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2018(H30)年度 富山県公立高校入試・解説

問題・解答 http://www.asahi.com/area/toyama/articles/images/suugaku2018.pdf

 

 

 

大問1

各分野の基礎的な問題。正答率が高いはずなので間違えないようにしよう。(10)の標本調査はあまり対策されない分野ではあるが、今後の入試で重視されそうなので、飛ばさずにキチンと練習しておこう。

 

(10)

標本として取り出した「30個の中の赤玉の割合」と、

母集団である「750個の中の赤玉の割合」は等しい

取り出す前の袋に赤玉が x 個入っていたとすると、

 \frac{18}{30}=\frac{x}{750}

  x=450

 

大問2

1次方程式の問題。普段自分で解くとき、花子さんの解き方をあまり使わないので、少しなれないかもしれない。

 

(2)

 花子さんの作った方程式の左辺

  \frac{x-15}{4}

 は長椅子の数を表している。

よって、「長椅子1台に5個ずつ並べ直したところ、最後の1台には立体作品が2個だけになった。」という記述から、長椅子の数を表す文字式作ればいい。

立体作品 x-2個は長椅子に乗ったので、立体作品が5つ乗っている長椅子は

 \frac{x-2}{5}

これに、最後の1台分を足せばよい。

よって方程式は

 \frac{x-15}{4}=\frac{x-2}{5}+1

とすれば良い。

 

※別解

立体作品があと3個あれば、すべての長椅子に作品が5個ずつ並ぶので、

  \frac{x+3}{5}

よって、方程式は

 \frac{x-15}{4}=\frac{x+3}{5}

となる。

個人的にはこちらのほうが好き。

 

大問3

(2)「少なくとも一方は」とかかれていることから、余事象を使うと発想しよう。(3)の10a+bは十の位がa, 一の位がbの2桁の数を表している。よって、サイコロの出目で表現できる2桁の平方数を数えればよい。

 

(2)

 サイコロの出目を (a,b) と表す。

 少なくとも〇〇のシリーズは余事象を使えばよい。

 今回だと、

  「少なくとも一方が5の確率 = 1-両方5ではない確率

 と考える。

 

 aもbも5以外の出目は

   5×5=25 組

 よって、

  1-\frac{25}{36}~\frac{11}{36}

 

※ 普通に数えると 

少なくとも一方は5なので、a,とbどちらかが5

 もしくは両方とも5であればよい。

  aが5 (5,1) (5,2)....(5,6)の6組

  bが5 (1,5) (2,5)....(6,5)の6組

ここで、 6+6=12とはしない。

それでは(5,5)を2回数えていることになる。

よって、12-1=11

 \frac{11}{36}

 

(3)

 10a+b が何かの二乗(0,1,4,9,16,25...)であればよい。

そのような、a,bの組み合わせは

 (1,6),(2,5),(3,6),(6,4)

よって、\frac19

 

大問4

(1)は変域の問題である。ただし、グラフが問題で与えられてるので少し正答率は高いだろう。(2)①ひし形の頂点問題も、平行四辺形の頂点問題と同じ考え方がそのまま使える。すなわち「①長さ利用、②傾き利用、③式を出して交点を見つける」である。(3)面積比の問題は、面積を実際に出してみてもいいが、線分比に置き換える方が計算が少なくなる場合がほとんど。線分比に置き換えるには、「①高さ共通で面積比=底辺比、 ②相似」が使える。また問題によっては等積変形が利用できることもある。

 

(2)①

傾き利用で出してみる。

 Aの座標は (-3,\frac{9}{2})

BはAと対象だから

 Bの座標は (3,\frac{9}{2})

OからBへは、x軸方向に3すすみ、y軸方向に\frac{9}{2}すすむ。

(右に3すすみ、左に\frac{9}{2}すすむ。)

f:id:keimathchem:20190131185647p:plain

AC//OBであるから、AからCへも同じだけ進む。

 C(-3+3 , \frac{9}{2}+\frac{9}{2})

よって、 C(0,9)

 

※ 

Cのy座標は、Aのy座標の2倍である。

f:id:keimathchem:20190131185928p:plain

これを利用したほうが速い。 

 

(2)②

△OACは四角形OBCAの面積の半分である。

よって、△ODAは△OACの半分の面積になる。

そのためには、図の様にDはACの中点である必要がある。

  f:id:keimathchem:20190131190324p:plain

 

よって

 D(-\frac{3}{2},\frac{27}{4})

 

大問5

(1)は三平方(2)は相似の簡単な問題。切り出す平面が適切なら簡単に解ける。(3)は三角錐の体積を求める問題。高さがBFであるから、△BQPの面積を求める。

 

(1)

f:id:keimathchem:20190201213758p:plain

上図のように。ODの延長は、正方形EFGHと垂直に交わり、その足をIとすると、IはHF,EGの交点と一致する。△OEIについて三平方の定理を使ってOEの長さが出せる。

△EFGは、1:1:\sqrt2 の直角三角形だから

 EG=4\sqrt2

よって、EI=2\sqrt2

△OEIについて

 OE^2=OI^2+EI^2

 OE^2=6^2+(2\sqrt2)^2

  OE=2\sqrt{11}

 

(2)

 △OPQ∽△OEGで、その相似比は4:6=2:3なので

  PQ:EG=2:3

  PQ=EG×\frac{2}{3}

EG=4\sqrt2なので

  PQ=\frac{8\sqrt2}{3}

 

(3) 

f:id:keimathchem:20190201215213p:plain


図のように。この三角錐の高さはBFである。

よって、△BPQの面積を求めたい。

 

