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2018(H30)年度 宮城県(後期)公立高校入試・解説

問題

https://www.kahoku.co.jp/special/exam2018_hs2nd/sugaku_q.pdf

解答

https://www.kahoku.co.jp/special/exam2018_hs2nd/sugaku_a.pdf

 

第一問

基本問題。8のような標本調査の問題はあまり対策されない分野。ところが近年、統計分野は重要視されるようになったため、今後はどんどん出題されてくるのではないだろうか。

 

8

 母集団と標本で、印があるタネの割合が等しくなる。

 袋の中のタネの個数を x 個とすると

  \frac{150}{x}=\frac{12}{100}

 これを解いて

  x=1250

 

9

 球の公式は忘れやすいので、確認しておこう。

 球の表面積の公式は S=4πr^2 である。

 よって、半径 5 cm の球の表面積は

  4×π×5^2=100π cm^2

 よって、円柱の高さを h cm とすると

  8πh+16π×2=100π

   h={17}{2} cm

 

第二問

 定期テストにでるような基本的な問題。

 ここでいかに失点しないかが大事。

 

2

 図形の移動が関連する問題は苦手とする人が多い。

(1) 

 二等辺三角形ABCについて、

  ∠ABC=(180-∠BAC)÷2

  ∠ABC=70°

 よって、

  ∠CBE=∠ABD=180-70°

   ∠CBE=110°

(2)

 求める線分はおうぎ形ABDの弧である。

 おうぎ形ABDの中心角は 110°なので

  2×12×\frac{110}{360}=\frac{22}{3}π cm

  f:id:keimathchem:20181205062025p:plain

 

3

(1)

 ABの長さが4だから、ACの長さも4

  ということは、Cの x 座標は6

(2)

 放物線上の2点を通る直線の傾きは、

 その2点における変化の割合に等しい。

  Bの座標は (-2,4a)

  Dの座標は (6,36a)

 よって、

  \frac{36a-4a}{6-(-2)}=3

   a=\frac34

 

 

4

 (1)の段階で、出る目の組み合わせと到達する点をすべて調べておく。

  f:id:keimathchem:20181205064314p:plain

 よって、(1)12通り (2)C

 

第3問

 1次関数の問題。3(3)が難しかったかもしれないが、一次関数の利用でよく出る考え方を使う。それ以外は簡単な問題ではあるが、文章題の練習をしていないと、問題文の意味がわからなかったり、情報を適切に取り出せなかったりする。

 

1

AB間の距離は 600 m

この距離を毎分 100 m で進むので

 600÷100=6

 

2

BC間の距離は [tex400] m

この距離を毎分 50 m で歩くので

  400÷50=8

つまり、正人さんは

 6分で 600 m、14分で1000m進む

よって、正人さんのグラフは

 (0,0) (6,600) (14,1000)

以上の点を通る。これを直線で結べばよい。

※式を作るなら

 AB間 y=100x

 BC間 y=50x+300

となる。以降の問題で使う可能性が高いので、ここで求めておくとよい。

 

 

3

(1)

 「すれ違う、追いつく」=グラフの交点と考えればよい。

正人さんがリフトに乗っているときと、ゴンドラがCからAへ向かうときのグラフを書き、式を求め、交点を出す。ゴンドラは、毎分250 m でCからAに向かうので、Aに4秒後につく。つまり、ゴンドラのグラフは (0,1000) (4,0) を通る直線

f:id:keimathchem:20181207234034p:plain

 

よって、上のようなグラフとなる。

 コンドラがCからAに向かうとき(水色)の式は

   y=-250x+1000

 正人さんがAB間で乗るリフトの式は

   y=100x

よって交点は

  100x=250x+1000

これを解いて

  x=\frac{20}{7}

聞かれているのは、y の値なので

  y=\frac{2000}{7} m

 

(2)

Cに向かうゴンドラのグラフを考えよう。

正人さんがCに着く2秒前に、ゴンドラは正人さんを追い越すとある。正志さんは14秒でCに着くので、ゴンドラが正人さんを追い越すのは12秒の地点である。このとき、正人さんとゴンドラは y=900 の位置にいる。※グラフから読み取ってもいいし、正人さんがBC間を歩くときの式からも計算できる。

よって、ゴンドラがCに向かうときの式は

 (12,900) を通り、傾き 250 の直線

と分かるから、

 y=250x-2100

グラフは以下のようになる。

f:id:keimathchem:20181208000829p:plain

次に、ゴンドラがAに停止していた時間を出そう。

ゴンドラが出発する時間は、

y=250x-2100y=0 を代入すると

 x=\frac{42}{5}

よって、Aに停止していた時間は

 \frac{42}{5}-4=\frac{22}{5}

 

