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2019(H31)年度公立高校入試・正答率が低い難問③

今回は、2019年度の公立入試問題の中で、正答率が低かった問題を詳紹介する。

なお、2019年度9月1日現在、正答率が公式に発表され、問題がインタネット上で公開されているもののみ扱う。

※2020年3月まで、2019年度入試で解答・解説がほしい問題を募集します。

 コメントかメールでご連絡ください。

  

2019年度入試シリーズ

marhchem.hatenablog.com

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13 福岡県 大問6(3) 正答率1.6%

f:id:keimathchem:20191014035910p:plain

 

解答・解説

 (1) 正答率41.5%

 (2) 正答率24.3%

 (3) 正答率1.6%

 

(1)

 円錐部分と円柱部分に分けて考える。

  6×6×π×4×\frac13+6×6×π×5

   =228π ・・・答

 

(2)

 △ABG∽△ACFで、その相似比は

  AB:AC=4:9

 であるから、面積比は

  △ABG:△ACF=16:81  ・・・答

 

(3)

 三平方の定理でMFを出す方法を考える。

 f:id:keimathchem:20191014044336p:plain

図のように、Mを通りDBに垂直な直線を引く

△MIFは直角三角形だから、

MIとIFの長さがわかれば、MFの長さが出せそうだ。

 

まず、MIから求める

 MはADの中点で、AB//MEだから

 中点連結定理より

  MH=\frac12 AB=2

 よって、

  MI=2+5=7

なお、もちろんHはBCの、IはCD'の中点である。

 

次に、IFを求める。

左図のように, 扇形CD'Fを取り出すと,

f:id:keimathchem:20191014051623p:plain

1つの角が120°の三角形の辺を求めるときは、

右図のように、外部に60°の直角三角形を作るのが定石。

CFJは  1:2:\sqrt3  の直角三角形だから

 FJ=3\sqrt3 JC=3

△JIFで、三平方の定理より

 IF^2=FJ^2+JI^2

 IF^2=36+27=63

  IF=3\sqrt7

 

元の図形に戻って、

△MIFは直角三角形だから、

 MF^2=MI^2+IF^2

 MF^2=49+63=112

  MF=4\sqrt7  ・・・答

 

14 神奈川県 大問6ウ 正答率1.7%

f:id:keimathchem:20191014040108p:plain

解答・解説

(ウ)

 立体の面上を通る線分の問題は、

 展開図を書いて、三平方の定理を使うのが定石。

  f:id:keimathchem:20191014084542p:plain

展開図を書くと、左図のようになる。

さらに、右図のように、Cから垂線をおろせば、

直角三角形BCIで、三平方の定理を使えばBCが出せそうだ。

そのために、BI, CIの長さを求める。

 f:id:keimathchem:20191014085157p:plain

図のように、EFを延長し、CIとの交点をHとすれば

△DEF∽△FHCであるから、

 [tex;DF:FC=DE:FH]

 5:2=3:FH

  FH=\frac65

同様にして

 CH=\frac85

よって、

 BI=EF+FH=\frac{26}{5}

 CI=CH+HI= \frac{18}{5}

直角三角形BCIで、三平方の定理より

 BC^2= (\frac{18}{5})^2+(\frac{26}{5})^2

 BC^2=40

  BC=2\sqrt{10}  ・・・答

 

15 東京都 大問4問2② 正答率1.9%

f:id:keimathchem:20191014040225p:plain

解答・解説

問2

よく出る面積比の問題。

 ①相似の利用、②高さ比・底辺比の利用

面積比では、2つを主に考えていく。

  f:id:keimathchem:20191014100215p:plain

 AQ:AB=2:3なので

△AQR∽△ABPで

 △AQR:△ABP=④:⑨

 △AQR:QBPR=④:⑤

また、AQ:DP=2:1で、△AQR∽△DPEだから

 △AQR:△DPE=④:①

 f:id:keimathchem:20191014102136p:plain

また、CP:PD=2:1で、高さ共通だから

 △PCR:△PDR=②:①

ここで、PB//DQだからCS:SR=2:1

よって、△PCR:△PSR=②:\frac23

ゆえに、

 △AQR:QBSR=4:(5-\frac23)

 △AQR:QBSR=12:13

  QBSR=\frac{13}{12}×△AQR

以上より、\frac{13}{12}  倍・・・答

 

16 神奈川県 大問3イ 正答率2.1%

f:id:keimathchem:20191014040538p:plain

 

