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2次関数と変化の割合(基~標)

 今回は変化の割合について見ていく。

公立入試で出題された場合、正答率が40%~60%程になっているようだ。公式や、やり方を忘れやすいのだろう。入試直前に復習しておくことを推奨する。

 次回 2次関数の文章題①(制動距離・平均の速さ)

 前回 2次関数と変域(基~標)

 

 

0.今回の問題

例題01

 関数 y=\frac{1}{2}x^2 について、x が次のように増加するときの変化の割合をそれぞれ求めよ。

 ① 2 から 4 まで  ② 4 から -2 まで

 ③ -2 から 8 まで ④ -4 から -6 まで

 

例題02

(1) 関数 y=ax^2で、x の値が1から3まで増加するとき、変化の割合が12になった。aの値を求めよ。

(2) x の値が -1 から -3まで変化するとき、2つの関数 y=ax^2, y=-2x+3 の変化の割合が等しくなった。aの値を求めよ。

 

例題03

(1) 関数 y=2x^2 で、 xの値が a から a+4 まで増加したときの変化の割合は4であった。aの値を求めよ。

(2) 関数 y=x^2x の値が -2 から a まで増加したときの変化の割合は24であった。a の値を求めなさい。

(3)  2つの関数 y=-x^2, y=2x-1xの値が -aから -3 まで変化したときの変化の割合は等しくなった。aの値を求めなさい。

 

例題04

(1) 関数 y=\frac12 x^2 のグラフ上に2点A, Bをとる。点A, Bの x 座標がそれぞれ -2,4 であるとき、直線ABの式を求めよ。

(2) 関数 y=ax^2 上の2点A, Bの x 座標はそれぞれ -3,6であり、直線ABの傾きは3である。a の値を求めよ。

 

1.変化の割合

 変化の割合=\frac{yの増加量(Δy)}{xの増加量(Δx)}

という公式から変化の割合を求めることが出来る。

 例として,1次関数y=2x-3 と 2次関数 y=2x^2

について変化の割合を求めてみよう。

 例 1次関数 y=2x-3x の値が1から4まで増加するとき

まずは、x=1,4を代入して

 x=1のとき、y=-1

 x=4のとき、y=5

これを以下のような表にまとめよう。

 f:id:keimathchem:20190405033839p:plain

すると変化の割合は

 変化の割合=\frac{6}{3}=2

この様に比例定数と変化の割合が等しくなる

 例 y=2x^2 の  x の値が1から4まで増加するとき

 同様に表をつくると 

f:id:keimathchem:20190405033943p:plain

変化の割合は

 変化の割合={30}{3}=10

となり、比例定数と変化の割合は異なる値になる。

  

まとめ

1次関数 y=ax+b の変化の割合は計算するまでもなく  a になるが、

y=ax^2変化の割合は一定ではなく、計算してみないとわからない

 

例題01

 関数 y=\frac{1}{2}x^2 について、x が次のように増加するときの変化の割合をそれぞれ求めよ。

 ① 2 から 4 まで  

 ② 4 から -2 まで

 ③ -2 から 8 まで 

 ④ -4 から -6 まで

 

解説

表を作ると

 f:id:keimathchem:20190405034420p:plain

あとは、変化の割合の公式に代入するだけ。

 

解答

 ① 変化の割合=\frac{6}{2}=3

 ② 変化の割合=\frac{-6}{-6}=1

 ③ 変化の割合=\frac{30}{10}=3

 ④ 変化の割合=\frac{10}{-2}=-5

 

補足

y=ax^2 で, x の値が x_1からx_2 まで変化するとき

  変化の割合=a(x_1+x_2)

が成り立つ。

こちらのほうが例題01を早く解ける。

 ① \frac12(2+4)=3 

 ② \frac12(4-2)=1

 ③ \frac12(-2+8)=3 

 ④ \frac12(-4-6)=-5

 


