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2次方程式と解と文章題(2)(共通解、解係数の関係、文字解の利用)(難)

今回は2次方程式の解の問題について見ていこう

以前補足で紹介した、解と係数の関係や文字解の利用をマスターしよう。

 

 

前回 ←2次方程式の解と練習問題(1)(基~標)

次回 →2次方程式の文章題(1)(代入、数量関係、面積体積)(基~標)

 ※9月になってしまった・・・早く2次関数に入りたい

 

3.2. 2次方程式と解

  3.2.1 解の問題(1)(代入、解から式を作る、直前の形)(基~標)

  3.2.2 解の問題(2)(解と係数、文字解、式の値、整数問題)(難)

 

 

1.解と係数の関係

 x についての2次方程式 ax^2+bx+c=0の解をx=α,βとすると

  α+β=-\frac baαβ=\frac ca

 が成り立つ

 

例 2x^2+3x+1=0の解をα,βとすると

   α+β=-\frac 32αβ=\frac 12

例 x^2+bx+c=0の解がx=1,3ならば

   1+3=-b, 1×3=c

※ 教科書には乗っていないが、准難関以上なら暗記必須。公立でも覚えておくと便利。

α+β=-\frac baの、-とaを忘れがちなので気をつけよう

 

例題01

(1) x^2+(a-3)x+3b=0 の解が x=2,6 のとき,定数a, bの値をもとめよ。

(2) x^2+x-1=0 の解をそれぞれ2倍した数が x^2+ax+b=0 の解である。定数a, bの値をもとめよ。

(3) 解がx=-2,4である2次方程式を作れ

(4) 解の差が \sqrt3 で解の和が \sqrt5 である2次方程式を作れ

(5) x^2+kx+18=0 は2つの正の解をもち、一方の解がもう一方の解の2倍であった。定数kの値をもとめよ。

 

解説

 もちろん、「解が与えられている→代入する」でも解けるが 

 今回は、解と係数の関係をつかって解こう。

 

(1) 

 解と係数の関係より

  2+6=-(a-3)2×6=3b

 これらを解いて

  a=-5, b=4・・・答

 

(2)

 x^2+x-1=0の解をα、βとすると

  α+β=-1, αβ=-1・・・①

 x^2+ax+b=0の解は2α、2βだから

  2α+2β=-a, 4αβ=b・・・②

①を使って②のa,bの値をもとめればよい

  a=-(2α+2β)=-2(α+β)=2 

  b=4αβ=4×(-1)=-4 

 以上より、a=2, b=-4・・・答

 

(3)

 求める2次方程式x^2+ax+b=0 とする

 解と係数の関係より

  -2+4=-a-2×4=b

 よって、a=-2, b=-8

 以上より、x^2-2x-8=0・・・答

 

(4)

 求める2次方程式x^2+ax+b=0 とする。

 この方程式の解をα、β (α>β)とすると

  α+β=-a, αβ=b

 つまり、解の和 と 解の積 を求められればa,bが求められる。

 解の和はすでに分かっているので、解の積αβを出そう  

  解の和について α+β=\sqrt5・・・①

  解の差について α-β=\sqrt3・・・②

 ①の二乗-②の二乗より

  4αβ=2 つまり αβ=\frac12

 よって、

  α+β=-a より a=-\sqrt5

  αβ=b より b=\frac12

 以上より、

  x^2-\sqrt5 x+\frac12=0・・・答

 

(5)

 一方の解をα(α>0)とすると、もう一方の解は2αである

 解と係数の関係より

  α+2α=-k, α×2α=18

 これを解いて

  α=3, k=-9・・・答

 

解答

(1)

 解と係数の関係より

  2+6=-(a-3)2×6=3b

 これらを解いて

  a=-5, b=4・・・答

(2)

 x^2+x-1=0の解をα、βとすると

  α+β=-1, αβ=-1

 よって、

  a=-(2α+2β)=-2(α+β)=2 

  b=4αβ=4×(-1)=-4 

 以上より、a=2, b=-4・・・答

(3)

 x^2-2x-8=0・・・答

(4)

 求める2次方程式の解をα、βとすると

  α+β=\sqrt5・・・①

  α-β=\sqrt3・・・②

 ①の二乗-②の二乗より

  αβ=\frac12

 よって、x^2-\sqrt5 x+\frac12=0・・・答

(5)

 一方の解をα(α>0)とすると、解と係数の関係より

  α+2α=-k, α×2α=18

 これを解いて

  α=3, k=-9・・・答

 


