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平方根の利用(1) (整数・自然数になるようなn) (標~難)

今回は平方根の利用問題を見ていく。

特に詰まりやすいところなので、ゆっくりとやっていこう。

 

 

前回←平方根の計算(標~難)

次回→平方根の利用(2)整数部分小数部分(標~難)

 

2.4 平方根の利用

  2.4.1 整数・自然数になるようにする(標~難)

  2.4.2 整数部分,小数部分(標~難)

  2.4.3 不等式と平方根(標~難)

  2.4.4 平方根の補充問題(難)

 

  

今回学ぶタイプの問題には以下の3パターンの解き方がある。

 ①1つずつチェックしていく。

 ②素因数分解して、ペアを作る

 ③\sqrt{ }=mとおく

それぞれ見ていこう。

 

1.ルートが整数になるようなnの値①

例題01

(1) \sqrt{50-n}自然数となる自然数nすべてもとめよ

(2) \sqrt{32-n} が整数となる自然数nすべてもとめよ 

(3) \sqrt{91-5n}が整数となる自然数nの個数を求めよ 

(4) \sqrt{175-25n}が整数となるような自然数nをすべて求めよ

<出典: (3)桐光学園 (4)西大和>

 

解説

ルートの中が二乗の数0, 1, 4, 9,・・(平方数という)ならばルートを外せる

一つずつ当てはめて検討していけばよい。整数と自然数の違いに気をつけよう。

 

(1)

  \sqrt{50-n}の中身, 50-nが平方数ならよい

 小さい順に検討する

  50-n=1 のとき、n=49

  50-n=4 のとき、n=46

  50-n=9 のとき、n=41

  50-n=16 のとき、n=34

  50-n=25 のとき、n=25

  50-n=36 のとき、n=14

  50-n=49 のとき、n=1

 これ以上はnがマイナスになるので検討しなくてよい。

 以上より、n=1, 14,25,34,41,46,49・・・答

 

(2)

問題文に気をつけよう。

  (1)は \sqrt{50-n}自然数となる

  (2)は\sqrt{32-n}整数となる

という違いがある。

中高の数学では自然数は0を含まず、整数は0を含む

だから(1)は50-n=1から検討したが、

今回は、32-n=0から検討を始める必要がある。

  32-n=0 のとき、n=32

  32-n=1 のとき、n=31

  32-n=4 のとき、n=28

  32-n=9 のとき、n=23

  32-n=16 のとき、n=16

  32-n=25 のとき、n=7

以上より、

 n=7,16,23,28,31,32・・・答

 

(3)

 これも一つずつ検討していけばいい。

  91-5n=0 nが分数になるので✕

  91-5n=1 のとき、n=18

     ・

     ・

  91-5n=81 のとき、n=2

 これで求められたnの数を数えればよい。

※楽にするには

 91-(平方数)が5の倍数にならなければ、nは分数になる

 5の倍数となるのは、1の位が1か6になる平方数(1,16,36,81)のとき

 これだけチェックすればよい。 

 しかも、nの具体的な値は聞かれていないので、

 検討しなくとも、4個と即答できる。

 ただ、慣れるまでは全部試して構わない

 

補足

(3)nに0, 1, 2, 3・・・と代入し

平方数がでるか確認していってもよい。

  n=0のとき、91-5n=91 ✕

  n=1のとき、91-5n=86 ✕

  n=2のとき、91-5n=81 ◯

     ・

     ・

  n=18のとき、91-5n=1 ◯

こちらでは、n=18まで検討する必要があって面倒。

 

 

(4) \sqrt{175-25n}

 175-25n=0

 175-25n=1

と順番に計算していくのは面倒。

 

今回は25でくくって、5をルートの外に出せるので

  =5\sqrt{7-n}

として、7-nが平方数になる場合を検討すると圧倒的に早く解ける。

※25nが比較的すぐに大きな値になるから、(3)の補足のように、くくらずにn=0, 1, 2・・・と代入していっても、そんなに大変ではない。

 

 

解答

(1)