解答・解説 

このタイプの問題は、分点同士をつなぎ、

中点連結定理や相似を使って解くのが定石。

今回は、DEを結ぶと、赤い部分と青い部分で

中点連結定理が使える。

また、黄色の部分の三角形は相似である。

f:id:keimathchem:20191015144624p:plain

D,EはそれぞれAB,AFの中点だから

中点連結定理より

  DE//BF,  BF=2DE

F,はE,の中点で、DE//BFだから

中点連結定理より

 DE=2HF

よって、

 DE:BH:HF=2:3:1

ここで、DE//BEだから

△DGE∽HGBなので

 DG:HG=DE:HB

 DG:HG=2:3

また、EHを結んで、四角形の面積を

三角形に分けて考えよう。

f:id:keimathchem:20191015150130p:plain

△BGDの面積を②とすると、

高さ共通で、DG:GH=2:3だから、

 BHG=③

また、DE//BHだから

 △BGD=△HGE=②

よって、△BHE=⑤

ここで、赤い部分について

高さ共通で、BH:HF=3:1だから

 △EHF=\frac53

以上より

 S:T=2:(2+\frac53)

 S:T=6:11 ・・・答

 

17 神奈川県 大問7ウ 正答率2.4%

f:id:keimathchem:20191014103953p:plain

 

 解説

 ア 正答率 77.5%

 イ 正答率 7.4%

 ウ 正答率 2.4%

アは正答率が高いので省略。

イは「AB」を必ず使う点が難しい。

 

 △ABQが二等辺三角形となるには, AB=AQ以外に

  AB=QB AQ=BQ

 が考えられる。このうち、AB=QBは

 点Pが円周上に存在しない。

  よって、AQ=BQ

 

 AQ=BQのとき

  ∠QAB=∠QBA

 であり、円周角の定理より

  ∠QAB=∠CPQ

 つまり

  ∠CPQ=∠QBA

 錯角が等しいので

  AB//PC ・・・答

 

  BPを一気に出すのは難しい。

 よって、BQとQPをそれぞれ求め、その和を求める。

 三平方の定理を使ってBQ、PQを出すにも、

 △ABQ∽PCQを使うにも

 AQとQCの長さが必要。

 

AQとQCを出す

  AQ=x QC=8-x とおくと

 △ABQで三平方の定理より

  BQ^2=49-x^2

 △BQCで三平方の定理より

  BQ^2=25-(8-x)^2

 よって、

  49-x^2=25-(8-x)^2

   x=\frac{11}{2}

  つまり、AQ=\frac{11}{2}, QC=\frac{5}{2}

 

BQを出す

 △ABQで三平方の定理より

  BQ^2=7^2-(\frac{11}{2})^2

   BQ=\frac{5\sqrt3}{2}

QPを出す

  △ABQ∽PCQより

  BQ:CQ=QA:QP

  \frac{5\sqrt3}{2}:\frac52=\frac{11}{2}:QP

   QP=\frac{11\sqrt3}{6}

よって、

 BP=BQ+QP=\frac{13\sqrt3}{3}  ・・・答

 

18 千葉県 大問4(2) 正答率2.4%

f:id:keimathchem:20191014103925p:plain

 (1)の証明は省略

②の問題の正答率が低かった。

 

面積比を求めるために、

まず、線分比を求めていく。

特に△AED∽△ACFを利用するために

AE:ACを求めたい。

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(1)の証明より EF=FG

よって、

 AE:EF:FG=2:1:1

ここで、AE=2とすると、EF=1,FG=1

また、AF=AE+EF=BFなので、

 AF=BF=3

また、△AFB∽△CFGで

△ABFは直角二等辺三角形だから

△CFGも二等辺三角形

 CF=FG=1

AFC三平方の定理より

 AC^2=AF^2+CF^2

  AC=\sqrt{10}

よって、AE:AC=2:\sqrt{10}

 

ここから面積比を求めていく。

AED∽△ACFだから、その面積比は

 △AED:△ACF=AE^2:AC^2

 △AED:△ACF=2:5

ここで、△AED=2, △ACF=5とおくと

高さ共通なので

 △ABF:△ACF=BF:FC=3:1

△ACF=5なので、

 △ABF=15

同様に

 △ACF:△GCF=AF:GF=3:1

△ACF=5なので、

  △GCF=\frac53

△ACF≡△BGFなので

 △BGF=5

よって、

 四角形ABCG=15+5+5+\frac53=\frac{80}{3}

ゆえに

 △AED:ABCG=2:\frac{80}{3}=3:40・・・答