立札を通過する時間の差も \frac{22}{5} 秒である

立札はAからの距離( y の値)が一定なので、

以下のグラフの赤い部分が、時間差 \frac{22}{5} 秒を表す。

f:id:keimathchem:20181208001711p:plain

ゴンドラが立札を通過する時間を t とおく

正人さんが立札を通過する時間は t-\frac{22}{5} となる

この時間における y の値は共に立札の距離を表すので、

 50(t-\frac{22}{5})+300=250t-2100

これを解いて

 t=\frac{109}{10}

よって、10分54秒

 

第4問

1(1)(2)は基本問題なので必ず解けるように。

2(1)(2)はこのテストで最も難しい問題なので、後に回そう。一部の難しい高校を受けるのでなければ無視してしまってもよい。この問題より、第2問, 第3問の基本問題を確実に解けるようにしてほしい。

 

2

(1)

 底辺×高さ÷2で△CGFの面積を出すにせよ、面積比から攻めるにせよ、CGの長さが必要になってくる。まず、CGの長さを求めよう。

DAE二等辺三角形だから、

 ∠BAD=∠BAE

よって、

 ∠FAD=∠BAD=∠BAE

ゆえに、円周角の定理より、以下の図の黒丸の角は等しくなる。

f:id:keimathchem:20181208010922p:plain

すると、図中黄色の△CBDと△CGEは合同となる

※1辺とその両端の角がそれぞれ等しい

よって、CG=CB=1 となる。

あとは、面積比から攻めても、高さを出しても解ける。

 

面積比から攻める。

BFを引くと、GC=CB=1:1 なので、

△CFGの面積は△BGFから出せる。

f:id:keimathchem:20181208032607p:plain

△CEGについて、三平方の定理より

 EG^2=1^2+(\sqrt7)^2

 EG=2\sqrt2

よって図の黄色の三角形は相似だから

 △EAG:△BFG=(2\sqrt2)^2:2^2

 :△EAG:△BFG=2:1

△EAGの面積は

 △EAG=AG×CE÷2=3\sqrt7

よって

 △BFG=\frac{3\sqrt7}{2}

GC=CB=1:1 なので、

 △CFG=△BGF÷2=\frac{3\sqrt7}{4}

 

高さを出して解くには

 下の図形のように点I, Jをとり、左の図の黄色の相似を利用すれば、JGの長さと∠AJGが直角であることが分かる。∠AJGが直角なら、△AEGは二等辺三角形であり、FJ=JGなので、FGの長さが求まる。最後に右の図の黄色の相似を利用すれば高さFIを出せる。

f:id:keimathchem:20181208032731p:plain

 

(2)

(1)の答えを利用する。

FからABに垂線をおろし、ABとの交点をI, AHとの交点をKとする。

CG=1, △CFG=\frac{3\sqrt7}{4} だから、

 高さであるIFは

  IF=\frac{3\sqrt7}{2}

ここで、下の図の黄色の三角形は相似であり

f:id:keimathchem:20181208042000p:plain

 IF:CE=\frac{3\sqrt7}{2}:\sqrt7

 IF:CE=3:2

よって、

  IG:CG=3:2

CG=1 だったから

 IG=\frac32

よって、

 AI=6-\frac32-1

 AI=\frac52

ゆえに

 AI:IG:GC=9:3:2

ここで、図の赤い三角形について、

f:id:keimathchem:20181208042057p:plain

△AIK∽△ACEより

 IK:CE=9:14

ところで、 FI:CE=3:2 だったから

 IK:CE:FI=9:14:21

よって、

 CE:FK=14:30

最後に図の青い三角形について

f:id:keimathchem:20181208042152p:plain

 △CHE∽△FHKだから

 CH:FH=14:30

よって、

 CF:FH=16:30

ここで、△CFIについて三平方の定理より

 CF^2=FI^2+IC^2

 CF=\sqrt{22}

よって

 \sqrt{22}:FH=16:30

  FH=\frac{15\sqrt{22}}{8}

 

感想

 簡単な問題と難しい問題の差が大きすぎる気がすが、難しかったであろう第3問3と第4問2を正解できなくても86点は取れる。難しい問題ばかり練習するのではなく、基本問題を絶対落とさないように練習したほうがよい。