ならば。元の2次方程式は、(x-2)(x-3)=0

x^2+bx+c=0より a=1

 (x-2)(x-3)=0を展開すると、

  x^2-5x+6=0

 この式とx^2+bx+c=0は同じ方程式のはずなので、

  b=-5, c=6・・・答

 

(2)

x^2の係数に気をつけよう。

3x^2+bx+c=0より a=3だから、

x=-2,5を解に持つ2次方程式は 3(x+2)(x-5)=0

 これを展開し

  3x^2-9x-30=0

この式は3x^2+bx+c=0と同じはずなので、

  b=-9,c=-30・・・答

 

(3)

 (1)(2)とは考え方が少し違うが、ここで説明する。

普通、2次方程式を解くには、因数分解を考えた。 

x^2-nx+15=0も15が出るように因数分解されるとしたら

   (x-1)(x-15)=0 もしくは (x-3)(x-5)=0

の形になるしか無い。

あとは、この2つの式を展開しx^2-nx+15=0と比較する。

※もちろん(x+1)(x+15)=0は解が負の数になるので考えなくて良い。

 

  

解答

(1)

 x=2,3が解であるなら

  (x-2)(x-3)=0

  x^2-5x+6=0

 この式とx^2+bx+c=0は一致するので

  b=-5, c=6・・・答

 

(2)

 x=-2,5が解であるから

  3(x+2)(x-5)=0

  3x^2-9x-30=0

 この式は3x^2+bx+c=0と一致するので、

  b=-9,c=-30・・・答

 

(3)

  (x-1)(x-15)=0のとき

   x^2-16x+15=0より、n=16

  (x-3)(x-5)=0のとき

   x^2-8x+1,5=0より、n=8

 以上より、n=8,16・・答

 

補足 解と係数の関係

(1)別解

 x=2,3が解なので、解と係数の関係より

  -b=2+3, c=2×3

 よって、b=-5, c=6・・・答

 

(2)別解

 x=-2,5が解なので、解と係数の関係より

  -\frac{b}{3}=-2+5, \frac{c}{3}=-2×5

 よって、b=-9,c=-30・・・答

 

(3)別解

 解をx=α,βとすると

  αβ=15

 が成り立つ。α,βは正の整数だから

  α=15、β=1 or α=5、β=3

 ここで、

  n=α+βであるから、それぞれ代入し

 n=8,16・・・答

 


練習問題04

(1) 2x^2+bx+c=0の解がx=1,3である。b,cの値を求めよ。

(2) x^2-3x-10=0の解にそれぞれ2を加えた値を解にもつ二次方程式を1つ作れ。

(3) x^2+nx-6=0の2解が整数である。定数nの値を求めよ。


 

5.解から式を作る②

例題05

(1) x^2+kx+25=0の解がただ一つであるとき。kの値を求めよ。

  (ただし、k>0)

(2) 2x^2+bx+c=0の解がx=3だけであるとき、b,cの値を求めよ。

(3) x^2+(a+1)x+a=0の解が重解を持つとき定数aの値を求めよ。

 

解説

 ax^2+bx+c=0a(x-α)^2=0 の形に因数分解できれば

 x=αという、重解(ただ一つの解)をもつ

逆に

 x=α を重解にもつならば、 a(x-α)^2=0 の形に因数分解できる。

 これも、x^2の係数(aの値)をつけ忘れないように気をつけよう。

 

(1)

 x^2+kx+25=0について、

 25という数に着目すると,この式は

  (x+5)^2=0 

 という形になるとよい。

  展開すると

  x^2+10x+25=0

 この式はx^2+kx+25=0と同じはずなので、

  k=10

 ※ (x-5)^2=0とすると、k<0となり不適

 

(2)

x^2の係数が2であることに注意

 x=3を重解に持つ二次方程式は 2(x-3)^2=0因数分解できる。

展開すると、

  2x^2-12x+18=0

この式は 2x^2+bx+c=0と同じはずなので、

 b=-12,c=18・・・答

 

(3)

以下を、テクニックとして覚えてしまってもいい。

 x^2の係数が1であるとき、

  (xの係数)^2÷4=定数項

 が成りたてば、重解をもつ

 

これを利用すると、

  x^2+(a+1)x+a=0が重解を持つには

   \frac{(a+1)^2}{4}=a

   (a+1)^2=4a

   a^2-2a+1=0

   (a-1)^2=0

 よって、a=1・・・答

 

