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2018(H30)年度 東京都(共通)公立高校入試・解説

問題 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20180223_03/30s_kensa.pdf

解答 http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/ability_test/problem_and_answer/files/release20180223_03/30s_seigohyou.pdf

結果

http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/exam/files/release20180628_06/houkoku.pdf

 

 

大問1

 すべての問題が正答率80%以上で、絶対に間違えれない大問であった。問9は折り目の問題だが、埼玉と違い学校で習った問題をそのまま使えるからだろうか。埼玉は点P折り目を作図する必要があった。まったく同じように解ける問題でも、設定を少しいじるだけで正答率が大きく下がるのだろう。大問1だけで46点あり、ここで間違えるのは非常にもったいない。

 

大問2

 式の証明の図形利用。よくある問題だが、正答率は30%より少し高いだけであった。文字を使って何かを求めるのは苦手な子が多い様子。問1、問2は独立しているので、問1がわからないからといって、問2を飛ばすのはもったいない。

 

問1

 正六角形の1辺 a, 高さh, MN=b として、表面積を求めていけばよい。

正六角形の面積は△MABを6倍すればよい。

 f:id:keimathchem:20190123200458p:plain

△MABの面積は、\frac12 ab

正六花形の面積は△MABの面積の6倍なので

 正六角形の面積=3ab

正六角形は上下に二枚あるので

 底面2つ分=6ab

 

長方形AGHBの面積は ah

長方形は6個あるので

 側面積=6ah

 

よって、表面積Pは

 P=6ab+6ah

解答の形に合わせるには、6aでくくれば良い

 P=6a(b+h)

 

 

問2

f:id:keimathchem:20190123201029p:plain

底面2つ分の面積は、半径 r の円2つ分なので

 底面積=lr

側面積は、底面の円周×高さで求められるので

 側面積=lh

よって表面積Qは

 Q=lr+lh

 Q=l(r+h)

 

大問3

 (3)の正答率が5.3%と低かった。(1)は変域の問題で普通ならもっと正答率が低くなるが、問題用紙にグラフと点を先に書いてくれている。しかも、メモリ付きなので代入する必要すらないため正答率が高くなった。(2)はMがそのまま切片となり、メモリを読めば切片6と分かる。あとはBの座標を代入するだけ(3)は標準的なレベルの問題。自分で図を書いてみる必要があるので正答率がぐんと下がったのだろう。

 

問3

グラフは以下のようになる。

 f:id:keimathchem:20190123202648p:plain

移動する点Pを扱っている。

この手の問題はPの座標を文字で表現するとよい。

 

Pの x 座標を a とおく

 Pはy=\frac12 x^2上の点なので

   P(a,\frac12 a^2)

 QはAB y=x+12 上の点なので

   Q(a,a+12)

よって、MはPQの中点なので

   M(a,\frac{2a+24+a^2}{4})

このMはOB上の点だから、OBの式に代入できる。

 

OBの式は、y=3xで、MはOB上の点なので

OBの式に、Mの座標を代入すると、

 \frac{2a+24+a^2}{4}=3a

 a^2-10a+24=0

 (a-4)(a-6)=0

  a=4 (a<6)

よって、

 P(4,8)

 

  M(a,\frac{2a+24+a^2}{4})B(6,18)から

 BMの式を文字で出して、切片=0

 でも解けるが、計算が面倒なのでBOにMを代入したほうがよい。

 A(A_x,A_y), B(B_x,B_y)の中点Mは

  M(\frac{A_x+B_x}{2}, \frac{A_y+B_y}{2})

 である。これを使って中点を出すと早い。

 

大問4

弧の長さの比と弦の長さの比は異なる。

△ACQ∽△OBPと、△BQP∽△BARから面積比を出していく。

 

(2)

まず、

 弧BC=2弧BP

であるから、

 弧AC:弧BC:弧BP=2:2:1

である。

 

面積比の問題は、底辺比、高さ比、相似を使って解いていく。

今回、下図の三角形は相似になる。理由は以下の通り

f:id:keimathchem:20190127122303p:plain

 弧APに対する円周角だから、

 ∠ACP=∠QBP ※●マーク

弧CB:弧PB=2:1だから

 ∠CAB=2∠BAP

円周角と中心角の関係から

 ∠BQP=2∠BAP

よって

 ∠CAB=∠BQP ※×マーク

ゆえに

 △ACQ∽△OBP

 

この三角形の相似比を出そう。

f:id:keimathchem:20190127123139p:plain

OCを下ろすと、点Cは弧ABの中点なので、

ABとOCは点Oで垂直に交わる。

AOCはOC=OAの二等辺三角形になるから

 AC:OA=\sqrt2:1

よって

 AC:OB=\sqrt2:1

これが△ACQと△OBPの相似比となる

よって、その面積比は

 △ACQ:△OBP=2:1

 

 

 

f:id:keimathchem:20190127124718p:plain

青い部分を見れば、O,Pは辺BA, BRの中点だから

 △BQP∽△BAR

でその相似比は, 1 : 2 である。

よって、

 △BQP:△BAR=1:4

 △BQP:OAPR=1:3

以上より

 △ACQ:OAPR=2:3

ゆえに

 \frac{2}{3}

 

 

大問5

(1)は△BCDを自分で書き入れる必要がある。すべての辺の長さが 9\sqrt2 となるため△BCDは正三角形になる。(2)立体の高さを相似から求める必要がある。両方の問題の正答率が20%を下回っている。(1)はもっと正答率が高くてもよいのではないか。

 

(1)

BCDいずれの辺も、等しい長さの辺が9 [cm]の直角に等辺三角形の斜辺である。

よって、すべての辺の長さは等しくなり、△BCDは正方形である。

ゆえに、∠BPD=∠BCP=60°

 

(2)

P-ABDの体積を求めたい。

△ABDの面積は 9×9÷2=\frac{81}{2} と簡単に求められる。

そこで、底面を△ABDとし、Pから高さPHを引く。

 

f:id:keimathchem:20190123232927p:plain

PHでは考えにくいので上の図のように、

PHをE, F, Dを含む面までCFと平行に下ろす。

PP' // CFなので、

 FP':P'M=CP:PM=2:1

また、MはEFの中点だから

 EM:MP':P'F=3:1:2

△EH'P'∽△EDFなので

 P'H':FD=:EP':EF

 P'H':9=4:6

  P'H'=6

よって、

  PH=6

 

以上より、求める体積は

 \frac{81}{2}×6×\frac13

  =81 cm^3

 

  

感想

 公立高校入試としては易しい入試だろう。高偏差値の子は独自問題を出す高校を受けるのであまり難しくしていないのだろう。また、正答率が高い問題と低い問題の差が大きく、正答率80%ぐらいの大問1だけで46点あり、各大問の正答率が高い問題を入れると67点となり平均点を超える。ここに自分が解けそうな問題を少しでもとけば70点以上になる。この試験では、自分の解ける範囲の問題をどれだけ正確に解けるかが問われる。