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2018(H30)年度 宮城県(前期)公立高校入試・解説

問題

https://www.kahoku.co.jp/special/exam2018_hs/sugaku-q.pdf

解答

https://www.kahoku.co.jp/special/exam2018_hs/sugaku-a.pdf

結果

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/701137.pdf

 

 

 

第1問

1~6は基本計算。7,8,9が多少難かしいだろうか。

 

8

Aの袋の数字をBの袋の数字で割り切れればよい。

 一つずつ調べていく

 Aの袋  Bの袋

 16    2と4

 15    3

 14    2

 13    なし

 12    2と3と4

全体は 5×3=15 とおり

よって、\frac{7}{15}

 

9

この形(四角形+対角線)を見た時、中1~中2の角度を求める方法以外に、中3で習った円周角の定理の逆も疑うこと。

 内角と外角の関係より

  ∠BCE=73-25=48°

よって、∠ACE=∠ADB だから、円周角の定理の逆より

この四角形は円に内接する。

弧BCに対する円周角だから

  ∠BAC=∠BDC=55°

よって、△CDEより

  73+55+∠DCE=180°

  ∠DCE=52°

よって、∠ACD=52°

 

第二問

このあたりから、定期テストでもでる標準レベルの問題。

この大問で時間を掛けすぎないように。

 

1 

(1)

 3割引きといって、0.3xとするのは間違え。

 100%の値段から30%引くので、70%の値段

 よって、0.7x

 

(2)

 問題文に無いが、手帳の定価もわからないので、y とおいて連立方程式にするとわかりやすい。

 定価で買うと1600+440円かかるはずなので、

  x+y=2040

 割引をすると

  0.7x+0.8y=1600

 この2つを連立しよう。

  x=320 円 となるはずだ。

 これは定価なので、

  320×0.7=224

 

2

(1)

データの分析でよく出る用語「最頻値」の問題。

「最頻値」は度数が元も大きい階級の「階級値」

「階級値」は階級の真中の値

 今回、度数が最も大きい階級は、24.0秒以上25.0秒未満。

 この階級の階級値は、24.5 秒 

 

(2)

 まゆみさんは35位の速さである。

 早い順に度数を上から足していくと、

  19.0秒以上20.0秒未満 5位まで

  20.0秒以上21.0秒未満 12位まで

  21.0秒以上22.0秒未満 20位まで

  22.0秒以上23.0秒未満 28位まで

  23.0秒以上24.0秒未満 37位まで

つまり、35位のまゆみさんは 

「23.0秒以上24.0秒未満」に含まれる

 

3

(1)

 図Ⅱの正方形から、

C,Dは辺の中点でなければならず、AB=8だから

 BC=BD=4

よって体積は、

 4×4÷2×8÷3

  =\frac{64}{3}

 

(2) 

 北の方はこのパターンが好きなのか?もしくは北の方はどんな問題を出すか他県と話し合って決めているのか?2018年北海道、青森と続き同じような典型問題(高さの逆算問題)が出ている。

 BHは底面をACDと考えたときの高さだから、(1)の体積を使えば逆算できる。

 △ACDの面積を出そう。

  AB=8, BC=4だから

 △ABCで三平方の定理より

  AC^2=8^2+4^2

  AC=4\sqrt5

 また、△BCDは [1:1:\sqrt2] の直角二等辺三角形だから

  CD=4\sqrt2

 三角形ACDを取り出し、高さAIを引くと

   f:id:keimathchem:20181201024019p:plain

AIC三平方の定理より

 AI^2=80-8=72

 AI=6\sqrt2

よって、面積は

 △ACD=24

 

BHは底面をACDと考えたときの高さだから、体積について

 24×BH÷3=\frac{64}{3}

 BH=\frac{8}{3}

 

4

(1)

 Aの座標は A (4,4)

 BはAと対象な位置にあるから

  B(-4,4)

 

(2)

 実際に△ABPと△ACPの面積をtで求める。

  Pの座標は P(t,\frac{t^2}{4})

 よって、

  △ACP=4×(4-t)=8-2t

  △ABP=8×(4-\frac{t^2}{4})÷2=16-t^2

  これらが、7:2なので

  (16-t^2):(8-2t)=7:2

  2(16-t^2)=7(8-2t)

  t^2-7t+12=0

  (t-4)(t-3)=0

  t=3 (0<t<3)

 

第3問

 1次関数の問題。今回は米だが、水の流入と排出の問題でよく見る問題。文章と式を関連付けて考えることができれば、4以外は簡単な計算で答えれる。第2問で時間を使いすぎなければ余力を持って回答できるだろう。

 

1

 x=4のときのグラフを読めば良い。

 そのためには式が必要

 切片 20で、6分間で20kgを精米できるから

  y=-\frac{20}{6}x+20  (経過時間 x分, 残りの重さ y kg)

 x=4より

  y=\frac{20}{3} kg

 

2

 はじめ30kgで、4分間で30kg精米できるから

  (0,30) (4,0)

 を通る直線を引けばいい。

 ただ、以降の問題で使いそうなので式も求めておこう。

  y=-\frac{15}{2}x+30

 

3

 量が等しいということは、yの値が等しいので

  -\frac{20}{6}x+20=-\frac{15}{2}x+30

 これを解いて \frac{12}{5} 分後

 よって、2分24秒後 ※分から秒は60倍すればよい。

 