  50-n=1 のとき、n=49

  50-n=4 のとき、n=46

  50-n=9 のとき、n=41

  50-n=16 のとき、n=34

  50-n=25 のとき、n=25

  50-n=36 のとき、n=14

  50-n=49 のとき、n=1

 以上より、n=1, 14,25,34,41,46,49・・・答

 

(2)

  32-n=0 のとき、n=32

  32-n=1 のとき、n=31

  32-n=4 のとき、n=28

  32-n=9 のとき、n=23

  32-n=16 のとき、n=16

  32-n=25 のとき、n=7

以上より、

 n=7,16,23,28,31,32・・・答

 

(3)

 91-5n=1 のとき、n=18

 91-5n=16 のとき、n=15

 91-5n=36 のとき、n=11

 91-5n=81 のとき、n=2

以上より4個・・・答

 

(4)

 \sqrt{175-25n}

  =5\sqrt{7-n}

 7-n=0 のとき、n=7

 7-n=1のとき、n=6

 7-n=4のとき、n=3

以上より、n=3, 6, 7・・・答

 


練習問題01

(1) \sqrt{48-n}自然数となるような自然数nの値をすべて求めよ。

(2) \sqrt{26-n}が整数となるような自然数nの値をすべて求めよ。

(3) \sqrt{80-4n}が整数となるような自然数nの値をすべて求めよ。

(4) \sqrt{120-4n}自然数となるような自然数nの値をすべて求めよ。

 <出典:(4) 帝塚山


 

2. ルートが整数になるようなnの値②

例題02-1

(1) \sqrt{54n}が整数となる自然数nのうち最も小さい値を求めよ。 

(2) \sqrt{12n}が整数となる自然数nのうち小さい順に3つ求めよ 

(3) \sqrt{725ab}が最小の整数となるように自然数a, bを定める。a,bの組をすべて求めよ。

 

解説

今回の問題は、nに自然数を入れたとき、ルートが取れればいい。

では、どんな時にルートが取れるか?

 

例えば、

 ① \sqrt{36}\sqrt{36}=6となりルートが取れる。

 ② \sqrt{18}\sqrt{18}=3\sqrt2となりルートが取れない

 

中身を素因数分解してどう違うか見よう。

f:id:keimathchem:20180704162241p:plain

つまり、すべての素因数にペアが存在すればルートを外せる。

 

だから、

ルートの中を素因数分解し、すべての素因数にペアが出来るようにnを調節する

とよい。

 

(1) \sqrt{54n}

 とりあえず素因数分解して、ペアを調べると

  f:id:keimathchem:20180704162855p:plain

2と3にペアがない。

\sqrt{54n}が整数になるには、

nが彼ら(2と3)のペアになってあげる必要がある

よって、

 n=2×3=6・・・答

 

確認してみよう。

f:id:keimathchem:20180704163941p:plain

このようにn=2×3を入れてみると、ちゃんと全部ペアになってる。

 

補足

 今回は「最小のn」を求める問題であるから, 

解説の通り, n=6でよい。

じゃあ、それ以外の nの値は何か?

 

例えば nの値が

 n=2×3×1^2=6,   

 n=2×3×2^2=24

 n=2×3×3^2=54

    ︙

だとしても、ルートの中の素因数が全でペアを作れ,

\sqrt{54n}は整数となる。

 

つまり、\sqrt{54n}が整数となる自然数nは

平方数k^2を使って

  n=2×3×k^2 (kは自然数)

と, 表すことができる。

 k^2=1のときが、最小の自然数nである。

これを確認する問題が次の(2)の問題である。

 

(2) \sqrt{12n}

中身を素因数分解すると

 \sqrt{2×2×3×n}

nが3とペアになればいいので、

 n=3k^2とおける。

小さい順に

 k=1のとき n=3

 k=2のとき n=3×2^2

 k=3のとき n=3×3^2

よって、n=3, 12, 27・・・答

 

 

(3) \sqrt{725ab}

中身を素因数分解すると。

 =\sqrt{5×5×29×ab}

ab=29であればすべての素因数にペアが出来る。

よって

 a=1, b=29a=29, b=1・・・答

 