練習問題01

(1) ax^2-12x+c=0x=5,-4を解に持つ。a,cの値をもとめよ。

(2) x^2+ax+b=0を解くべきところ、x^2+bx+a=0を解いてしまったため答がx=-2,3となった。正しい解をもとめよ。

(3) x^2+125x-20=0の解それぞれに3加えた解をもつ2次方程式をもとめよ。

(4) 解の差が2、和が\sqrt5であるような二次方程式を作れ

(5) x^2-5x+1=0の2つの解から1引くと、x^2+ax+b=0の解に一致した。a,bの値をもとめよ

(6) 2x^2-5x+k=0の解の比が2 : 3であった。kの値をもとめよ。

<出典:(2)玉川学院秀英(5)関西学院(6)都立新宿>


  

補足

(1) x^2-2x+k-3=0の解の1つがx=1-\sqrt3である。定数kの値と他の解をもとめよ

(2) x^2+2mx+n-1=0の解の1つがx=3\sqrt2+1である。定数m,nの値と他の解をもとめよ

 

解説

 2次方程式の解の一つが a+\sqrt bであるとき、もう一方の解はa-\sqrt bである。

これは、解の公式を思い浮かべルートの前に±がついていることから納得できる。 

 

つまり、

  (1)「解の1つがx=1-\sqrt3」だから「もう一方の解は1+\sqrt3

  (2)「解の1つがx=3\sqrt2+1」だから「もう一方の解はx=-3\sqrt2+1

 このように平方根部分のプラスマイナス逆のものがもう一方にの解になる。

 

解答

(1)

 もう一方の解は1+\sqrt3。解と係数の関係より

  k-3=(1-\sqrt3)(1+\sqrt3)

 よって、k=1、他の解x=1+\sqrt3

(2)

 もう一方の解はx=-3\sqrt2+1。解と係数の関係より

  -2m=(3\sqrt2+1)+(-3\sqrt2+1)

  n-1=(3\sqrt2+1)(-3\sqrt2+1)

 よって、m=-1n=-16、他の解x=-3\sqrt2+1

 

2.式の値① x+y,xyの問題

例題02

2次方程式x^2+3x-1=0の2つの解をa,b (a>b)とする。以下の値をもとめよ

 ① a^2b+ab^2

 ② a^2+b^2

 ③ \frac1a+\frac1b

 ④ a^2-b^2

 ⑤ a^{17} b^{15}+a^{14} b^{16}

 

解説

 解と係数の関係を利用すれば、以前学んだx+y,xyの問題に持ち込める。

 ※以前の記事 展開・因数分解の利用 x-y経由型

 実際に方程式を解いて代入するより早くて楽に解ける。 

 ④はa-b経由タイプだが、方程式が簡単に解けるなら、解いて代入してもよい。

 ⑤は平方根で以前学んだタイプを思い出そう→平方根と式の値 例題(3)

 

解答

x^2+3x-1=0について解と係数の関係より、

 a+b=-3ab=-1

 因数分解すればよい

  a^2b+ab^2

   =ab(a+b)

   =3・・・答

 ②

 二乗の公式を利用する

  a^2+b^2

   =(a+b)^2-2ab

   =11

 ※以前学んだように、a+bを二乗するところから始めてもよい。

 通分して計算する

   \frac1a+\frac1b

   =\frac{a+b}{ab}

   =3・・・答

 x^2+3x-1=0を実際に解いて

  a=\frac{-3+\sqrt{13}}{2}

  b=\frac{-3-\sqrt{13}}{2}

 よって、a-b=\sqrt{13}

 ゆえに

   a^2-b^2

   =(a+b)(a-b)

   =-3\sqrt{13}・・・答

※以前のように、(a-b)^2からa-bを計算してもよい。

 ただし、a>bに気をつけてほしい

 a^{17} b^{15}+a^{14} b^{16}

  =a^{15}b^{15}×a^2+a^{14}b^{14}×b^2

  =-a^2+b^2

  =(b-a)(b+a)

b-aは④のときに求めたa,bの値を利用すれば b-a=-\sqrt{13}となるから

  =3\sqrt{13}・・・答

 