練習問題01

(1) 関数 y=-x^2 で、x の増加量が4のとき変化の割合が12であった。y の増加量を求めよ。

(2) 関数 y=2x^2 で、x-1 から 3に変化するときの変化の割合を求めよ。

(3) 関数 y=-\frac13 x^2 で、x-2から-6に変化するときの変化の割合を求めよ。

(4) 関数 y=ax^2 で、 x の値が s から t まで変化するときの変化の割合は a(s+t) と表されることを説明せよ。ただし、s≠t とする。


 

2.変化の割合と式の決定

例題02 

(1) 関数 y=ax^2で、x の値が1から3まで増加するとき、変化の割合が12になった。aの値を求めよ。

(2) x の値が -1 から -3まで変化するとき、2つの関数 y=ax^2, y=-2x+3 の変化の割合が等しくなった。aの値を求めよ。

 

解説

 ① 変化の割合=\frac{yの増加量}{xの増加量}

 ② 変化の割合=a(x_1+x_2)

に必要な数や文字を代入して、方程式をたてるだけ。

②を使っていくと早いが、①も使えるようにしておこう。

(1)は①、(2)は②を使って解いてみる

 

(1)

例題01と同じ方法を文字で行なうとよい

表を作ると

 f:id:keimathchem:20190405035020p:plain

 よって、①の公式より

 12=\frac{8a}{2}

  a=3・・・答

 

(2)

1次関数では比例定数と変化の割合は等しい。

よって、y=-2x+3 の変化の割合は -2

つまり、 y=ax^2の変化の割合も -2 

②の公式より

 a(-1-3)=-2

  a=\frac{1}{2}・・・答

 

 

解答

(1)

12=a(1+3)

 a=3・・・答

(2) 

a(-1-3)=-2

 a=\frac{1}{2}・・・答

※以下、解答では②の公式を使って解く。

 


練習問題02

(1) 関数 y=ax^2で、x の値が 2から-6 まで増加するとき、変化の割合が 24 になった。aの値を求めよ。

(2) 関数 y=ax^2で、x の値が -1から-3 まで増加するとき、変化の割合が -16 になった。aの値を求めよ。

(3) x の値が 2 から -4まで変化するとき、2つの関数 y=ax^2, y=-x-1 の変化の割合が等しくなった。aの値を求めよ。

(4) 関数 y=ax^2 において、x1から3 まで変化したときの変化の割合と、関数 y=-2x^2 において、x5 から1 まで変化したときの変化の割合が一致するように a の値を求めよ。


 

3.変化の割合と文字

例題03

(1) 関数 y=2x^2 で、 xの値が a から a+4 まで増加したときの変化の割合は4であった。aの値を求めよ。

(2) 関数 y=x^2x の値が -2 から a まで増加したときの変化の割合は24であった。a の値を求めなさい。

(3)  2つの関数 y=-x^2, y=2x-1xの値が -aから -3 まで変化したときの変化の割合は等しくなった。aの値を求めなさい。

 

解説

これまでと同じく

 ① 変化の割合=\frac{yの増加量}{xの増加量}

 ② 変化の割合=a(x_1+x_2)

に必要な数や文字を代入して方程式をたてる。

これも両方の方法で出来るようにしよう

 

注意

 x の値が a から b まで変化するとき

  xの増加量=b-a

今回の問題の場合

 (1) xの増加量は (a+4)-a=4

 (2) xの増加量は a-(-2)=a+2

 (3) xの増加量は -3-(-a)=-3+a

となる。増加量の計算をよく間違えるので注意。

 

(1) ①の方法で解く

表を作ると

 f:id:keimathchem:20190405035641p:plain

 \frac{2(a+4)^2-2a^2}{4}=4

  a=-1・・・答

  

(2) ②の公式を使う

-(-2+a)=24

 a=-22

 

(3)

y=2x-1 の変化の割合は常に 2 だから

②の公式を使うと

 -(-a-3)=2

  a=-1・・・答

 