補足 (xの係数)^2÷4=定数項

 x^2の係数が1のとき

  重解を持つ式は (x+m)^2=0 の形になる。

 ということは、元の式は

   x^2+2mx+m^2=0 

 という形である。

 ここで、xの係数と定数項を比較すると、

   (xの係数)^2÷4=定数項

 が成り立つ。

 

解答

(1)

 x^2+kx+25=0が解を1つだけ持つには

  x^2+10x+25=0

 となればよい。

 よって、k=10

 

(2)

 x=3を解に持つ二次方程式

  2(x-3)^2=0

  2x^2-12x+18=0

 よって、b=-12,c=18・・・答

 

(3)

 \frac{(a+1)^2}{4}=a

 a^2-2a+1=0

 (a-1)^2=0

 よって、a=1・・・答

 

補足

 (1)も(3)の方法で解ける

(1)別解

 x^2+kx+25=0が重解をもつなら

 (xの係数)^2÷4=定数項より、

  \frac{k^2}{4}=25

  k=±10

 k>0より

  k=10 ・・・答

 

補足2 解の予測

(1) 別解

x^2+kx+25=0 の定数項が25であるから、

 重解はx=5 

とわかる。

これを x^2+kx+25=0 に代入し

  k=±10・・・答

 

 ax^2+bx+c=0の重解はx=-\frac{b}{2a}である。

これを利用して解いてもよい

(1) 別解

  x^+kx+25=0 の重解は -\frac{k}{2}

 これを代入し

  \frac{k^2}{4}-\frac{k^2}{2}+25=0

  k^2=100

  k=10(k>0)・・・答

(2) 別解

  2x^2+bx+c=0 の重解は x=-\frac{b}{4}

 解はx=3だから

  -\frac{b}{4}=3

  b=-12・・・答

 としてbを出しても良い。

(3)別解

  x^2+(a+1)x+a=0 の重解は x=-\frac{a+1}{2} である

 これを代入すると

  (-\frac{a+1}{2})^2+(a+1)×(-\frac{a+1}{2})+a=0

  \frac{(a+1)^2}{4}-\frac{(a+1)^2}{2}+a=0

  (a+1)^2-2(a+1)^2+4a=0

  a^2-2a+1=0

 これを解いてa=1

 

補足 文字解

(3)別解

 x^2+(a+1)x+a=0

 (x+1)(x+a)=0

この式の解はx=-1,-a

重解を持つには、この解が一致する必要があるので

 -a=-1

よって、a=1

 


練習問題05

(1) x^2+6x+k=0が重解を持つとき定数kの値を求めよ。

(2) 3x^2+bx+c=0x=2をただひとつの解として持つとき定数b,cの値を求めよ。

(3) x^2-(k-2)x-3k-2=0が重解をもつような定数kの値を求めよ


 

6.補題・判別式

例題06

(1) x^2+kx+25=0の解がただ一つであるとき。kの値を求めよ。

 (ただし、k>0とする。)

(2) x^2-2x+a=0が2つの実数解をもつとき、aの値の範囲を求めよ。

 

解説

(1)は例題05と同じ問題だが、以下のような考え方がある。

 

(1)

 x^2+kx+25=0を解の公式を使って解くと

  x=\frac{-k±\sqrt{k^2-100} }{2}

 解が1つになるには、±√ の部分が0だったらよい。

  k^2-100=0

  k=10 (k>0)・・・答

 この内容を発展させると、以下のことがわかる。

 

 判別式 

  ax^2+bx+c=0の解は

    x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac} }{2a}

  解の個数は公式の±√ の部分が決めている。

  だから、ルートの中身b^2-4acを調べれば解の個数がわかる

     b^2-4ac>0なら解の個数は2個

     b^2-4ac=0なら解の個数は1個(重解)

     b^2-4ac<0なら実数解をもたない。

     

(2)

 x^2-2x+a=0が、2つの実数解をもつなら

 (-2)^2-4×1×a>0

 4-4a>0

 a<1・・・答

 