練習問題02

(1) x^2+x-1=0の2解をa,bとする。以下の値をもとめよ

 ① a+baba^2+5ab+b^2

(2) x^2-3x+1=0の2解をa.bとする。a^3b+ab^3+ab^2+a^2bの値をもとめよ

(3) x^2=8x+84の2解をa,b(a>b)とする。a^2b-ab^2の値をもとめよ。

(4) x^2+14x-1=0の2解をa,bとする。a^{14}b^{16}+a^{12}b^{10}の値をもとめよ

<出典:(2)巣鴨 (3)明治学院 (4)大阪星光>


 

3.式の値②

例題03

(1) x^2+2x-2=0の小さい方の解をaとするとき、以下の式の値をもとめよ。

 ① a^2+2a-5 ② 2a^2+4a+3 ③a^2+3a-2

(2) x^2+3x-1=0の2解をa,bとする。(a^2+3a)(2b^2+6b)の値をもとめよ。

(3) x^2-2x-2=0の小さい方の解をaとする。以下の式の値を求めよ 

 ①aの値 ② a^4+2a^3-2a^2+2a  ③a^4+2a^3+3a^2+11a-9

 

解説

元の方程式を利用して解く方法がある。

例えば、(1) x^2+2x-2=0の小さい方の解がaなら

 x=aを元の方程式に代入してa^2+2a-2=0が成り立つはずである。

これを利用して値を求める。

 (1)①ならa^2+2a-5=(a^2+2a-2)-3=0-3=-3

 (1)②なら2a^2+4a+3:=2(a^2+2a-2)+7=2×0+7=7

とすればa の値を求めることなく式の値を出すことができる。

 

他の問題について軽く触れると

 (1)③ aが残るので、方程式を解いてaの値を具体的に求める。

 (2) 文字が増えただけ。

 (3)② a^2(a^2+2a-2)+2aとする

   ③ =a^2(a^2+2a-2)+5(a^2+2a-2)+a+1に変形する

   ※ 次数下げを行ってもよい →以前の記事 例題06(2)

 

解答

(1)

 a^2+2a-2=0が成り立つ

 a^2+2a-5

  =a^2+2a-2-3

  =-3・・・答

 2a^2+4a+3

  =2(a^2+2a-2)+7

  =7・・・答

 x^2+2x-2=0を解くと

  x=-1±\sqrt3

 よって、a=-1-\sqrt3

 ゆえに、 

  a^2+3a-2

   =(a^2+2a-2)+a

   =a

   =-1-\sqrt3・・・答

(2)

 a^2+3a-1=0b^2+3b-1=0が成り立つ

つまり

 a^2+3a=12b^2+6b=2(b^2+3b)=2

よって、

 (a^2+3a)(2b^2+6b)

  =1×2

  =2・・・答

(3)

 x^2-2x-2=0を解くとa=1-\sqrt3

  a^2-2a-2=0が成り立つ

よって

  a^4+2a^3-2a^2+2a

  =a^2(a^2+2a-2)+2a

  =2a

  =2-2\sqrt3・・・答

 a^4+2a^3+3a^2+11a-9

  =a^2(a^2+2a-2+5)+11a-9

  =a^2(a^2+2a-2)+5a^2+11a-9

  =a^2(a^2+2a-2)+5a^2+10a-10+a+1

  =a^2(a^2+2a-2)+5(a^2+2a-2)+a+1

  =a+1

  =2-\sqrt3・・・答

 


練習問題03

(1) x^2-2x-4=0の小さい方の解をaとする。a^2-2aの値をもとめよ

(2) x^2-2x-1=0の正の解をaとする。2a^2-5a+3の値をもとめよ

(3) x^2+4x-2=0の2解をa,bとする。(2a^2+8a+1)(3b^2+12b+1)の値をもとめよ

(4) x^2-2x-1=0のうち大きい方の解をaとする。a^4-2a^3-a-2の値をもとめよ

<出典:(1)ラ・サール(2)市川(3)西武学園文理(4)久留米>


 

4.文字解の利用

例題04

(1) x^2+(2a-1)x+(a+3)(a-4)=0の解の1つがx=4のとき、定数aの値をもとめよ。

(2) (x-a)^2-4(x-a)-5=0の2解のうち小さい方の2倍が大きい方の解に等しいとき、正の整数aの値をもとめよ。

(3) x^2+(4-a)x+3(1-a)=0 の解がただ一つのとき、定数aの値をもとめよ

(4) 2x^2-ax+a+3=0が重解をもつとき、定数aの値をもとめよ。

 

解説

今回は文字解を使って解いてみよう。(文字解の出し方は前回記事参照)