解答

(1) \sqrt{54n}=\sqrt{2×3×3^2×n}

 よって、n=6・・・答

(2) \sqrt{12n}=\sqrt{2×2×3×n}

 よって、n=3, 12, 27・・・答

(3) \sqrt{725ab}=\sqrt{5×5×29×ab}

 よって、ab=29

 このようになるa,bの組は

 a=1, b=29a=29, b=1・・・答

 


 

例題02-2

(1) \sqrt{\frac{72n}{5}}自然数となるような整数nのうち最も小さい値を求めよ。

(2) \frac{\sqrt{3n}}{2}の値が自然数となるような2桁の整数nをすべて求めよ。

(3) \sqrt{\frac{180}{n}}自然数となるような整数nをすべて求めよ。

 

解説

考え方は同じ

ルートの中身の素因数が全てペアになるように、nを調節する。

約分の要素が入っているパターン

 

(1) \sqrt{\frac{72n}{5}}

とりあえず素因数分解すると

 =\sqrt{ \frac{2×2×2×3×3×n}{5} }

2が一つ余ってペアになっていない。

よって、nは2とペアになる必要がある。

また、分母の5を約分で消さなけれなならないので、nは5の倍数である

以上より、n=2×5=10・・・答

 

確認してみよう。

f:id:keimathchem:20180704172048p:plain

このように分母の5が約分で消えて、

ルートの中身が全部ペアになっている。

 

(2) \frac{\sqrt{3n}}{2}

すべてルートの中に入れて考えよう。

 =\sqrt{\frac{3n}{4}}

nは3とペアになり、分母4を約分出来る数である。

今回は最小の値だけ聞かれているわけではないので、

例題02-1(2)のように考えると、

 n=3×4=12

 n=3×4×2^2=48

 n=3×4×3^2=108  3桁になる✕

ゆえに、n=12, 48・・・答

  

(3) \sqrt{\frac{180}{n}}

 同じく中身を素因数分解して

  =\sqrt{\frac{2×2×3×3×5}{n}}

 5がペアになっていない。

この5をnが約分で消せればよいので

 n=5

これで、2と3のペアだけをルートの中に残せる。

 

これだけが答えではない。

 n=2^2×5=20 ルートの中に3のペアだけ残る

 n=3^2×5=45 ルートの中に2のペアだけ残る

 n=2^2×3^2×5=180  \sqrt1=1となる

これらも解答である。

 

解答

(1) \sqrt{\frac{72n}{5}}

  =\sqrt{\frac{2×2×2×3×3×n}{5}}

よって、n=2×5=10・・・答

 

(2) \frac{\sqrt{3n}}{2}

  =\sqrt{\frac{3n}{4}}

よって、n=12, 48・・・答

 

(3) \sqrt{\frac{180}{n}}

  =\sqrt{\frac{2×2×3×3×5}{n}}

これが自然数となるのは

 n=5

 n=2^2×5=20

 n=3^2×5=45

 n=2^2×3^2×5=180

以上より、n=5,20,45,180・・・答

 


練習問題02

(1) \sqrt{75n} が整数となる自然数nのうち最小の値を求めよ。

 また,そのときの \sqrt{75n}の値を求めよ。 

(2) \sqrt{20n} が整数となる自然数nのうち小さい順に3つ求めよ。

(3) \sqrt{ \frac{54n}{5} }が整数となるような最も小さい自然数nの値を求めよ。

(4) \sqrt{\frac{540}{n}}が整数となる自然数nは何個あるか。

(5) k,nは自然数とする。\sqrt{28k}=nを満たすkの最小値を求めよ。

(6) m=1×2×・・・×10とする。kを自然数とし、\sqrt{ \frac{m}{k} }自然数となるとき、\sqrt{ \frac{m}{k} }の最大値を求めよ。

<出典: (4)明治大付属中野と帝塚山高 (6)明治大付属明治>

 

3.整数になるようなnの値③(難)

例題03-1(難)