解答

(1) 2 \{ a+(a+4) \} =4

   a=-1 ・・・答

(2) -(-2+a)=24

  a=-22・・・答

(3) -(-a-3)=2

   a=-1・・・答

 


練習問題03

(1) 関数 y=x^2 で、 xの値が a+1 から a+3 まで増加したときの変化の割合は48であった。aの値を求めよ。

(2) 関数 y=-\frac12 x^2x の値が -4 から -a まで増加したときの変化の割合は8であった。a の値を求めなさい。

(3)  2つの関数 y=-2x^2, y=\frac12 x+2xの値が aから -2 まで変化したときの変化の割合は等しくなった。aの値を求めなさい。


 

4.変化の割合と直線

例題04

(1) 関数 y=\frac12 x^2 のグラフ上に2点A, Bをとる。点A, Bの x 座標がそれぞれ -2,4 であるとき、直線ABの式を求めよ。

(2) 関数 y=ax^2 上の2点A, Bの x 座標はそれぞれ -3,6であり、直線ABの傾きは3である。a の値を求めよ。

 

解説

変化の割合は、グラフ上の2点を結ぶ直線の傾きを表すから、

「関数 y=ax^2上の二点A,Bにおける変化の割合は、直線ABの傾きに等しい。」

 

(1)

点A, Bの x 座標はそれぞれ -2,4 だから

変化の割合は \frac12 (-2+4)=1

よって、直線ABの傾きも1である。

つまり、直線ABは y=x+b

この直線は A(-2,2)を通るので

 2=-2+b

 b=4

よって、y=x+4・・・答

  

(2) 

2点A, Bの x 座標はそれぞれ -3,6 だから

変化の割合は a(-3+6)

これは直線ABの傾きを表しているから

 a(-3+6)=3

  a=1・・・答

 

解答

(1)

 変化の割合は \frac12 (-2+4)=1

 直線ABは y=x+b とおける

 この直線は A(-2,2)を通るので

  -2+b=2

   b=4

 よって、y=x+4・・・答

 

(2) 

 a(-3+6)=3

  a=1・・・答

 

補足

y=ax^2上に2点A, Bをとり、

 点A, Bの x 座標がそれぞれ p,q であるとき、

   ABの式は y=a(p+q)x-apq

 である。

これを利用しても例題04を解くことが出来る。

 


練習問題04

(1) 関数 y=2x^2上に2点A,Bをとる。A,Bの x 座標がそれぞれ -1,2であるとき、直線ABの式を求めよ。

(2) 関数 y=ax^2 上の2点A, Bの x 座標はそれぞれ -4,2であり、直線ABの傾きは -18 である。a の値を求めよ。

(3) 関数 y=ax^2 上に x 座標がそれぞれ p,q である2点A,Bをとると、直線ABの式は y=a(p+q)x-apq となることを説明せよ。


 

演習問題


(1) 関数 y=-\frac32 x^2 で、x-2 から -4 に変化するときの変化の割合を求めよ。

(2) 関数 y=ax^2で、x の値が -2から8 まで増加するとき、変化の割合が -30 になった。aの値を求めよ。

(3) 関数 y=-2x^2 で、 xの値が a から a-4 まで変化したときの変化の割合は28であった。aの値を求めよ。

(4) 関数 y=2x^2 上の2点A, Bの x 座標はそれぞれ a,a+2であり、直線ABの傾きは -18 である。a の値を求めよ。

(5) 関数 y=x^2 において、x1からa まで変わるときの変化の割合は、x1から3 まで変わるときの変化の割合の2倍となる。このときaの値を求めなさい。 

(6) 関数 y=-2x^2 において、x-1から2 まで変化したときの変化の割合と、関数 y=-x^2 において、xa から0 まで変化したときの変化の割合が一致するように a の値を求めよ。

