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2019(H31)年度公立高校入試・正答率が低い難問①

今回は、2019年度の公立入試問題の中で、正答率が低かった問題を詳紹介する。

なお、2019年度9月1日現在、正答率が公式に発表され、問題がインタネット上で公開されているもののみ扱う。

 

 

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1.秋田県入試大問5-2 正答率0.0%

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解答・解説

(1) 正答率 43.9%

(2) 正答率 2.5%

(3) x 正答率 0.6%

   y 正答率 0.0%

 

(1) 

 x=4 のとき、P,QはそれぞれAB,AC上にある。

 右図のように△ABCを取り出し、QからABへ垂線QRを引く

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△APQの面積は、底辺AP, 高さQRと考えればよい。

△ARQは∠A=60°の直角三角形だから

 QR=4\sqrt3

よって、△APQの面積は

 y=4×4\sqrt3÷2=8\sqrt3・・・答

 

(2)

 10≦x≦15 のとき、点P,QはそれぞれBF,AD上にある。

 右図のように、正方形ABFDを取り出して考える。

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△APQの面積は、底辺AQ,高さDFと考えればよい。

 A→C→D→Qまでの道のりが 2x

 A→C→D→Aまでの道のりが 30

だから

 AQ=30-2x

よって、△APQの面積は

 y=(30-2x)×10÷2

 y=150-10x

y=24のとき

 24=150-10x

  x=\frac{63}{5}・・・答

 

(3)

 15≦x≦20のとき、点P,QはそれぞれBF, AB上にある。

CQ+QMの和が最小になるとき」というのは、

点Cから、線分ABを経由し、点Mまでの最短距離を考えればよい。

 

最短距離の問題は、対象な点をとって直線で結ぶ方法をよく使う。

今回は、ABについて点Mと対象な点M'をとり、CM'を結べばよい。

 

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右図で、△AQC∽△BQM'だから

 AQ:QB=AC:BM'

 AQ:QB=2:1

つまりQは、AB=102:1に内分する

よって、AQ=\frac{20}{3}

点QはA→C→D→A→Qと移動するから

 移動距離は 30+\frac{20}{3}

点Qは毎秒2cmずつ移動するから

 x=(30+\frac{20}{3})÷2=\frac{55}{3}・・・答

 

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△APQの面積は、底辺AQ,高さBPと考えればよい。

点Pは\frac{55}{3} cm分移動するから

 BP=\frac{55}{3}-10=\frac{25}{3}

よって、△APQの面積は

 y=\frac{20}{3}×\frac{25}{3}÷2=\frac{250}{9}・・・答

 

 

1.秋田県入試 大問5-1 正答率0.0% 

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解答・解説

(1) 正答率 54.9%

(2) 正答率 5.5%

(3) x 正答率0.8%

   y 正答率0.0%

 

 

 

(1)

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 x=6のとき、点PはAB上にある。

△AFPの面積は、底辺AP、高さBFと考えて

 y=6×10÷2=30 cm・・・答

 

(2)

yxの式で表し、そこに y=24 を代入する。

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10≦x≦20 のとき、点PはBF上にある。

△AFPの面積は、底辺PF、高さABと考えればよい。

 A→B→Pまでの道のりが x

 A→B→Fまでの道のりが 20

なので、

 

 PF=20-x

よって、 

 y=10×(20-x)÷2

 y=100-5x

y=24 より

 24=100-5x

  x=\frac{76}{5}・・・答

 

(3)

「長さの和が最小=最短距離の問題」

BP+PMの和が最小になるときは、左図のように、

点Bから、線分FGを経由し点Mまでの最短距離を考えればよい。

このような、空間図形上の最短距離問題は、

右図のように、展開図にするのが定石

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A→B→F→Pまでの移動距離を求めれば、xの値がわかる

そのために、FPPGの長さを求めたい。

右図で、△MPG∽△MBCだから、

 PG:BC=MG:MC

 PG:10=5:15

  PG=\frac{10}{3}

よって、点Pの移動距離は

 x=30-\frac{10}{3}=\frac{80}{3}・・・答

 

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△AFPの面積は、底辺PF, 高さAFと考えればよい。

 PF=\frac{20}{3}

 AF=10\sqrt{2}

よって

 y=10\sqrt{2}×\frac{20}{3}÷2=\frac{100\sqrt{2}}{3}・・・答

 

3.栃木県入試 大問6 正答率0.2% 

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解答・解説

 (1) 正答率 69.8%

 (2) 正答率 43.9%

 (3) 正答率 4.9%

 (4) 正答率 0.2%

 

円盤に書かれた数字と、円盤の枚数について考える。

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(1)

3と書かれた円盤は 2(m-2)+2(n-2)

よって、m=4,n=5のとき

 10 枚 ・・・答

 

(2)

 m=5,n=6のとき

  2と書かれた円盤 4枚

  3と書かれた円盤 14枚

  4と書かれた円盤 12枚

 よって,

  2×4+3×14+4×12=98・・・答

 