(1) \sqrt{189(85-a)}自然数となる自然数aを求めよ。 

(2) \sqrt{476-7a}が整数となる正の整数aは何個あるか・

(3) \sqrt{\frac{84-3a}{2}}自然数となるような自然数aをすべて求めよ。 

<出典:(2)西武学園文理(3)青雲>

 

解説

 例題1(3)と違い、共通因数でくくれるが、ルートの外に出せない。

 この場合、例題02の考え方を使う。

 つまり、素因数のペアを作る

 

(1)

85-a=Nとおくと分かりやすい

  \sqrt{189(85-a)}

  = \sqrt{189N}

これは例題02と同じように解ける。

  =\sqrt{3×3×3×7×N}

3と7にペアがいないので、Nは3と7の積を含み、

最小のNとは言われていないので、

 N=3×7×k^2

とおける。(kは自然数)

 

kの値が小さい順に

 k=1のとき、N=3×7×1^2 

  このとき、a=64  

 k=2のとき、N=3×7×2^2 

  このとき、a=1

 aが自然数でなくなるのでk=3以降は考えなくて良い。

 よって、a=1, 64・・・答

 

(2)

 \sqrt{476-7a}

  =\sqrt{7(68-a)}

あとは68-a=Nとおいて

  =\sqrt{7N}

素因数分解するまでもなく、

7のペアが必要なので

 N=7 よって、a=61

 N=7×2^2 よって、a=40

 N=7×3^2 よって、a=5

 これ以上はaが正の整数でなくなるので考えない。

 

ここで終わってはいけない。

\sqrt{476-7a}整数となる・・・」

と問題文に書いているから

 N=0 よって、a=68

これも答えになる。

以上より、a=5,40,61,68・・・答

 

(3) \sqrt{\frac{84-3a}{2}}

  =\sqrt{\frac{3(28-a)}{2}}

 28-a=Nとすると

  =\sqrt{\frac{3N}{2}}

 素因数分解するまでもなく。

 Nは3とペアになり、2を約分で消せる

  N=2×3 よって、a=22

  N=2×3×2^2 よって、a=4

 以上より、a=4,22・・・答

 


 

例題03-2(難)

 \sqrt{2^2×5×7×n}が整数となるような有理数nのうち、最も1に近いnの値を求めよ。

 

解説

 素因数のペアを作る方法では解けない

ペアを作って考えてきた例題2、例題3において、nは自然数or整数だった。

つまり、例題2、例題3ではnが分数である場合を考えていない。

 

今回、nは有理数なので

例えば、n=\frac57でも、\sqrt{2^2×5×7×n}を整数にできる。

   

この問題では、

 \sqrt{2^2×5×7×n}が整数であることを利用する。

 すなわち、mを整数(m≧0)として

   \sqrt{2^2×5×7×n}=m

 とおけることを利用する。

 ※ルートの値はマイナスにならないので、m≧0である。

 ※また、\sqrt{ }が3の倍数となると言われたら

  \sqrt{ }= 3mとおいてやるとよい

 

解答

 mを整数(m≧0)とすると

  \sqrt{2^2×5×7×n}=m

 とおける。

 両辺を二乗し

  2^2×5×7×n=m^2

  n=\frac{m^2}{2^2×5×7}

  n=\frac{m^2}{140}

 mは整数(m≧0)なので、m=0,1,2,3・・と順々に代入していき

 nを求めて、その中で1に一番ちかくなる物を探す。

 ※今回は、「nは1に近い」とあるので

  m^2が140付近の数値を調べるだけでよい。

   m=11のとき、n=\frac{121}{140}

   m=12のとき、n=\frac{144}{140}

   m=13のとき、n=\frac{169}{140}

よって、m=12のとき、nが最も1に近くなる

以上より、n=\frac{144}{140}=\frac{36}{35}・・・答

  


 

例題03-3(難)

(1) a^2-b^2=15を満たす自然数a,bの値を求めよ。

(2) \sqrt{n^2+29}が整数となるような自然数nの値を求めよ。

<出典:(2)東邦大付属>

 

解説

 詳しい話をすると、整数問題の分野の話になるので、

 今回は(2)を解くのに必要な知識のみ見ていく。

 詳しい話は後日どこかでまとめる。

 