4

玄米を追加したせいで、Bの停止時間が1分長くなっているということは、Bに追加した玄米の総量は、Bの1分あたりの精米量と等しい。

つまり追加した量は \frac{15}{2} kg

この量を10kg/分で追加するから、追加にかかる時間は

 \frac{15}{2}÷10=\frac{3}{4}

追加し始めるのは、2分経過したあとだから

 精米機Aも精米機Bも 2+\frac{3}{4}=\frac{11}{4}分間動いている。

 

精米機Bに残っているのは

 30kgを \frac{11}{4} 分間精米して残る量

  y=-\frac{15}{2}×\frac{11}{4}+30

    y=\frac{75}{8}

これに追加した \frac{15}{2} kgを加え

  \frac{135}{8} kg

 

精米機Aに残っているのは

  y=-\frac{20}{6}×\frac{11}{4}+20

  y=\frac{65}{6} kg

これらの差は

 \frac{135}{8}-\frac{65}{6}=\frac{145}{24} kg

 

第4問

 1は簡単な証明。直角三角形の合同条件を覚えて練習しておこう

2(2)は三平方の典型問題。よく使う手法なので練習しておこう。

2(3)の問題だけ異様にややこしい。本番では後回しにしたほうがよい。

おそらく正答率がめちゃくちゃ低かっただろう。

もっとシンプルで計算が楽な解法がありそうな気がする。

 

2(1)

 △OACについて三平方の定理より

  OC^2=OA^2+AC^2

  OC^2=2^2+3^2

  OC=\sqrt{13}

 

(2)

ADとOCの交点をHとする。

もちろん、CHは二等辺三角形ACDの頂角の二等分線なので

ADとADは垂直に交わり、点HはADの中点である。

よって、ADを求めるには、AHを求めて2倍する。

 f:id:keimathchem:20181202010631p:plain

上図右のように、△OACを取り出して考える。

このような図からAHやOHを求めるのは、典型問題。

 

AHを求めるために、OH=xとおく。

 △OAHについて、三平方の定理より

  AH^2=4-x^2

 △ACHについて、三平方の定理より

  AH^2=9-(\sqrt{13}-x)^2

よって、

 4-x^2=9-(\sqrt{13}-x)^2

 2\sqrt{13}x=8

 x=\frac{4\sqrt{13}}{13}

△OAHについて、三平方の定理より

  AH^2=4-x^2

  AH^2=4-(\frac{4\sqrt{13}}{13})^2

  AH=\frac{6\sqrt{13}}{13}

よって、

 AD=2AH=\frac{12\sqrt{13}}{13}

 

(3)

図のように点I, Jをとる。

 f:id:keimathchem:20181202012352p:plain

黄色の面積を求めるには

 △OEDから、△OGFを引けばよい。

 

△OEDを出すには、

 底辺ODは半径2 cmと分かるので、

 高さDEの長さを求めればよい。。

  OC=\sqrt{13},   OH=\frac{4\sqrt{13}} {13}

 よって、

  CH=OC-OH=\frac{9\sqrt{13}}{13}

 f:id:keimathchem:20181202015541p:plain


ここで図の黄色を見る

 △ACH∽△IOH

相似比は

 CH:OH=\frac{9\sqrt{13}}{13}:\frac{4\sqrt{13}}{13}
 CH:OH=9:4

よって、

 AH:IH=9:4  

また、AH=HDなので、

 AH:IH:ID=9:4:5 

※HD=9として、ID=HD-HI=5

 

次に、赤の図形を見ると

 △DCA∽△DEI

DI:IA=5:13 だから、

 DE:EC=5:13

CD=CA=3だから

 DE=3×\frac{5}{18}=\frac{5}{6}

これでDEを出せたので、△OEDの面積は

 △OED=DE×OD÷2

 △OED=\frac{5}{6}

 

 

次に△OGFの面積は

△OBGの面積から、線分比BF:FGを使って出せばよい。

この線分比を求めよう。

なお、BF:FG:GCを求めるいわゆる「3分点の問題」

 f:id:keimathchem:20181202031314p:plain



先程、CH:OH=9:4とわかった。

赤の三角形を見ると、

O, HはAB,ADの中点だから、中点連結定理より

 BD=2OH

よって、

 BD:CO=8:13

 

次に黄色の三角形を見ると

 △BDF∽△COF

BD:CO=8:13 だったから、

 BF:CF=8:13

 

最後に青の三角形を見ると

OF//AC, OはABの中点なので、

 BG:GC=1:1

また、OG=1.5

 

直線BCを取り出して考えると

 f:id:keimathchem:20181202024409p:plain

よって、

 BF:FG:GC=16:5:21

 BF:FG=16:5

 

ゆえに、

 △OBG=\frac{3}{2}×2÷2=\frac{3}{2}

 △OGF=△OBG×\frac{5}{21}

 △OGF=\frac{15}{42}

よって、求める面積は

 EGFD=△OED-△OGF

 EGFD=\frac{10}{21}

 

感想

 公立入試としては、難しい方に入る。第4問2(3)のような問題は後回しにして、解ける問題から手を付けよう。第3問は、一定以上のレベルがあると簡単だが、それ以下だと全く手を出せないと思われる。こういった、文章とグラフと式を関連付けて理解することを求める問題はこれから増えていくだろう。個人的に各問題の正答率や、得点の分布がどうなっているか非常に気になる。