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2018(H30)年度 栃木県公立高校入試・解説

問題と解答 http://www.tokyo-np.co.jp/k-shiken/18/tcg/tcg-su/su_1.html

結果 http://www.pref.tochigi.lg.jp/m04/h30koukounyuusi/documents/h30kenritsukounyuushikekka.pdf

 

 

大問1

 (11)と(14)の正答率が低い。(11)は多角形の内角に関する問題。中2で習う範囲だが、やり方を忘れている受験生が多いようだ。なお、多角形の公式は自分で導けたほうがいいと思う。(14)はおなじみ変化の割合の問題。変域と同じく毎回正答率が低めである。

 

(11)

 外角を利用したほうが、計算が楽。

  1つの内角が150°ということは、1つの外角は30°である。

  外角の和は必ず360°であるから※重要

   360°÷30°=12

  よって、正十二角形。

 ※n角形について

   内角の和は 180(n-2)

     外角の和は 360°

  正n角形について

   1つの外角は \frac{360}{n}

   1つの内角は 180-\frac{360}{n}

           \frac{180(n-2)}{n}

 

(14)

 x の値が1から4に増加するとき

 y の値は-1から-16に増加する。

  変化の割合=\frac{yの増加量}{xの増加量}

 なので、

  変化の割合=\frac{-15}{3}=-5

 である。

 

 何度も紹介しているが

  変化の割合=a(x_1+x_2)

 でも良い。

 

大問2

 どの問題も正答率50%前後で、低学力層と中堅層の差がつく問題。標準レベルの学校を受けるのであれば正解しておくべきである。(1)は作図問題。最も近い距離ではなく、最も遠い距離を問われている。勘違いしないように。(2)は確率の問題。43以下の素数をちゃんと判別できないといけない。一つずつ調べる。(3)は比例と反比例の問題。座標を文字で表現する事、座標から長さを出す事の2つができないといけない。この2つは、1次関数、2次関数の応用問題でも重要になる。

 

(1)

 解答の方法以外に、中心を使う方法がある。円内部の2点は、どんなに頑張っても直径以上に離れられない。よって、直径上にAとP両方あるときが最も離れている。

 中心は、好きな弦2つの垂直二等分線の交点

 あとはAと中心を結んだ直線と、円との交点がPである。

  f:id:keimathchem:20190124011526p:plain

(2)

カードを戻さないで2回引くので、

「11」のように同じ数字は連続しない

引いたカードで作れる素数

 13, 23,31,41,43

この5つ。

作れる数字全体は、4×3=12個だから

求める確率は

 \frac{5}{12}

 

(3)

Aは, y=\frac{a}{x} を通るので

 A(2,\frac{a}{2})

Bは, y=-\frac{5}{4} を通るので

 B(2,-\frac{5}{2}

よってABは

 AB=\frac{a}{2}+\frac{5}{2}

よって

 \frac{a}{2}+\frac{5}{2}=6

  a=7

 

大問3

 説明問題。(1)も(2)もよく出る形式である。問題文が長く、見慣れない問題かもしれないが、学校で習った解き方に忠実に解けばよい。(2)は図を書くと解きやすい。

 

(1)

5円硬貨の枚数をb枚とすると、

1円硬貨の枚数は36-b枚となる。

※単位を忘れない。

よって、金額の合計a 円は

 a=5b+(36-b)

  =4b+36

  =4(b+9)

bは0以上の整数なので、b+9も整数。

※この記述がないと減点 「bは整数なので」もOK

よって、a は4の倍数である。

 

(2)

Q,Rは以下の図の様になる。

f:id:keimathchem:20190124014654p:plain

 Qの体積は (7+x)(4+x)×2

 Rの体積は 7×4×(2+x)

この2つの体積は等しいので

 (7+x)(4+x)×2=7×4×(2+x)

これを解いて

 x=0,3

x>0なので ※抜けると減点

 x=3

 

大問4

(1)は正答率自体は低いが部分点を含めると88.7%と高く、解き方はわかったが、記述する時に何かが抜けたり、対応順を間違えたり、BE=CDが言えなかったのだろう。(2)の正答率は20%前後と低い。線分が多くて混乱するかもしれないが、そんなに段階を踏まずに答えまで行き着く。

 

(2)

円と直径があれば、直径に対する円周角が90°であることを思い出そう。

 ∠ACB=90°

また、接線と半径は垂直に交わる。

 ∠ADO=90°

つまり、同位角が等しいので

 DO//CB

これに気が付かなければならない。

f:id:keimathchem:20190124022901p:plain

OEとODは共に半径なので、

 [tex;OE=OD]