 文字解を出すのより、普通に解いて代入したほうが早い場合もある。

 もちろん、解と係数の関係を利用して解ける場合もある。

 

(1)

 x^2+(2a-1)x+(a+3)(a-4)=0

 (x+a+3)(x+a-4)=0

 x=-a-3, \ 4-a

解の一方が4なのだから

 -a-3=4 or 4-a=4

これを解けばよい。

 

(2)

(x-a)^2-4(x-a)-5=0

(x-a+1)(x-a-5)=0

x=a-1, \ a+5

aは正の整数なので、a+5のほうが大きい

よって、 

 2(a-1)=a+5

これを解く

 

(3)

 解がただひとつなら、文字解も一致する。

 x^2+(4-a)x+3(1-a)=0

 (x+3)(x-a+1)=0

 x=-3, \ a-1

解が1つということは、

 a-1=-3

が成り立つ。

 

(4)

 因数分解で文字解を出すのが難しいなら、解の公式を使う。

  2x^2-ax+a+3=0

解の公式より

 =\frac{ a±\sqrt{a^2-8(a+3)} }{4}

重解をもつためには、±√ の部分が消えればよいので

 a^2-8(a+3)=0

これを解けばよい。

 

解答

(1)

 x^2+(2a-1)x+(a+3)(a-4)=0

 (x+a+3)(x+a-4)=0

 x=-a-3, \ 4-a

-a-3=4 のとき、a=-7 

4-a=4 のとき、a=0

 よって、a=0,7・・・答

 

(2)

 (x-a)^2-4(x-a)-5=0

 (x-a+1)(x-a-5)=0

 x=a-1, \ a+5

よって、

 2(a-1)=a+5

 a=+7・・・答

 

(3)

 x^2+(4-a)x+3(1-a)=0

 (x+3)(x-a+1)=0

 x=-3, \ a-1

よって、

 a-1=-3

 a=-2・・・答

 

(4)

  2x^2-ax+a+3=0

解の公式より

 =\frac{ a±\sqrt{a^2-8(a+3)} }{4}

よって、

 a^2-8(a+3)=0

 a^2-8a-24=0

解の公式より

 a=4±2\sqrt{10}・・・答

 


練習問題04-1

(1) x^2-4x-5=0 の解の一つは x^2+ax-a^2-1=0 の解である。定数aの値をもとめよ。

(2) x^2+(1-a)x+a-2=0 の解の一つが x=3 のとき、定数aの値をもとめよ。

(3) x^2-(2a-3)x+(a-2)(a+5)=0 のが2つの正の解をもち、一方が他方の解の3倍のとき、定数aの値をもとめよ。

(4) x^2-(2a-3)x+a^2-3a-10=0 が-1と3の倍数を解にもつ。定数aの値を求めよ

(5) x^2-(a^2-a-3)x+3(a^2-a)=0 の2つの解の差の絶対値が4のとき、定数aの値をもとめよ。

(6) x^2-(a+5)x-2(a+7)=0 が重解をもつとき、定数aの値をもとめよ。

<出典(1)西大和 (2)法政大第二高 (4)西大和>

 

練習問題04-2

c>0とする。xについての2次方程式2x^2+bx+c=0の2解をp,q (p>q)とし、cx^2+bx+2=0の大きい方の解をrとする。p+q=4, r=2p が成り立つとき、bとpの値をもとめよ。

<出典:早稲田実業


 

5.共通解

例題05

(1) x^2-x-6=02x^2+ax+3=0が共通解を1つもつとき、定数aの値をもとめよ。

(2) x^2-(a+2)x+2a=0x^2-ax-b=0が共通解を1つもつとき、正の整数a,bの値とその時の共通解をもとめよ。

(3) x^2-x-6=0x^2-2ax+(a+2)(a-2)=0が共通解をもつとき、定数aの値をもとめよ。

(4) x^2+3ax+6=0x^2-ax+10=0が共通解をもつとき、定数aの値をもとめよ。

 

解説

与えられた方程式が簡単に解けるなら、解いて代入すればよい。

他の解法として、文字解を出す方法と、共通解をαとおく方法がある。

(3) 代入して解いてもよいが、解を比較する

(4) 共通解をαとおいて2元2次連立方程式とする →2元2次連立方程式

 

(1)

x^2-x-6=0を解いて、2x^2+ax+3=0に代入してやればよい。

  x^2-x-6=0 を解くと x=3,-2

これを一つずつ代入する

 x=3のとき

  2x^2+ax+3=0

  18+3a+3=0

   a=-7

 x=-2のとき

  2x^2+ax+3=0

  8-2a+3=0

   a=\frac{11}{2}

よって、a=-7, \ \frac{11}{2}

 