7.演習問題


以下の問いに答えよ

(1) x^2-4ax+a^2=0x=1を解にもつ。aを求めよ 

(2)  x^2-3x-4=0の大きい方の解が、x^2+ax+2a-1=0の解である。aの値を求めよ。

(3) \frac12=\frac{a+3}{3}-\frac{2x-1}{6}の解がx^2-4a=5xの解である。aの値を求めよ。 

(4) x^2-8x+a=0の解の1つがx=2 他の解がx^2+2bx-4b+4=0の解である。a,bの値を求めよ。

(5) ax^2+bx+1=0の解が,x=\frac12, \frac13のとき、a,bの値を求めよ

(6) 解がx=2,5である2次方程式を1つ作れ

(7) x^2+ax+b=0を解くとき、A君はxの係数を間違えて x=-3,2と答え、B君は定数項を間違えてx=-1,2と答えた。正しい解を求めよ。 

(8) x^2+kx+36=0が2つの正の整数解をもつとき、定数kの値を求めよ。

(9) x^2-kx+1=0の解がただ一つであるとき。定数kの値を求めよ。

(10) 2x^2+bx+c=0の解がx=1だけのとき定数b,cの値を求めよ

(11) x^2+kx+k=0が重解をもつとき定数kの値を求めよ。

(12) 3つの2次方程式

  ax^2+bx+c=0・・・①

  bx^2+cx+a=0・・・②

  cx^2+ax+b=0・・・③

について、①はx=1、②はx=2を解にもつとき、③の解をすべて求めよ

<出典:(1)豊島岡女子(3)帝塚山(4)清教学園(7)市川(12)洛南>

 


8.解答


練習問題・解答

 ※補足の解法は使わない

練習問題01

(1)

 x^2-x-6=0

 (x-3)(x+2)=0

よって、a=3,b=-2

代入して

 a^2-b^2=9-4=5・・・答

 

(2)

 (x+1)(x+2)=0

よって a=-2

代入して、a^2+6a+1=4-12+1=7・・・答

 

練習問題02

(1)

 x^2+6x+5=0

 (x+1)(x+5)=0

小さい方の解はx=-5

これを代入し

 x^2+2ax+a-5=0

 25-10a+a-5=0

 a=\frac{20}{9}・・・答

 

(2) 

 x^2-12x+20=0

 (x-10)(x-2)=0

小さい方の解はx=2

これを二倍して代入すると

 x^2+ax-a+3=0

 16+4a-a+3=0

 a=-\frac{19}{3}・・・答

 

(3)

 x+a=2よりx=2-a

これを代入し

 x^2+(a-1)x-a(2a-1)=0

 (2-a)^2+(a-1)(2-a)-a(2a-1)=0

 -2a^2+2=0

 a=±1・・・答

 

(4)  

x=3を代入し

  x^2+2ax-3a+6=0

  9+6a-3a+6=0

  a=-5

つまり、元の方程式を解くと

  x^2+2ax-3a+6=0

  x^2-10x+21=0

  (x-7)(x-3)=0

よって、他の解はx=7

これを代入し

 x^2+3x-b=0

 49+21-b=0

 b=70

以上より、a=-5,b=70・・・答

 

 

練習問題03

(1) 

x=1,3をそれぞれ代入すると

 a+1+c=0

 9a+3+c=0

これらを連立すると 

 a=-\frac14, c=-\frac34・・・答

 

(2) 

A君はbをmと間違えたとする

x=-1,-2をそれぞれ代入し

  x^2+mx+c=0

   1-m+c=0 2-2m+2c=0

   4-2m+c=0 

 これらを連立して c=2

B君はcをnと間違えたとする

x=3,-2をそれぞれ代入し

  x^2+bx+n=0

   9+3b+n=0 

   4-2b+n=0

 これらを連立しb=-1

 

以上より、b=-1,c=2・・・答

 ※ちなみに、元の方程式はx^2-x+2=0である。

 この方程式に実数解はない。

 

(3)

 解の比が 2 : 5であるから、x=2a,3aとおける

それぞれを代入し

 4a^2+2ab+6=0・・・①

 9a^2+3ab+6=0・・・②

①×3-②×2より

 -6a^2+6=0

 a=±1

これを①に代入し、b=±5・・・答

 

練習問題04

(1) 

解がx=1,3だから、

 2(x-1)(x-3)=0

 2x^2-8x+6=0

この式と2x^2+bx+c=0は一致するので

 b=-8,c=6・・・答

 

(2) 

 (x-5)(x+2)=0

 x=5,-2

よって、x=7,0を解にもつ二次方程式を作ればよい

x^2の係数が1のものを作ると 

 x(x-7)=0

 x^2-7x=0・・・答

 