(7) 放物線 y=ax^2 と 直線 y=bx-3 は2点で交わり、1つの交点の x座標は 2 である。また、放物線 y=ax^2 において、x-\frac32 から 3 まで増加したときの変化の割合は \frac12 b である。a,b の値を求めよ。

(8) 放物線 y=\frac13 x^2 上に2点A, B があり。線分ABの中点の座標が (1,3) である。このとき。2点A,Bを通る直線の式を求めよ。

<出典:(5) 豊島岡女子(6)和洋国府台女子(7)早稲田実業(8)明治大付属明治>


 

※ヒント

 (8) 中点の公式は中2の頃に触れていると思うが

  2点 (x_1,y_1),(x_2,y_2)の中点は

    (\frac{x_1+x_2}2, \frac{y_1+y_2}{2}

 

解答

練習問題・解答

練習問題01

(1)

 変化の割合=\frac{yの増加量}{xの増加量} だから

  yの増加量=変化の割合×xの増加量

 よって、

  yの増加量=48・・・答

(2)

 2(-1+3)=4・・・答

(3)

 - \frac{1}{3}(-2-6)=\frac83・・・答

(4)

 x=sのとき、y=as^2

 x=tのとき、y=at^2

 よって、変化の割合は

  \frac{at^2-as^2}{t-s}

   =\frac{a(t-s)(t+s)}{t-s}

   =a(t+s)

 

練習問題02

(1) 

 a(2-6)=24

  a=-6・・・答

(2)

 a(-1-3)=-16

  a=4・・・答

(3)

 a(2-4)=-1

  a=\frac12・・・答

(4)

 変化の割合は

  -2(5+1)=-12

 よって

  a(1+3)=-12

   a=-4・・・答

 

練習問題03

(1)

 \{ (a+1)+(a+3) \}=48

  a=22・・・答

(2)

 -\frac12 (-4-a)=8

  a=12・・・答

(3)

 -2(a-2)=\frac12

  a=\frac78・・・答

 

練習問題04

 (1)

 変化の割合は 2(-1+2)=2 

よって、直線の式は

 y=2x+b

とおける。点Aの座標は

 A (-1,2)

であるから

 2=-2+b

  b=4

よって、y=2x+4・・・答

(2)

 a(-4+2)=-18

(3)

 直線ABの傾きは

  a(p+q)

 点Aの座標は

  (p,ap^2)

 よって、直線ABの式は

  y-ap^2=a(p+q)(x-p) 

  y=a(p+q)x-a(p+q)p+ap^2

  y=a(p+q)x-apq

 この手法はあまり中学では使わない

  (s,t)を通る傾きaの直線の式は

   y-t=a(x-s)である。

 を利用した解き方。

 もちろん、y=a(p+q)x+bとおいて、

 (p,ap^2)を代入してもよい

 

演習問題・解答

(1)

 -\frac32 (-2-4)=9・・・答

(2)

 a(-2+8)=-30

  a=-5

(3)

 -2(a+a-4)=28

  a=-5・・・答

(4)

 2(a+a+2)=-18

  a=-\frac{11}{2}

(5)

 (1+a)=2(1+3)

  a=7

(6)

 -2(-1+2)=-(a+0)

  a=2

(7)

変化の割合の条件から

 a(-\frac32+3)=\frac12 b

  3a=b・・・①

交点のx座標が2であるから

 4a=2b-3・・・②

①,②を連立して

 a=\frac32 b=\frac92・・・答

 (8)

点A, Bの x 座標を s.tとすると

ABの中点は(1,3)なので

 \frac{s+t}2=1

 s+t=2

よって、直線ABの傾きは

直線ABの傾きは \frac13(s+t)=\frac23

よって、直線ABの式は

 y=\frac23 x+b 

とおける。この直線は (1,3) を通るから

 3=\frac23+b

 b=\frac73

以上より

 y=\frac23 x+\frac73・・・答