(2)

x^2+(a+2)x+2a=0を解いてx^2-ax-b=0に代入する。

x^2-(a+2)x+2a=0を解くとx=a,2である。

 x=aを代入したとき

  x^2-ax-b=0

  a^2-a^2-b=0

  b=0

 正の整数では無いので不適

 x=2のとき

  x^2-ax-b=0

  4-2a-b=0

 あとはa=1から一つずつ調べていく

  a=1のときb=2

  a=2のときb=0 不適

  a=3のときb=-2 不適

これ以降は、不適になるのは明らかなので

  a=1b=2

以上より、共通解x=2,a=1,b=2

 

(3)

(2)と同じ方法でもいいが、

与えられた式を両方とも解いて比較する方法を紹介する

 x^2-x-6=0 の解は x=3,-2

 x^2+2ax+(a+2)(a-2)=0 の解は x=a+2,a-2

共通解を持つということは

 3=a+2 , 3=a-2, -2=a+2-2=a-2 

これを1つずつ解いていけばよい。

 

(4)

共通解をαとおいて連立する方法を紹介する。

 共通解をαとおき、両方の式にそれぞれ代入すると

  {\displaystyle \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} α^2+3aα+6=0・・・① \\ α^2-aα+10=0・・・②\\ \end{array} \right. \end{eqnarray} }

 という2元2次連立方程式が得られる。これを解けば共通解αとaの値がわかる

 ②×3-①より

  α^2=12

  α=±2\sqrt3

 あとは①にそれぞれ代入し、aの値を出せば良い。

 

解答

(1)

(x-3)(x+2)=0

 x=3,-2

x=3のとき

 2x^2+ax+3=0

 18+3a+3=0

  a=-7

x=-2のとき

 2x^2+ax+3=0

 8-2a+3=0

  x-\frac{11}{2}

よって、a=-7, \ \frac{11}{2}・・・答

 

(2)

x^2-(a+2)x+2a=0

(x-a)(x-2)=0

 x=2,a

x=aのとき

 x^2-ax-b=0

 b=0 (不適)

x=2のとき

 x^2-ax-b=0

 4-2a-b=0

これを満たす正の整数a,bは、a=1, b=2のみ

以上より、共通解x=2,a=1,b=2・・・答

 

(3)

x^2-x-6=0

(x-3)(x+2)=0

  x=3,-2

x^2-2ax+(a+2)(a-2)=0

(x-a-2)(x-a+2)=0

  x=a+2,a-2

 3=a+2 のとき a=1

 3=a-2 のとき a=5

 -2=a+2 のとき a=-4

 -2=a-2 のとき a=0

以上より、a=-4,0,1,5・・・答

 

(4)

 共通解をαとおくと

  {\displaystyle \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} α^2+3aα+6=0・・・① \\ α^2-aα+10=0・・・②\\ \end{array} \right. \end{eqnarray} }

 ②×3-①より

  α^2=12

  α=±2\sqrt3

 α=+2\sqrt3を①に代入し

  12+6\sqrt3 a+6=0

  \sqrt3 a=-3

  a=-\sqrt3

 α=-2\sqrt3を①に代入し

  12-6\sqrt3 a+6=0

  \sqrt3 a=3

  a=\sqrt3

 


練習問題05

(1) xについての2次方程式 x^2-3x-28=0x^2+ax-14=0 が共通解を1つもつとき、整数aの値をもとめよ。

(2) xについての2次方程式 x^2-(a+4)x-(a+5)=0x^2-ax+2b=0 が共通解を1つもつ。a,bが負の整数のとき、定数a,bの値をもとめよ。ただし(a>b)

(3) x^2-2ax+a^2-1=0x^2-(a^2-2a-1)x-2a^3+2a=0 が正の整数nを共通解にもつ。定数aと共通解nをもとめよ。

(4) x^2-2x-(a+6)=0x^2+ax+2a=0 が共通解をもつとき定数aの値をもとめよ。ただし共通解は整数であるとする。

<出典:(1)西大和(2)明治大付属明治(3)灘高(4)明治大付属明治>


 

