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2021(R3)年度公立高校入試・正答率が低い難問②0.4%~1.6%

2021年度公立高校入試の中で、正答率が低かった問題を紹介するシリーズ②

なお、単位を省略して解答を行う。

今回も図形問題が多いが、次回の③は関数,データ,確率からもピックアップできそうだ。

2021シリーズ③

 

2021シリーズ①

 

  

10. 山形県公立高校入試 大問4(3) 0.4%


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(1)略 (2)略 (3)0.4%

二等辺三角形と相似がたくさん現れてややこしい。

  

 

11. 栃木県公立高校入試 大問5-3 0.4%


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3の正答率が0.4%と低かった。2の問題でグラフが与えられているのだから, これを利用すればよい。

 

 

12. 新潟県公立高校入試 大問4(2)④ 0.4% 


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(2)は会話文の一部を読んで解くタイプの問題であったが, (2)④を解くのに不要な部分は削ってある。④が難しい。図1がヒントになっている。

 

 

 

13. 東京都公立高校入試 大問4問2② 0.5%


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問2①は△PQRが二等辺三角形であることを証明する問題であった。

問2②は比を利用して求める。

 

 

 

14. 滋賀県公立高校入試 大問2(4) 0.7%


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(1)32.1, (2)10.6 (3)12.7, (4)0.7と大問全体を通して正答率が低い。

なお、2021年の滋賀は平均点が38/100と難しい試験であった。

正直(4)は典型問題なので, 難しいとは言えない。

 

 

 

15. 福岡県公立高校入試 大問6(3) 0.8%


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(2)11.1% (3)0.8%

(2)は典型問題 (3)はただただ面倒

 

 

 

16. 新潟県公立高校入試 大問5(3) 1.5%


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(1)(2)は簡単。(3)はおなじみの比から攻める問題

立体の体積比問題は, 平面での面積比問題よりも練習されていないため正答率が低いのであろう。

 

 

17. 埼玉県公立高校入試 大問4(3) 1.6%


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一般入試の正答率は1.6%であったが、学校採択問題でも同様の問題が出題され, そちらは7正答率7.6%であった。本サイトでは学校採択問題をベースに(2)の問題を省略して紹介する。

 

 

解説


10. 山形県公立高校入試 大問4

(3)

いろいろ方法があるが, 今回は, 「△CFG∽△COBであるから, 相似比がわかれば△COBから面積を出せそう。」と考えて解いていく。

△DOE≡△COBであること, DOBGが平行四辺形になることに気がつこう。

 

まず, △DOE≡△COBであることを確認しよう

OBC=として、△OBC, △ODEが二等辺三角形であることと, 与えられた平行条件を利用すれば、図のは角度が等しいと分かる。。

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そうすると,

∠DOE=∠COB, OD=OC,OE=OBであることがわかるから,

 △DOE≡△COB

だから,  DE=CB=6

 

次に,  OD//BC, AD//ABであるから,

四角形DOBGは平行四辺形であり

 GB=OD=4

なので,

 CG=CB-GB=6-4=2

となる。

 

よって,

△CFG∽△COBだから,

 CG:CB=1:3

△CFG=\frac19△COB

 

あとは, △COBの面積を計算してやればよい。

図のように底辺CBにOから垂線を下ろすと

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三平方の定理より, 高さは \sqrt7 となり,

 △COB=6×\sqrt7×\frac12=3\sqrt7

以上から, 

 △CFG=\frac19×3\sqrt7=\frac13 \sqrt7・・・答


 


11. 栃木県公立高校入試 大問5

2

10≦t≦20のとき, 図2より,

グラフは(10,15), (20,0)を通る直線だから,

 y=-\frac32 x+30 ・・・答

 

3

図2でせっかくグラフが与えられているのだから,

グラフの交点で考えよう。

つまり, xに対する△POQの面積を表すグラフと, 四角形BCRSの面積を表すグラフを書いたとき, その交点が面積の等しくなる瞬間である。

 

△APQのグラフは図2のグラフの繰り返しであるから

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一方, 四角形BCRSは,

 初め面積はBCRS=ABCD=30で, 20秒かけて0になる。

 10秒後からstartすることもふまえてグラフを書くと, 以下のようになる。

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グラフを見ると60≦x≦70の間で3番目の交点がある。

この交点のx座標が答えである。

 

式を求めて連立して交点を出さなくても

60≦x≦80の部分のグラフを取り出せば

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図に書き入れた部分が平行だから中点連結定理より

青丸は60~70のちょうど真ん中に存在する。

よって,  x=65 ・・・答

 


12. 新潟県公立高校入試 大問4

(1)

 △ACDで三平方の定理より

  AC=2\sqrt5

 長方形ABCDの対角線は等しいので

  BD=AC=2\sqrt5

 △FBE≡△ACDより

  BE=CD=4

 よって. DE=BD-BE=2\sqrt5-4 ・・・答

 

(2)④
図3の状況から点Pを点Oの方向へ動かすと

辺PRが半直線OXと平行になるまで, Rは上に動いている。

それ以降は、Rは下方向に動いている。

この2つの動きを分けて考える。

 

PRが半直線OXと平行になったときの△PQRを△P'Q'R'として図3の上に書き込むと

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このようになり、点Rの移動距離はRR'の長さに等しい。

このRR'は図1のDEの長さと同じであるから

 移動距離は 2\sqrt5-4

 