となり、△OEDは二等辺三角形

つまり、∠OED=∠ODE=a

△OEDについて、内角の和は180°だから

 ∠EOD=180°-2a

OD//CBなので、同位角だから

 ∠OBC=∠EOD=180°-2a

 

 大きい方の円から、小さい方の円の面積を引けばよい。

 円の面積を出すために、両方の円の半径を求める。

f:id:keimathchem:20190124023022p:plain

上図は、邪魔なDEを消したものである。

ABの長さが分かれば、大きい方の半径が分かる。

△ACBで三平方の定理より

 AB^2=AC^2+BC^2

 [texAB^2=12^2+4^2]

  AB=4\sqrt{10}

よって、大きい方の半径は

  OB=2\sqrt{10}

 

ODの長さが、小さい方の半径である。

OはABの中点で、OD//BCだから

中点連結定理より

 OD=2

 

よって、求める面積は

 (2\sqrt{10})^2π-4π=36π cm^3

 

大問5

 点の移動とグラフの問題。考え方を小問で誘導し、グラフでヒントを出している。このヒントがなければ更に難しい問題になる。

 

1(1)

 図2のグラフから、x=10のときy=600である。

 これを y=ax^2に代入し

  a=6

1(2)

 図2のグラフから、10≦x≦15 のとき

 yxの1次関数であり

  (10,600), (15,0)

 を通ることがわかる。

 後は y=ax+b に入れて連立するなり

 先に変化の割合を出してから、切片をだすなりればよい。

  y=-120x+1800

 

2

  18秒後のPとQの位置を調べる。

   Pは 3×18=54 cm

   Qは 5×18=90 cm

 進むので、2点の位置は以下の図の様になる。

    f:id:keimathchem:20190124164347p:plain

 よって、(1) ウ。

 なお、この時の面積は 360 cm^2 である。

 

図2のグラフをみると、

x=15y=0 となっている

すなわち、x=15でPとQは出会う。

よって、15~18秒、18秒以降は以下のようになる。

f:id:keimathchem:20190124165247p:plain

15秒~18秒では、底辺が毎秒 8cm ずつ増えるのに対し

18秒以降では、底辺が毎秒 3cm ずつしか増えない。

よって、(2) ア ②小さく ③ Ⅰ

 

3

 2のグラフから、3回目に 500 cm^2になるのは

 f:id:keimathchem:20190124170524p:plain

18秒以降と分かる。

グラフの式を出して、y=500を代入してもいいが、

今回は、三角形から考える。

  f:id:keimathchem:20190124170850p:plain

図の三角形の面積は 500 cm^2 になるとき

  500=30×PB÷2

   PB=\frac{100}{3}

PBの長さは、40cm以下なので、問題に適する。

よって、Pは 30+\frac{100}{3} cm進むので

  30+\frac{100}{3}=3x

   x=\frac{190}{9} 秒後

 

大問6

 2番の問題から正答率10%以下が続く。同じ題材の問題はよくあるので、解答解説は確認しておこう。なお、特に4の正答率が0.5%と非常に低くく、この問題を解ける必要はない。

 

(2)

 図は以下のようになる。

f:id:keimathchem:20190124174143p:plain

すなわち、

 1辺 n cm の正方形が3枚でき、

 1辺 1 [tex cm]の正方形が n 枚できる

よって、

 n+3

 

(3)

図は以下のようになる。

小さい正方形から書いていくとやりやすい。

 f:id:keimathchem:20190124174846p:plain

この図形の長さの関係から

 12=x+y, x=2y

が成り立つ。これらを連立すればよい。

 

(4)

3種類の5枚の正方形の枚数の組み合わせは

 (大,中,小)=(1,1,3),(1,2,2),(1,3,1),(2,1,2),(3,1.1)

が考えられる。

一番小さい正方形が1であるものは存在しないから

 (1,3,1),(2,2,1),(3,1,1)

は存在しない。

よって、枚数の組み合わせは

 (大,中,小)=(1,1,3),(1,2,2),(2,1,2)

 

あとは、それぞれの組み合わせについて図を書き、

(3)のときの考えかたと同じ様に、長さの方程式を作る。

f:id:keimathchem:20190124180925p:plain

(1,1,3)のとき

 a=56-a+\frac{56-a}{3}

  a=32

(1,1,2)のとき

 a=2(56-a)+\frac{56-a}{2}

  a=40

(2,1,2)のとき

 a=56-2a+\frac{56-2a}{2}

  a=21

以上より、a=21,32,40