(3)

 (x-1)(x+6)=0 (x+1)(x-6)=0

 (x-2)(x+3)=0 (x+2)(x-3)=0

の4パターンある。それぞれの場合についてnを求めると

 n=±5,±1・・・答

 

練習問題05

(1)

 (x+3)^2=0となればいいので、k=9・・・答

 

(2)

x=2が唯一の解となる方程式は

 3(x-2)^2=0

 3x^2-12x+12=0

これと 3x^2+bx+c=0は一致するので

 b=-12,c=12・・・答

 

(3) 

 (xの係数)^2÷4=定数項より

  \frac{(k-2)^2}{4}=-3k-2

  (k-2)^2=-12k-8

  k^2-4k+4=-12k-8

  k^2+8k+12=0

  (k+2)(k+6)=0

  k=-2,-6・・・答

 


演習問題・解答

(1)

x=1を代入し

 x^2-4ax+a^2=0

 2-4a+a^2=0

 a^2-4a+2=0

解の公式より

 a=\frac{-4±2\sqrt{2}}{2}

 a=-2±\sqrt2・・・答

 

 

(2)

  x^2-3x-4=0

 (x-4)(x+1)=0

大きい方の解はx=4

これを代入し 

 x^2+ax+2a-1=0

 16+4a+2a-1=0

 6a=-15

 a=-\frac53・・・答

 

(3)

 \frac12=\frac{a+3}{3}-\frac{2x-1}{6}

 3=2(a+3)-(2x-1)

 x=a+2

これを代入し

 x^2-4a=5x

 (a+2)^2-4a=5(a+2)

 a^2-5a-6=0

 (a-6)(a+1)=0

 a=6,-1・・・答 

 

(4)

 x=2を代入し

 x^2-8x+a=0

 4-16+a=0

 a=12

よって、元の式は

 x^2-8a+12=0

 (x-2)(x-6)=0

よって他の解はx=6

これを代入し

 x^2+2bx-4b+4=0

 36+12b-4b+4=0

 b=-5

以上より、a=12b=-5・・・答

 

(5)

解が,x=\frac12, \frac13であるから、元の2次方程式

 (2x-1)(3x-1)=0

 6x^2-5x+1=0

これと ax^2+bx+1=0は一致するので

 a=6,b=-5・・・答

※代入して連立してもよい。

 

(6) 

x^2の係数が1とすると、解がx=2,5である2次方程式

 (x-2)(x-5)=0

 x^2-7x+10=0・・・答

x^2+bx+c=0として代入し、連立してもよい

 

(7)

A君はxの係数をmと間違えたとすると

x^2+mx+b=0の解が x=-3,2だから、それぞれ代入し

 9-3m+b=0

 4+2m+b=0

これらを連立し、b=-6

B君は定数項をnと間違えたとすると、

x^2+ax+n=0の解がx=-1,2だから、それぞれ代入し

 1-a+n=0

 4+2a+n=0

これらを連立し。a=-1

よって正しい式は、

 x^2-x-6=0

 (x-3)(x+2)=0

よって正しい解はx=3,-2・・・答 

 

(8)

x^2+kx+36=0が2つの正の整数解をもつのは

 (x-36)(x-1)=0 のときk=-37

 (x-18)(x-2)=0 のときk=-20

 (x-12)(x-3)=0 のときk=-15

 (x-9)(x-4)=0 のときk=-13

 (x-6)^2=0 のときk=-12

以上より、k=-12,-13,-15,-20,-37・・・答

 

(9)

 (x±1)^2=0]になればよいので、

 k=±2・・・答

 

(10)

 2(x-1)^2=0になればよいので、

 b=-4c=2・・・答

 

(11) 

(xの係数)^2÷4=定数項より

 \frac{k^2}{4}=k

 k^2-4k=0

 k(k-4)=0

 k=0,4・・・答

 

(12)

①にx=-1を代入し

 a+b+c=0

②にx=2を代入し

 4b+2c+a=0

この二つを連立しa,bをcで表すと

 a=-\frac23 c, b=-\frac13c

これを③に代入し

 cx^2-\frac23 cx-\frac13 c=0

全体をcで割って、3倍すると

 3x^2-2x-1=0

これを解いて

 x=1,-\frac13・・・答

 

 


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