6.補題

例題06

(1) x^2+ax+b=0x=-2を解にもつ。a,bが9以下の自然数のとき,定数a,bの値の組をすべてもとめよ

(2) x=a-2x^2+4x+b=0の解となっているとき、自然数a,bの値をもとめよ

(3) aを1桁の正の整数、bを2桁の正の整数とするとき、x^2-2ax+7b=0の解が ともに整数となるとき、a,bの値の組をすべてもとめよ

(4) a,b,cは正の整数で、50<c<100とする。xについての方程式

  ax^2-bx-c+1=0の2解が2とp

  bx^2-cx-a+3=0の2解が3とq

 であるとき、a,b,cの値の組をもとめよ。

<出典:(1)立命館 (2) 高槻 (3) 東大寺 (4) 開成>

 

解説

 整数問題的な発想が必要な問題。

(1)(2) 代入して一つずつ検証する

(3)平方根の中身が≧0になることから、範囲を絞る。

(4) まず文字を減らしていこう。互いに素であることを利用する。

 

(1)

x^2+ax+b=0x=-2を代入し

 4-2a+b=0

a=1からa=9まで1つずつ検証すればよい

 a=1 のとき b=-2 不適

 a=2 のとき b=0 不適

 a=3 のとき b=2 

のようにやっていく。

 

(2)

 x=a-2x^2+4x+b=0に代入し

  (a-2)^2+4(a-2)+b=0

  a^2+b-4=0

 これもa=1から順番に調べていく

  a=1 のとき b=3

  a=2以降は、bが自然数とならない。

 

(3)

 x^2-2ax+7b=0の解についての問題だから、とりあえず解の公式で解く

  x=\frac{2a±\sqrt{4a^2-28b}}{2}

   =a±\sqrt{a^2-7b}

 これが整数となればよい。

ルートの中身は正である必要があるので、

  a^2-7b≧0

bが二桁の整数なので、

  a^2≧70

aは1桁の整数なので、

 a=9しかありえない。

このとき

 81-7b≧0

なので、b=10,11

a=9,b=10のとき

 a±\sqrt{a^2-7b}は整数とならないので不適

a=9,b=11のとき

 a±\sqrt{a^2-7b}は整数になる。

よって

 a=9,b=11・・・答

 

(4)

 まず文字を減らす。特にcについての条件が問題文にあるから

 cは残してやるとよい。

ax^2-bx-c+1=0の解が2なので

 4a-2b-x+1=0・・・①

bx^2-cx-a+3=0の解が3なので

 9b-3c-a+3=0・・・②

②より

 a=9b-3c+3

①に代入して

 4(9b-3c+3)-2b-c+1=0

 34b=13(c-1)

13と34は互いに素だから

 c-1は34の倍数

50<c<100の中でc-1が34の倍数になるのは

 c=69

あとは、a,bの値を求めればよい

このとき

 a=30,b=26

よって、a=30,b=26,c=69・・・答

   

解答

(1)

x^2+ax+b=0x=-2を代入し

 4-2a+b=0

a=1からa=9まで1つずつ検証すればよい

 a=1,2 のときbは自然数では無いので不適

 a=3 のとき b=2 

 a=4 のとき b=4

 a=5 のとき b=6 

 a=6 のとき b=8 

 a=7 以降はbが10以上となり不適

以上より、(a,b)=(3,2),(4,4),(5,6),(6,8)・・・答

 

(2)

 x=a-2x^2+4x+b=0に代入し

  (a-2)^2+4(a-2)+b=0

  a^2+b-4=0

これを満たす自然数a,bの組は

  a=1 のとき b=3・・・答

 

(3)

方程式を解くと

 x=\frac{2a±\sqrt{4a^2-28b}}{2}

  =a±\sqrt{a^2-7b}

このとき、a^2-7b≧0

bが二桁の整数、aは1桁の整数なので、

 a=9

よって、

 b=10,11

=a±\sqrt{a^2-7b}を整数とする組は

 a=9,b=11・・・答

 

(4)

ax^2-bx-c+1=0の解が2、bx^2-cx-a+3=0の解が3なので

 4a-2b-x+1=0・・・①

 9b-3c-a+3=0・・・②

②より

 a=9b-3c+3

①に代入して

 4(9b-3c+3)-2b-c+1=0

 34b=13(c-1)

よって、c-1は34の倍数

50<c<100だから

 c=69

このとき

 a=30,b=26

よって、a=30,b=26,c=69・・・答

※解と係数の関係を使っても、 34b=13(c-1)を作れる。

 

7.解答

練習問題01

(1) 