 整数問題の解法の1つに

  (  )(  )=   の形に変形する

 という物がある。

 

(1)

 a^2-b^2=15

 (a-b)(a+b)=15

 =A×B=15

15を自然数の積にすると、

 1×15 もしくは 3×5

つまり、A=1、B=15というように出来る。

 

a,bは自然数なので

  A   B

 a-b=1  a+b=15  a=8,b=7

 a-b=15  a+b=1  a=8,b=-7 ✕

 a-b=3  a+b=5  a=4,b=1

 a-b=5  a+b=3  a=4,b=-1 ✕

以上より (a,b)=(8,7),(4,1)・・・答

-1×-15のようなマイナス同士の積や、✕と書いてあるところは、

 a,bを実際に出さなくも不適だとわかる(a+b>a-b, a+b>0)

   ただ、慣れるまでは全部出しても良いかもしれない。

 

(2)

 \sqrt{n^2+29}は整数となるので

 mを整数(m≧0)として

  \sqrt{n^2+29}=m

 とおける

 両辺を二乗し

  n^2+29=m^2

  m^2-n^2=29

これで、(1)の解き方が使える。

  (m-n)(m+n)=29

 よって

  m-n=1, m+n=29 m=15, n=14

  m-n=29, m+n=1 ✕

 以上より、n=14・・・答

 

解答

(1)

 a^2-b^2=15

 (a-b)(a+b)=15

a,bは自然数で、a+b>a-bなので

 a-b=1  a+b=15 より、a=8,b=7

 a-b=3  a+b=5 より、a=4,b=1

以上より (a,b)=(8,7),(4,1)・・・答

 

(2)

 \sqrt{n^2+29}=mとおく ( mは整数(m≧0) )

両辺を二乗し

 n^2+29=m^2

 m^2-n^2=29

 (m-n)(m+n)=29

m,nは自然数で、m+n>m-nなので、

 m-n=1, m+n=29 

よって、m=15, n=14

以上より、n=14・・・答

 


 練習問題03

(1) \sqrt{54(32-n)}自然数となるような自然数nの値を求めよ。

(2) \sqrt{160-20n}が整数となるような自然数nの値を求めよ。

(3) \sqrt{108-9n}が整数となる自然数nの値を求めよ。

(4) \sqrt{ \frac{75-15n}{2} }自然数となる自然数nの値を求めよ。

(5) \sqrt{n^2-48} が整数となるような自然数nの値を求めよ。

<出典:(3)立教新座 (5)弘学館


 

4.演習問題


演習問題01

(1) \sqrt{38-n}が整数となるような自然数nを求めよ。

(2) \sqrt{41-5n}自然数となるような自然数nを求めよ。

(3) \sqrt{84-4n}が整数となるような自然数nを求めよ。

(4) \sqrt{378n}が整数となるような最小の自然数nの値を求めよ。

(5) \sqrt{28n}が整数となるような自然数nを求めよ。ただし100≧n≧20とする。

(6) \sqrt{\frac{32n}{7}}が整数となるような自然数nを小さい順に3つ求めよ。

(7) m=\sqrt{ \frac{108}{n}}を満たす自然数m,nの組を求めよ。

(8) x=3-\sqrt5のとき、\sqrt{x^2-6(x-n)+5}自然数となるような最小の自然数nを求めよ。

<出典:(4)法政大高 (8)中央大杉並

 

演習問題02(難)

(1) \sqrt{37-n^2}が整数となる自然数nを求めよ。

(2) \sqrt{n^2-15}が整数となるような自然数nを求めよ。

(3) \sqrt{n^2+2n+49}が整数となる自然数nを求めよ。

(4) \sqrt{378-35n}が整数となるような自然数nの値を求めよ。

(5) \sqrt{\frac{215-15n}{2n}}が整数となるような自然数nを求めよ。

(6) 正の整数nは4の倍数で、7で割ると2余る。\sqrt{576-n}が正の整数となるようなnの値を求めよ。

<出典:(3)大阪星光 (7)ラ・サール

 

