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2次関数の文章題①(制動距離、平均の速さ)

 

今回は、制動距離と平均の速さについての文章題について見ていく。

この問題は、変化の割合が終わった直後に触れる場合が多いので、

本サイトもこのタイミングで触れておく。

 次回→放物線と直線・座標の基本(基)

 前回→変化の割合(基~標)

 

 

0.今回の例題

例題01

 走っている自動車のブレーキが効き始めてから停止するまでに進む距離を制動距離という。制動距離は、およそ速さの2乗に比例する事がわかっているという。時速60kmで走っている自動車の制動距離が27mであったとき次の問いに答えなさい。

(1) 時速40kmで走る自動車の制動距離を求めなさい。

(2) 制動距離を30m以内にするには、速さを時速何km以下にする必要があるか

 ただし、\sqrt{10}=3.16とする。

 

例題02

 ある斜面でボールを転がした・ボールが転がり始めてからx秒間に進む距離をy cmとすると、yxの2乗に比例することがわかった。いま、転がり始めてから2秒間に進む距離が12 cm であったとき次の問いに答えなさい。

(1) yx の式で表わせ。

(2) 転がり始めて2秒後から4秒後までの平均の速さを求めなさい。

 

1.制動距離

例題01

 走っている自動車のブレーキが効き始めてから停止するまでに進む距離を制動距離という。制動距離は、速さの2乗に比例する事がわかっているという。時速60kmで走っている自動車の制動距離が約27mで合ったとき次の問いに答えなさい。

(1) 時速40kmで走る自動車の制動距離を求めなさい。

(2) 制動距離を30m以内にするには、速さを時速何km以下にする必要があるか

ただし、\sqrt{10}=3.16 とする。

 

解説

問題文に

「制動距離は、速さの2乗に比例する事がわかっている」

 「2乗に比例する」→ y=ax^2 という式をつくる!

と考えよう。

 

(1)

制動距離は、速さの2乗に比例するから

 y=ax^2 (y:制動距離 , x:速さ)

とおける。

時速60kmで走っている自動車の制動距離が約27mなので

 x=60 のとき y=27

である。これを代入し

 y=ax^2

 27=a×(60)^2

 a=\frac{3}{400}

よって、

 y=\frac{3}{400}x^2・・・答

 

(2)

制動距離が30mのときの速さを出して、それ以下にすればよい。

y=30のときの速さx

 y=\frac{3}{400}x^2

 30=\frac{3}{400}x^2

 x^2=4000

  x=20\sqrt{10}

よって、

  x=20×3.16

  x=63.2

以上より、時速63.2km以下・・・答

 

解答

(1)

 自動車の速さを 時速 x km

 制動距離を y m

とすると、y=ax^2 とおける。

x=60 のとき y=27だから

 27=a×(60)^2

 a=\frac{3}{400}

よって、

 y=\frac{3}{400}x^2・・・答

 

(2)

y=30のとき

 30=\frac{3}{400}x^2

 x^2=4000

  x=20\sqrt{10}

   =63.2

よって、時速63.2km以下・・・答

 


練習問題01

 走っている自動車のブレーキが効き始めてから停止するまでに進む距離を制動距離という。制動距離は、速さの2乗に比例する事がわかっているという。時速40kmで走っている自動車の制動距離が9mであったとき次の問いに答えなさい。

(1) 時速60kmで走る自動車の制動距離を求めなさい。

(2) 制動距離を20m以内にするには、速さを時速何km以下にする必要があるか


 

 

2.平均の速さ

例題02

 ある斜面でボールを転がした・ボールが転がり始めてからx秒間に進む距離をy cmとすると、yxの2乗に比例することがわかった。いま、転がり始めてから2秒間に進む距離が12 cm であったとき次の問いに答えなさい。

(1) yx の式で表わせ。

(2) 転がり始めて2秒後から4秒後までの平均の速さを求めなさい。

 

解説

(1) y=ax^2とおける

(2)平均の速さ=変化の割合である。

 

(1) 

yxの2乗に比例するから

 y=ax^2

とおける。

2秒間に進む距離が12 cm だから

 x=2 のとき y=12

これを代入し

 y=ax^2

 12=a×2^2

  a=3

よって、

 y=3x^2・・・答

 

(2)

 「転がり始めて2秒後から4秒後までの平均の速さ」

x=2からx=4に変化したときの、変化の割合」

この2つは等しい。

公式 [tex;変化の割合=a(x1+x2)] より

 変化の割合=3(2+4)=18

よって、秒速18cm・・・答

 

解答

(1)

y=ax^2とおくと

 12=a×2^2

  a=3

よって、 y=3x^2・・・答

 (2)

 3(2+4)=18

よって、秒速18cm・・・答

 

補足

平均の速さ=変化の割合を知らなくても解ける。

まず、どの部分の速さが知りたいかを図示すると、

f:id:keimathchem:20190709134739p:plain

2秒から4秒の間の平均の速さは、
この間の時間と距離を求めると求められる。

 

f:id:keimathchem:20190709135056p:plain

 x=2のとき y=12

 x=4のとき y=48

であるから、2秒後から4秒後までに、

 48-12=36 cm

移動している。

 

よって、

 ボールは2秒後から4秒後までの2秒間に、

 36 cm 移動しているから

平均の速さは

 36÷2=18 [cm/s]・・答

 この計算は、変化の割合を求める計算と同じである。

 


練習問題02

高いビルの屋上から、地面に向かってボールを落とした。ボールが落ち始めてからx秒間に進む距離をy cmとすると、yxの2乗に比例することがわかった。いま、落ち始めてから3秒間に進む距離が88.2 cm であったとき次の問いに答えなさい。

(1) yxの式で表しなさい。

(2) 落ち始めてから2秒後から4秒後までの平均の速さを求めなさい。


 

3.練習問題・解答


練習問題01

(1)

自動車の速さを 時速 x km

 制動距離を y m

とすると、y=ax^2 とおける。

x=40 のとき y=9だから

 9=a×(40)^2

 a=\frac{9}{1600}

 y=\frac{9}{1600}x^2

 

(2)

 y=20のとき

  20=\frac{9}{1600}x^2

  x^2=\frac{1600×20}{9}

   x=\frac{80\sqrt{5}}{3}

 よって、時速\frac{80\sqrt{5}}{3} km以下

 

練習問題02

(1)

 y=ax^2 とおける。

x=3のとき y=88.2だから

 88.2=a×3^2

 a=9.8

よって、y=9.8x^2

 

(2)

 9.8(2+4)=58.8 cm/s