(3)

 m=n=xのとき、円盤に書かれた数字の合計は

  2×4+3×4(x-2)+4×(x-2)^2

   =4x^2-4x

よって、

  4x^2-4x=440

  x^2-x-110=0

  (x-11)(x+10)=0

 x>3より

   x=11・・・答

 

(4)

新しい文字a,bが導入され、その値が問われている。

よって、

 ① 長方形の面積

 ② 4と書かれた円盤の数

この2つををa,bで表せられないか考える。

 

① 長方形の面積

  m=a+1より、a=m-1で、

 長方形の縦の長さは、2(m-1) cm

 だから、

  長方形の縦の長さは 2a

 同様に、

  長方形の横の長さは 2b

 よって、

  長方形の面積は 4abと表される。

 ゆえに、

  4ab=780

  ab=195

 a,bは3以上の自然数(b>a)だから

 195の約数を考えることで、a,bの値がわかる。

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② 4と書かれた円盤の数

 (m-2)(n-2)

  =(a-1)(b-1)

  =ab-(a+b)+1

ab=195だから

  196-(a+b)

これが最大になるには、a+bの値が最小になればよい。

そのようなa,bの値は①のときの表より

  a=13,b=15・・・答

このときの、円盤に書かれた数字の合計は

  196-(13+15)=168・・・答

 

 

 

4.滋賀県入試 大問3 正答率0.2% 

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解答・解説

(1) 正答率 15.8%

(2) 角度 正答率 29.3%

  選択問題と説明 正答率 15.3%

(3) 正答率 0.2%

 

(1)

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OBC∽△OADより

BC:AD=2:3なのでOB:OA=2:3

よって、OA;AB=3:1

③のコップは AB=16.5だから

 r=OA=16.5×3=49.5・・・答

 

(2)

 コップ②は9回転で円Oを1周(360°)回る

 よって、コップ②は1回転で円Oを

  360÷9=40° 回る

よって、∠AOS=40°・・・答

 

回転数をm、∠AOSの角度をyとすると

同様に考えて

 y=\frac{360}{m}

となる。つまり、ymは反比例の関係となり、

mの値を大きくすると、yの値は小さくなる。

よって、選択肢は  イ・・・答

 

(3)

 円Oの円周÷円Pの円周=コップの回転数

という関係がある。それぞれを求めていこう

 

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(1)と同様に考えると
 OA:x=a:a-b

 OA=\frac{ax}{a-b}

よって、円Oの円周は

 \frac{2πax}{a-b}

一方で、円Pの円周は

 πa

よって、回転数mについて

 m=:\frac{2πax}{a-b}÷πa

 m=\frac{2x}{a-b}・・・答

 

※ 本問では関係式を聞かれているので、

 x=\frac{(a-b)m}{2}

でも正解になる。

 

5.高知県入試(A) 大問5 正答率0.5%

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解答・解説

(1) 正答率56.9%

(2) 正答率10.1%

(3) 正答率0.5% 

はっきり言ってそんなに難しくない。

計算がややこしかったかもしれないが、工夫すれば楽できる。

 

(1)

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Aの座標は (2,4)

Bの座標はAと対象だから (-2,4)

OCはAからx軸におろした垂線の2倍

つまり、Cの座標は (0,8)・・・答


(2)

平行四辺形の面積を2等分する直線は

平行四辺形の対角線の交点を通る

ひし形は平行四辺形の1種であるから、

同様のことが言える。

 ひし形の対角線の交点はOCの中点だから

  (0,4)

 よって、

  (0,4),(3,0)を通る直線の式を出せばよい

 よって、

  y=-\frac{4}{3}x+4・・・答

 

(3)

点Dの座標を求める。

正方形の面積がわかれば、ODの長さがわかる。

ひし形の面積は「対角線×対角線÷2」で出せるから

 ひし形OACB=8×4÷2=16

よって正方形の面積x

 25:64=x:16

よって、

 x=\frac{16×25}{64}

正方形の面積はOD^2で求められるから

 OD^2=\frac{16×25}{64}

 

ADとx軸の交点をEとする。

△ODEは直角三角形だから、三平方の定理より

 DE^2=OD^2-OE^2

 DE^2=\frac{16×25}{64}-4

 

  DE=\frac32

よって、D(2,-\frac32)

これをy=ax^2に代入しaの値を求めて

 y=-\frac38・・・答

 

6.高知県入試(A) 大問6 正答率0.5% 

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解答・解説

(1) 正答率5.9% (部分点19.0%)

(2) 正答率0.5%

それほど難しくない。

 

(1)

 ∠ABC=∠DAFをいうのが難しかったのだろう。

   ∠ACB=∠DAC=90°

  よって、BC//AD

  錯角より、∠ABC=∠DAF

  とすると、公式の解答より楽に示せる。

 

(2)

 (1)より△ABC∽△DAFだから

  BC:AF=AB:DA

  6:AF=10:8

  AF=4.8

 △AEDBECだから

  AE:BE=8:6=4:3

 つまり、点EはABを4:3に内分する点

 よって、AE=\frac{40}{7}

 ゆえに、

  FE=AE-AF 

  EF=\frac{40}{7}-4.8=\frac{32}{35}・・・答