 

5.解答


練習問題・解答

練習問題01

(1)

 48-n=1 のとき n=47

 48-n=4 のとき n=44

 48-n=9 のとき n=39

 48-n=16 のとき n=32

 48-n=25 のとき n=23

 48-n=36 のとき n=12

以上より、n=12,23,32,39,44,47・・・答

 

(2)

 26-n=0 のとき n=26

 26-n=1 のとき n=25

 26-n=4 のとき n=22

 26-n=9 のとき n=17

 26-n=16 のとき n=12

 26-n=25 のとき n=1

以上より、n=1,12,17,22,26・・・答

 

(3)

偶数の平方数だけ調べればよい

 80-4n=0 のとき n=20

 80-4n=4 のとき n=19

 80-4n=16 のとき [terx:16]

 80-4n=36 のとき [terx:11]

 80-4n=64 のとき [terx:4]

以上より、n=4,11,16,19,20・・・答

 

(4)

 2\sqrt{30-n}

よって、

 30-n=1 のとき n=29

 30-n=4 のとき n=26

 30-n=9 のとき n=21

 30-n=16 のとき n=14

 30-n=25 のとき n=5

以上より、n=5,14,21,26,29・・・答

 

練習問題02

(1)

 \sqrt{75n}=\sqrt{5×5×3×n}

よって、n=3・・・答

このとき、

 \sqrt{75n}

  =\sqrt{5^2×3^2}

  =5×3

  =15・・・答

 

(2)

 \sqrt{2^2×5×n}

よって、

 n=5

 n=5×2^2=20

 n=5×3^2=45

以上より、n=5,20,45

 

(3)

 \sqrt{ \frac{2×3×3×3×n}{5} }

よって、n=30・・・答

 

(4)

 \sqrt{ \frac{2×2×3×3×3×5}{n} }

よって、

 n=3×5=15

 n=3×5×2^2=60

 n=3×5×3^2=135

 n=3×5×2^2×3^2=540

よって、n=15,60,135,540

 

(5)

 言い方が変わっただけ、

 「\sqrt{28k}=自然数となるような自然数kの最小値」

 をもとめればよい。

  \sqrt{28k}=\sqrt{2×2×7×k}

 よって、k=7・・・答

 

(6)

 \sqrt{\frac{m}{k}}

  =\sqrt{ \frac{1×2×・・・10}{k}}

  =\sqrt{ \frac{2^8×3^4×5^2×7}{k}}

 よって、k=7のとき \sqrt{\frac{m}{k}}が最大となる

  =\sqrt{2^8×3^4×5^2}

  =2^4×3^2×5

  =720・・・答

 

練習問題03

(1) 

 \sqrt{2×3×3×3×(32-n)}

よって

 32-n=2×3 のとき n=26

 32-n=2×3×2^2 のとき n=8

以上より。n=8,26・・・答

 

(2)

 \sqrt{5(32-4n)}

よって

 32-4n=0  のとき n=8

 32-4n=5×2^2 のとき n=3

以上より、n=3,8・・・答

 

(3)

 3\sqrt{12-n}

よって、

 12-n=0 のとき n=12

 12-n=1 のとき n=11

 12-n=4 のとき n=8

 12-n=9 のとき n=3

以上より、n=3,8,11,12・・・答

 

(4)

 \sqrt{ \frac{5(13-3n)}{2} }

よって、

 13-3n=2×5のときn=1

以上より、n=1・・・答

 

(5)

 \sqrt{n^2-48}=m (mは整数)とする

 n^2-48=m^2

 n^2-m^2=48

 (n+m)(n-m)=48

よって、

 n+m=24 n-m=2 n=13, m=11

 n+m=12 n-m=4 n=8, m=4

 n+m=8 n-m=6 n=7, m=1

以上より、n=7,8,13・・・答

 

演習問題・解答 

演習問題01

(1)

 38-n=0 のとき n=38

 38-n=1 のとき n=37

 38-n=4 のとき n=34

 38-n=9 のとき n=29

 38-n=16 のとき n=22

 38-n=25 のとき n=13

 38-n=36 のとき n=2

以上より、n=2,13,22,29,34,37,38・・・答

 