 解と係数の関係より

  5-4=\frac{12}{a}. 5×(-4)=\frac{c}{a}

 これを解いて

  a=12, c=-240・・・答

(2)

x^2+bx+a=0 の解は x=-2,3 だから

 解と係数の関係より

  -b=-2+3 a=-2×3

 よって、a=-6, b=-1

 つまり、正しい式はx^2-6x-1=0

 これを解いて

  x=3±\sqrt{10}・・・答

(3)

 x^2+125x-20=0の解をα, βとすると

 α+β=-125 αβ=-20

よって、

 (α+3)+(β+3)=-119

 (α+3)(β+3)=αβ+3(α+β)+9=-386

ゆえに

 x^2+119x-386=0・・・答

(4)

 方程式の解をα、βとおく

  α-β=2・・・①

  α+β=\sqrt5・・・②

 ②の二乗-①の二乗より

  4αβ=1

  αβ=\frac14

ゆえに、

 x^2-\sqrt5 x+\frac14・・・答

(5) 

 x^2-5x+1=0の解をα、βとすると

  α+β=5αβ=1

 よって、

  a=- \{ (α-1)+(β-1) \}=-3

  b=(α-1)(β-1)=αβ-(α+β)=-4

 以上より

  a=-3,\  b=-4・・・答

(6)

 2x^2-5x+k=0の解の1方を 2αとすると、もう一方は3αとおける。

 解と係数の関係より  

  2α+3α=\frac 52

  2α×3α=\frac k2

 よって、

  α=\frac12k=3・・・答

練習問題02

(1) 

 解と係数の関係より a+b=-1

 解と係数の関係より ab=-1

 a^2+5ab+b^2

  =(a+b)^2+ab

  =0・・・答

(2)

解と係数の関係より

 a+b=3ab=1

また、

 a^2+b^2

  =(a+b)^2-2ab

  =7

よって、

 a^3b+ab^3+ab^2+a^2b

 =ab(a^2+b^2+a+b)

 =1×(7+3)

 =10・・・答

(3)

 x^2-8x-84=0

 (x+6)(x-14)

 x=14,-6

よって、a-b=20

 

解と係数の関係よりab=-84

 a^2b-ab^2

 =ab(a-b)

 =-1680・・・答

※a>bという条件がなければ、a-b=±20となる。

(4)

解と係数の関係より

 a+b=-14ab=-1

また、

 a^2+b^2=(a+b)^2-2ab=198

よって、

 a^{14}b^{16}+a^{12}b^{10}

  =a^{14}b^{14}×b^2+a^{10}b^{10}×a^2

  =a^2+b^2

  =198・・・答

 

練習問題03

(1)

 a^2-2a-4=0

よって、

 a^2-2a=4・・・答

(2)

  x^2-2x-1=0を解いて

  a=1+\sqrt2 (a>0)

また、a^2-2a-1=0が成り立つ

よって、

 2a^2-5a+3

  =2(a^2-2a-1)-a+5

  =5-a

  =4-\sqrt2・・・答

(3)

 a^2+4a-2=0b^2+4b-2=0が成り立つ

よって、

 (2a^2+8a+1)(3b^2+12b+1)

  =\{ 2(a^2+4a-2)+5 \} \{ 3(b^2+4b-2)+7 \}

  =35・・・答

(4)

x^2-2x-1=0を解いて

 a=1+\sqrt{2}

また、a^2-2a-1=0が成り立つ

 a^4-2a^3-a-2

  a^2(a^2-2a-1)+a^2-a-2

  a^2(a^2-2a-1)+(a^2-2a-1)+a-1

  =a-1

  =\sqrt2・・・答

練習問題04-1

(1) 文字解を出すより、解いて代入のほうがよい

 x^2-4x-5=0

 (x+1)(x-5)=0

 x=-1,5

x=-1より

  x^2+ax-a^2-1=0 

 a^2+a=0

 a(a+1)=0

 a=0,-1

x=5より

 x^2+ax-a^2-1=0 

 a^2-5a-24=0

 (a+3)(a-8)=0

 a=-3,8

以上より、a=-3,-1,0,8・・・答

(2)

 x^2+(1-a)x+a-2=0

 (x-a+2)(x-1)=0

 x=1,a+2 

よって、

 a+2=3

 a=1・・・答

(3)

 x^2-(2a-3)x+(a-2)(a+5)=0

 (x-a+2)(x-a-5)=0

 x=a-2,a+5

a-2<a+5で、共に正の解であるなら

 3(a-2)=a+5

 2a=11

 a=\frac{11}{2}・・・答

 a+5の三倍がa-2となると考えると

  a-2=3(a+5)