下図のように、

OIのと面ABCDの交点をJとする。

このJはAC,BDの交点と一致する。

f:id:keimathchem:20190201215859p:plain

 BD=AC=HF=EG=4\sqrt2

であるから

 BJ=2\sqrt2

よって、

 △BPQ=PQ×BJ÷2

   =\frac{8\sqrt2}{3}×2\sqrt2÷2

   =\frac{16}{3}

よって、三角錐BFPQの体積は

 BFPQ=\frac{16}{3}×2×\frac{1}{3}

   =\frac{32}{9}

 

大問6

千葉(前期)と全く同じ規則性の問題。

こちらでは新たにタイルの差についても問われている。

一般式を求めることなく解ける。

 

(1)

とりあえず図を書いてみる

f:id:keimathchem:20190201222430p:plain

表は以下のようになる

f:id:keimathchem:20190201222530p:plain

なお、

黒タイルは以下の様に奇数番目に増え、

その数はその番目までの奇数の和になっている。

  1番目 1

  3番目 1+3

  5番目 1+3+5

 

白タイルは偶数番目に増え、

その数はその番目までの偶数の和である。

  2番目 2

  4番目 2+4

  6番目 2+4+6

 

 

(2)

タイルの差は

  -1,1,-2,2,-3,3...

のように変化している

つまり

f:id:keimathchem:20190201223133p:plain

この様になるから、差が6になるのは

 12番目

黒タイルは奇数番目に増え、

その数は、その番目までの奇数の和なので

 1+3+5+7+9+11=36

 

(3)

 黒と白のタイルが200枚に最も近くなるのは

  1+3+5+9+11+13+....+25+27=196  27番目

  0+2+4+6+8+10+....+24+26=182 26番目

27番目の白タイルの数は26番目の白タイルの数と等しい。

よって、黒タイルが多くなる27番目に最も多くタイルを使える。

 

大問7

ダイアグラムの問題。できるだけ時間がかからない解き方を選択しよう。

 

(1)

f:id:keimathchem:20190201232130p:plain

上のグラフの赤い部分をみると

弟の休憩中に、兄は分速400mでR→P→Rと1600×2 m移動している

この間にかかる時間は

 =3200÷400=8 分間

 

(2)

兄はPQ間を 2400÷400=6分で移動する

よって、3往復するには、6×6=36 分かかる。

弟はRまで1600÷200=8分かかり、R地点で8分休憩するので

RからPに戻り始めるまで、8+8=16 分かかる。

これをグラフに書き入れると下の様になる。

f:id:keimathchem:20190201232315p:plain

弟は16分から36分までの、20分間で1600m進んでいるので

 1600÷20=80 m/分

 

(3)

f:id:keimathchem:20190201232439p:plain

Qへ向かう兄のグラフは、上の赤い直線である。

弟の青い直線と、兄の赤い直線の交点で2人はすれ違う。

 赤い直線の式 y=400x-9600

 青い直線の式 y=-80x+2880

よって、交点は

 400x-9600=-80x+2880

  x=26

よって、9時26分

 

※ もちろん出発してt 分後にすれ違うとして

 400(t-24)+80(t-16)=1600

という方程式を立ててもよい。こちらのほうが多分速い。

 

大問8

(2)以降が難しかっただろう。長さの条件が円の直径しか与えられていない。このような場合、角度を求めて「①正三角形・二等辺三角形1:1:\sqrt2 1:2:\sqrt3の直角三角形」 を探していくとよい。

 

(2)①

もっと良い解法があるかもしれない。

弧ADと弧BDの比が1:3だから

 ∠AOD=180°×\frac{1}{4}=45°

 ∠BOD=180°×\frac{3}{4}=135°

である。よって、

 ∠DOF=∠BOD-∠BOF=45°

Dは接点なので

 OD⊥CF

すると、△OFD1:1:\sqrt2 の直角三角形になる

よって、DF=OD=6, OF=6\sqrt2

 

一方で、

 ∠COD=45°÷2=22.5° 

△OCDを見ると

 ∠OCF=180°-∠ODC-∠COD

 ∠OCF=67.5°

また、

 ∠COF=∠COD+∠DOF

 ∠COF=67.5°

よって、

 ∠OCF=∠COF

底角が等しいので、△OFC二等辺三角形となり

 CF=OF=6\sqrt2

よって、

 CD=CF-DF

 CD=6\sqrt2-6

 

(2)②

f:id:keimathchem:20190202001723p:plain

図の様にオレンジと青に分ける。

オレンジの△OEBは

 △OEB≡△OCA≡△OCD

であるから、△OCDの面積と等しい

 △OEB=6×(6\sqrt2-6)÷2

 △OEB=18\sqrt2-18

 

水色の面積は△OBD を抜き出すと

 f:id:keimathchem:20190202002954p:plain

上図のように、

DからOBの延長に垂線をひきその足をHとする。

∠BOD=135°だから、∠HOD=45°となり

△ODH1:1:\sqrt2の直角三角形

よって、DH=3\sqrt2

よって面積は

 △OBD=6×3\sqrt2÷2=9\sqrt2

 

以上より

 18\sqrt2-18+9\sqrt2

  =27\sqrt2-18 cm^2

 

感想

難しい問題はなく、標準問題よりちょっと簡単な問題が並んでいる。これをすべて制限時間内に解くのは難しいできるだけ計算が少なくなる解き方を選べるように練習しておく必要がある。正答率が低そうな問題を飛ばしても、そこそこの点数になるので、苦手な問題は後回しにしたほうがよい。