次に、この△P'R'Q'から図4の状況まで動く場合を考える。

図4に△P'Q'R'を重ねる

なお, ∠RPQ=∠R'OQ'であるからO, R, R'は一直線上にある。

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Rの移動距離はR'Rの長さに等しい。

 OR'=BD=2\sqrt5

 OR=BC=2

よって、R'R=2\sqrt5-2

 

以上よりRの移動距離は

 2\sqrt5-4+2\sqrt5-2

  =4\sqrt5-6・・・答


 


13. 東京都公立高校入試 大問4 

問2②

2つの直角三角形ABC,APCは斜辺共通, AB=APより合同である

よって, 四角形ABCPはACを軸として線対称な図形である。

だから, 

  AC⊥BP, BS=SP

である。 ACとBPの交点をSとおく。

 

△ABCで三平方の定理より,

 AC=8\sqrt5

△ABC∽△BCRより,

 BC:CR=AB:BC=2:1

だから,

 CR=4, [BR=4\sqrt5]

これで△BCRの面積が簡単に出せるようになったので、

あとはBR:RPがわかれば△CRPが出せる。

 

△ABS∽△CRSより,

 BS:RS=AB:CR=4:1

BS=SPであったから

 BS:SP:RP=4:1:3

であり,

 BR:RP=5:3

となるので,

 △CRP=\frac35 △BCR

   =\frac35×8×4÷2

   =\frac{48}{5} ・・・答


 


14. 滋賀県公立高校入試 大問2

(3)

 展開図は下の図のようになる。

 ひもが最短のとき、ひもの長さはED'の長さに等しい。

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AE=40, AD'=20

∠A=60°で、AE:AD'=2:1だから

AED'は 1:2:\sqrt3 の直角三角形

よって、ED'=20\sqrt3 ・・・答

 

(4)

 ひもはメガホンを2周している

  →展開図を2つつなげて考える。

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 FCを2回通過するように, BからEへ巻いた最も短いひもの長さはBE''の長さに等しい。

 AB=60, AE''=60, ∠BAE''=120°とよくある問題設定になっている。

以下の図のように, BからAE''の延長に垂線を下ろし, その足をQとすると

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∠BAQ=60°だから △AQBは1:2:\sqrt3 の直角三角形

よって, BQ=30\sqrt3, AQ=30

△QBE''で三平方の定理より

 BE''^2=(30\sqrt3)^2+70^2

 BE=20\sqrt{19}・・・答


 


15. 福岡県公立高校入試 大問6

(2)

 平面KFGJは台形となる。

 高さを面積から逆算する典型問題

  △AKJ∽△AEDより

   KJ:ED=AJ:AD

   KJ:6=1:3

   KJ=2

 よって、台形KFGJの面積について

  (2+6)×JL÷2=16\sqrt{5}

   JL=4\sqrt5 ・・・答

(3)

 全体から引いていこう。

 HFを結ぶ。 

 求める立体の体積は

  直方体(BCDE-FGHHI)-三角錐(P-BCE)-三角錐(H-DCE)

          -四角錐(H-PFGC)-四角錐(H-PFIE)

 で求められる。1つずつ計算していこう

  (P-BCE)=△BCE×BP÷3=12

  (H-DCE=(P-BCE)×\frac52=60

    H-PFGC=(3+5)×\frac12×6×6×\frac13=48

  H-PFIE=H-PFGC=48

以上より

 6×6×5-12-60-48-48=42・・・答


 

16. 新潟県公立高校入試 大問5

(3)

 三角すいE-AMNと四角すいF-MNCDの体積を, 

 全体(正四面体A-BCD)を基準にして比較する。

 

四角すいF-MNCDについて

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図のようにA,Fを結ぶ。

点M,Nはそれぞれ辺AC,ADの中点だから,

 △AMN:△ACD=1:4

よって,

 四角形MNCD:△ACD=3:4

F-MNCDとF-ACDは高さ共通, 底面積比3:4なので

 (F-MNCD)=\frac34(F-ADC)

BF:FC=3:5なので, △BFD:△CFD=3:8

A-FCDとA-BCDは高さ共通, 底面積比3:8なので

 (F*ADC)=\frac58(A-BCD)

よって,

 FMNCD=\frac34×\frac58(A-BCD)

 

三角すいE-AMNについて

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上図のように辺ABの中点に点Pをとると

 AE=EP=2

であるから, 三角すいE-AMNとP-AMNは

底面(△AMN)が共通で, 高さ比が1:2なので

 (E-AMN)=\frac12 (A-PMN)

また, 点P, M, Nはそれぞれ辺AB,AC,ADの中点だから

 (A-PMN)=\frac18(A-BCD)

以上より,

 (E-AM)=\frac12×\frac18(A-BCD)

 

以上より

 F-MNCD:E-AMN=\frac34×\frac58:\frac12×\frac18

 F-MNCD:E-AMN=15:2

よって,

 \frac{15}{2}・・・答


 

17. 埼玉県公立高校入試 大問4


(1)

 AC=AEより DE=2

 △ABC∽△ACDより

  AB:AC=AC:AD

  AB:6=6:4

   AB=9

 よって、BE=9-2-4=3・・・答

 

(3)

 三角形の角の二等分線の性質と、2つの三角形の高さ共通なら底辺比から面積比を求められることを利用して解く

AFは∠BACの二等分線だから

 BF:FC=AB:AC=9:6=3:2

 EG:GC=AE:AC=6:6=1:1

よって, GBを結ぶと

 △GCB=\frac52△GFC

 △ECB=2△GCB=5△GFC

AB:BE=3:1より

 △ABC=3△ECB=15△GFC

 △GCF=\frac{1}{15}△ABC=\frac{1}{15}×18=\frac65・・・答