  2a=-17

  a=-\frac{17}{2}

となり、正の解を持つことに矛盾する。

(4)

  x^2-(2a-3)x+a^2-3a-10=0

  x^2-(2a-3)x+(a-5)(a+2)=0

  (x-a+5)(x-a-2)=0

  x=a-5, \ a+2

 ①a-5=-1でa+2が3の倍数か調べる

   a-5=-1 より a=4

  このとき、a+2は3の倍数になる

 ②a+2=-1でa-5が3の倍数か調べる

   a+2=-1 より a-3

  このとき。a-5は3の倍数にならない

よって、解の1つが-1で、他方が3の倍数になるのは

 a=4・・・答

(5)

 x^2-(a^2-a-3)x+3(a^2-a)=0

 (x-3)(x-a^2+a)=0

 x=3,a^2+a

差の絶対値が4となるには

  a^2+a=7 このとき、 a=\frac{-1±\sqrt{29}}{2}

  a^2+a=-1 これを満たす実数aはない

よって、a=\frac{-1±\sqrt{29}}{2}・・・答

(6) 

 x^2-(a+5)x-2(a+7)=0

 (x+2)(x-a-7)

 x=-2,a+7

重解を持つとき

 a+7=-2

 a=-9・・・答

 

 練習問題04-2

p+q=4だから、解と係数の関係より、

 b=-4

よって元の式は

 2x^2-4x+c=0・・・①

 cx^2-4x+2=0・・・②

①、②の文字解は

  ① x=2±\sqrt{2-c}{2}

  ② x=2±\sqrt{2-c}{c}

[tec>0]であるから

 p=2+\sqrt{2-c}{2}r=2+\sqrt{2-c}{c}

r=2pより

 c=1・・・答

 

 練習問題05

(1) 解いて代入

 x^2-3x-28=0

 (x-7)(x+4)=0

 x=7,-4

共通解が7のとき

 x^2+ax-14=0

 49+7a-14=0

 a=-5

共通解が-4のとき

 x^2+ax-14=0

 16-4a-14=0

 a=\frac12 これは整数ではない

よって、共通解7、a=-5・・・答

 

(2) 解いて代入

 x^2-(a+4)x-(a+5)=0

 (x+1)(x-a-5)=0

 x=-1, a+5

共通解が-1のとき

 x^2-ax+2b=0

 1+a+2b=0

 a+2b=-1

 これを満たす負の整数a,は存在しない

共通解がa+5のとき

  x^2-ax+2b=0

 (a+5)^2-a(a+5)+2b=0

 5a+2b=-25

a=-1から順々に調べていくと

 a=-1 のとき b=-10, a=-3のとき b=-5・・・答

確認

 a=-1, b=-10なら

  共通解はx=4であり

   x^2-(a+4)x-(a+5)=0 の解は x=4,-1

   x^2-ax+2b=0 の解は x=4,-5

 a=-3b=-5なら

  共通解はx=2であり

   x^2-(a+4)x-(a+5)=0 の解は x=2,-1

   x^2-ax+2b=0 の解は x=2,-5

 よって、求めた答えは題意を満たす。

 

(3) 文字解を出して比較

 x^2-2a+a^2-1=0 を解くと

  (x-a+1)(x-a-1)=0

  x=a+1,a-1

 x^2-(a^2-2a-1)x-2a^3+2a=0 を解くと

  (x+2a)(x-a^2+1)=0

  x=-2a,a^2-1

n=a+1=-2aのとき、

 a=\frac13となり、nが正の整数にならない

n=a+1=a^2-1のとき、

 a=2,-1となり、nが正の整数になるのはa=2のみ

n=a-1=-2aのとき

 a=\frac13となり、nが正の整数にならない

n=a-1=a^2-1のとき

 a=0,1となり、どちらもnが正の整数にならない

以上より

 a=2のとき、n=a+1=3・・・答

 

(4) 連立する

 共通解をαとおくと

  α^2-2α-(a+6)=0・・・①

  α^2+aα+2a=0・・・②

②-①より

 (a+2)α+3(a+2)=0

 (α+3)(a+2)=0

 α=3 or a=-2

α=-3のとき

 ②に代入してa=9

a=-2のとき

 ②に代入すると、αが整数にならない。

以上より

 共通解-3、a=9・・・答

 


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