(2)

 41-5n=1 のとき n=8

 41-5n=16 のとき n=5

 41-5n=36 のとき n=1

以上より、n=1,5,8・・・答

 

(3)

 2\sqrt{21-n}

よって、

 21-n=0 のとき n=21

 21-n=1 のとき n=20

 21-n=4 のとき n=17

 21-n=9 のとき n=12

 21-n=16 のとき n=5

以上より、n=5,12,17,20,21・・・答

 

(4)

 \sqrt{2×3×3×3×7×n}

よって、

 n=2×3×7=42・・・答

 

(5)

 \sqrt{2×2×7×n}

よって

 n=7,7×2^2,7×3^2,・・・

nは20以上100以下なので

 n=28,63・・・答

 

(6)

 \sqrt{\frac{2×2×2×2×2×n}{7}}

よって、

 n=2×7

 n=2×7×2^2

 n=2×7×3^2

以上より、n=14,56,126・・・答

 

(7)

 \sqrt{ \frac{108}{n} }自然数となるのは

 \sqrt{ \frac{2×2×3×3×3}{n}}より

  n=3 このとき m=6]

  n=3×2^2 このとき m=9

  n=3×3^2 このとき m=2

  n=3×2^2×3^2 このとき m=1

以上より、(n,m)=(3,6),(12,9),(27,2),(108,1)・・・答

 

(8)

 \sqrt{x^2-6(x-n)+5}

  =\sqrt{ (3-\sqrt5)^2-6(3-\sqrt5-n)+5 }

  =\sqrt{ 9-6\sqrt5+5-18+6\sqrt5+6n+5}

  =\sqrt{1+6n}

 1+6n=1から順に調べていくと

 1+6n=25のときn=4

以上より、n=4・・・答

 

演習問題02

(1)

 37-n^2=0から順にチェックしていくと

    n=1,6・・・答

(2)

 \sqrt{n^2-15}=m(mは整数)とおく

 n^2-15=m^2

 n^2-m^2=15

 (n+m)(n-m)=15

  n+m=15, n-m=1より n=8,m=7

  n+m=5, n-m=3 より n=4,m=1

以上より、n=4,8・・・答

 

(3)

因数分解の過程で工夫が必要。

 \sqrt{n^2+2n+49}=m(mは整数)とおく

 n^2+2n+49=m^2

 n^2+2n+1+48=m^2

 m^2-(n^2+2n+1)=48

 m^2-(n+1)^2=48

 (m+n+1)(m-n-1)=48

よって

 m+n+1=24, m-n-1=2 m=13,n=10

 m+n+1=12  m-n-1=4 m=8,n=3

以上より、n=3,10

 

(4)

 \sqrt{7(54-5n)}

よって、

 54-5n=4 のとき n=10

 54-5n=9 のとき n=9

 54-5n=49 のとき n=1

以上より、n=1,9,10・・・答

 

(5)

 \sqrt{ \frac{5(43-3n)}{2}}

よって

 43-3n=2×5 のとき n=11

 43-3n=2×5×2^2 のとき n=1

以上より、n=1,11・・・答

 

 (6)

 nは7で割ると2余るので

 n=7k+2(kは正の整数)とおける

  \sqrt{576-n}

   =\sqrt{574-7k}

   =\sqrt{7(82-k)}

 よって、

  82-k=7 のとき k=75

  84-k=7×2^2 のとき k=54

  84-k=7×3^2 のとき k=19

よって、n=527,380,135

この内、4の倍数なのは

 n=380・・・答

 

<別解>

 7で割ると2余る最小の4の倍数は16

 4と7の最小公倍数は28

よって

 n=28k+16 とおける。

これを代入し

 \sqrt{576-n}

  =\sqrt{28(20-k)}

  =\sqrt{2×2×7×(20-k)}

よって、

 20-k=7よりk=13

このとき

 n=380 ・・・答

 

n=28k+16 は高校レベルなら不定方程式を解いても出せる


 

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