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2018(H30)年度 埼玉県(学校選択)公立高校入試・解説

学校選択問題 http://www.center.spec.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=12015

学校選択問題解答 http://www.center.spec.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=12022

 学校選択問題結果 http://www.center.spec.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=12005

 

 

大問1

(2)(4)(6)の正答率が低い。(4)は共通問題大問1(8)と同じ問題なので、省略する。このレベルを受ける受験生ともなると、(9)のような典型問題は、共通問題で出た時とくべて正答率がかなり高くなっている一方で、余り練習していないであろう問題の正答率は低いままである。(2)は文字式で通分を扱うことが余りないので、正答率が下がったのだろう。(6)のような整数問題はそもそも学校や塾で対策する機会があまりないので、初めて触れた子もいるだろう。どこかで整数問題の対策をしておこう。

 

(2)

 \frac{y}{x}-\frac{x}{y} は通分すると

 =\frac{y^2}{xy}-\frac{x^2}{xy}

 =\frac{y^2-x^2}{xy}

因数分解して

 =\frac{(y-x)(y+x)}{xy}

となる。ここに代入しよう。

 

 もちろん

  \frac{x-1}{x+2}-\frac{x+3}{x-2}

   =\frac{(x-1)(x-2)-(x+3)(x+2)}{(x+2)(x-2)}

 のように通分できる。

 

(6)

 あまりの問題は「①余りが同じ、②余りのと割った数の差が同じ、③条件を満たす数を1つ見つける、④式で表して考える」の4つのパターンがある。①②③は公立上位レベルだろう。④は不定方程式や互いに素を利用する。整数問題はまた別枠でまとめて紹介する。

 

今回の問題は

 4で割れば3あまり ・・4-3=1

 5で割れば4あまり・・・5-4=1

 6で割れば5あまり・・・6-5=1

となるから②のパターン

 

よって、解答は、

 ある数をnとすると、n+1は 4, 5 ,6の倍数

 よって、最小公倍数60を用いて,

  n+1=60P (Pは自然数)

 と表せる。

 よって、最小になるのは P=1 のとき

  n=59

  となる。

 

※ nを4で割った商をkとすると、n=4k+3で、

   n+1=4k+4

   n+1=4(k+1)

 となり, n+1 は 4の倍数

 同様にすると、n+1は4, 5 ,6の倍数となる。

 

大問2

(1)(2)共に正答率が低い。(1)は共通問題と同じ問題なので省略する。(2)はよくある表面を通る線分の最短問題。円錐の最短問題は典型問題だが、通常の問題集では1冊で1~2問ぐらいしか練習しない。練習不足なら、最短問題をまとめたページがあるもので練習量を稼ぎたい。

 

(2)

表面を通る線分の最短問題では、必ず展開図を書こう。

加えて、円錐の側面を通る線分の最短問題では、

ほどんどの場合、側面の中心角を求める必要がある。

 

展開図は以下のようになる

 f:id:keimathchem:20190123172700p:plain

側面の展開図の中心角は

 360×\frac{半径}{母線}

で求められるので、 ※テクニックの1つ。

 中心角=120°

 

△OAMを取り出し、MからAOに垂線MHを下ろすと

f:id:keimathchem:20190123172841p:plain

△OMHは 1:2:\sqrt3 の直角三角形だから

  OH=3, HM=3\sqrt3

よって、△AMHで三平方の定理より

 AM^2=15^2+(3\sqrt3)^2

  AM=6\sqrt7

 

大問3,4

 共通問題と同じなので、省略

 

大問5

(1)(2)共に正答率が低い。(1)はよく使う性質の証明。解答の補助線はどうやって思いつくのか疑問かもしれないが、多分, 解けた子は思いついたのではなく、知っていたのだろう。実は塾ではあまりやらないが、学校ではこの性質がなぜ成り立つか説明されているはずである。それを覚えていれば悩むこと無く解ける。上位レベルは普段使っている当たり前の性質について説明できるようになっておく必要がある。

 

(2)

円周角の定理から

 ∠PAC=∠PBC

 ∠PAB=∠PCB

となるから、△PBC二等辺三角形になる。

f:id:keimathchem:20190123174844p:plain

よって、BP=CP=\sqrt5

 

 AD, BD, DP, DCいずれかを t とおいく。

どれを t とおいても解ける。解答では BD=t とおいている。

今回は、AD=t とおいた場合を紹介しよう。

 f:id:keimathchem:20190123185816p:plain

△ADC∽BDP だから

 AC;AD=BP:BD

 4:t=\sqrt5:BD

  BD=\frac{\sqrt5}{4}t

 f:id:keimathchem:20190123190153p:plain

 △ADB∽△CDP だから

 AB:DB=CP:DP

 5:\frac{\sqrt5}{4}t=\sqrt5 : DP

 DP=\frac{1}{4}t

 f:id:keimathchem:20190123190742p:plain

△ABO∽△APC だから

 AB:AD=AP:AC

 5:t=\frac{5}{4}t:4

  t=4

よって、AD=4 cm