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2018(H30)年度 北海道公立高校入試・解説

2次関数を放置してしまうが、前からやりたかったのと、多忙につき1記事にかかる時間がこちらのほうがマシという理由で、昨年度の入試問題を記事にしていく。

 

2018年 北海道 公立高校入試問題

 問題・解答

  http://www.koukou.hokkaido-c.ed.jp/gakuryokukensa/h30gakuryoku.html

 入試結果報告書(速報版)  https://blog.benesse.ne.jp/juken/news/01/article/20180711_14897.html

 

 

 大問1

 かなり基礎的な問題。必ず全問正解したい。わからない問題や忘れていることがれば、その分野の基礎問題を徹底的に復習してほしい。

 

問1

(1)

 プラスマイナスを間違えないように

 3×(-9)=-27

 

(2)

 計算の順番は×÷が, +-より先

 割り算は逆数をとって、掛け算になおす。

 -7+4÷\frac15

  =-7+4×5

  =-7+20

  =13

 

(3) 

 ルートの加減は、 ルートの中身をそろえる。

 6\sqrt2-\sqrt8

  =6\sqrt2-2\sqrt2

  =4\sqrt2 

 

 

問2

 代入するとき, カッコを忘れないように

 2a^2

 =2×(-3)^2

 =2×9

 =18

 

 

問3

 y=ax+bについて

  bを切片といい、y 軸との交点からわかる。

  aを傾きといい、右にどれだけ、上にどだけ進むかでわかる。

      f:id:keimathchem:20181126201933p:plain

 傾きは、右に1, 上に2なので a=2

 切片は b=-1

 

問4

 連立方程式は、文字を消去して解く。

 今回は加減法でとけばやりやすい。

  x+y=7・・・①

  3x-y=-3・・・②

 とすると、①+②より

  4x=4

  x=1, y=6

 

問5 

 直角三角形といえば、三平方の定理

  AB^2=5^2+4^2

  AB^2=41

  AB=\sqrt{41} cm

 

問6

 球の公式は忘れがち

  体積の公式は V=\frac43 πr^3

  表面積の公式は S=4πr^2

 今回は表面積を聞かれているので

  S=4×π×2^2=16π cm^3

 

大問2

問われていること自体は非常に簡単。

ただし、なにを問われているかを正しく理解できているかが問題。

たくさん入試問題を解いて練習しておこう。

  

(1)

 因数分解は①共通因数, ②公式の順で考える

 今回、①はないので、公式による因数分解を考える。

   足して -4 掛けて -12になる2数を探す

  もちろん, -6, 2だから

 (与式)=(x-6)(x+2)

 

(2) 

 a-bが2以下の自然数となる場合を求めるには

  a-b=1 となる場合 と a-b=2 となる場合

 この2つの場合を足せばよい。

 

   ア a-b=2となる場合。

   とりあえず書き出すと以下の4つある。

   a=6, b=4

   a=5, b=3

   a=4, b=2

   a=3, b=1

  a-b自然数なので、逆は考えない。

 

 イ a-b=1 となる場合は5通りと書いている。

   よって、2以下となるのは、アの答えを足して9 通り。

 

 ウ 2個のサイコロをなげるので、全体は36通り。

   よって、9÷36=\frac14

 

 問3

 他の県入試でも同じ問題が出ているので、やり方を覚えてしまってもよい。

 円と直線の距離が一番近いところに点Pをとれば、

 三角形ABPの高さが一番短くなり、面積が最小になる(図1)

  f:id:keimathchem:20181126212736p:plain

 円と直線の距離が最も近くなるということは、

 円の中心と直線の距離も最も小さくなる(図2)

 つまり、点Pは円OからABに向けて引いた垂線と円周の交点である。

 よって、以下のように作図すればよい。

  f:id:keimathchem:20181126212619p:plain

 

問4 

 図の問題は、情報を図に書き入れよう。

  f:id:keimathchem:20181126214257p:plain

 DF=3, DC=x なので FC=EC=x-3

 BEは円の直径なので、BE=2x

AD=BC=18 なのだから

 2x+(x-3)=18

という方程式を立てられる。

 これを解いてx=7

 

大問3

 データの問題は、階級値、相対度数、中央値、最頻値、平均値あたりをしっかり学習すれば、大体大丈夫。ただし、指導要領が変われば累積度数、四分位範囲、箱ひげ図あたりが頻出になりそう。

 今回は、問2で説明問題が出ている。問題文にのヒントを見落とさないように!

説明する問題が苦手なら、過去問等で練習しよう。

 

問1

 相対度数は 度数÷合計度数 で計算する

 よって、18÷120=0.15

 

問2

 達也さんの最後の発言に「平均値以外の代表値を使って比較すると」「農家Aのほうが重いトウモロコシを収穫できたと言い切れない」とある。平均値以外の代表値として、「最頻値」「中央値」を学習した。今回はこの2つを求めてみよう。

 

 最頻値・・・度数が最も大きい階級の階級値

  農家A 390g(380以上400未満)

  農家B 370g(360以上380未満)

 これでは、農家Aのほうが重いことになる。

 

 中央値・・・順位的に真ん中になる値。

  今回は120個なので、60位、61位あたりが何gか調べる

   農家A 370g (360以上380未満)

   農家B 390g (380以上400未満)

 よって農家Bのほうが中央値が大きいことで説明できる。

 

大問4

 二次関数の問題。関数の基礎問題ができていれば十分に得点できる。問3は点Pのx座標をtとおくように指示されているので、比較的やりやすい。文字 t をおいて方程式をつくる典型的パターンの問題なので、しっかり演習量を稼いだ人にとっては簡単だろう。

 

問1

 y=2x^2-2≦x≦4 のとき yの変域を求める問題。

 変域問題は、代入するだけでなく、必ずグラフから考える。

 f:id:keimathchem:20181126223504p:plain

図のように、x=4 のときが最大、x=0 のときが最小。

x=-2 のときは関係ないので注意。

x=4, 0をそれぞれ y=2x^2 に代入し、0≦y≦16

 

問2

  y=ax^2x=4,-2を代入すれば、AとBの座標をaで表わせる。

 あとは、直線の傾き=\frac{yの増加量}{xの増加量} を利用して解く。

 

 AとBの座標をaで表わす。

2点とも=ax^2を通るので、

  A (-2, 4a),  B (4,16a)

この2点を取る直線の傾きは、

 \frac{yの増加量}{xの増加量}=\frac{16a-4a}{4-(-2)}=2a

これが1であるから

 2a=1 つまり a=\frac12

※放物線y=ax^2上の2点における変化の割合は

 a(x+x) で求めるほうが早い。( a(-2+4)=1が瞬時につくれる。)

 

問3

 PはAとBの間の点である。問題となる三角形BCPは図1のようになる。

まずは、B, C, Pの座標を出そう。y=x^2 上の点なので、

 B (4,16), C(0,16) P(t,t^2)

情報を図2のように書き入れよう。

f:id:keimathchem:20181126231453p:plain

そうすると、図2のように、底辺BCと高さが分かる

よって、三角形BCPの面積は

 4×(16-t^2)×\frac12=2(16-t^2)

となる。これが14であればいいので

 2(16-t^2)=14

これを解いて、t=3

 

大問5

 ややこしい問題は出ていない。問1は、中点が与えられていることから、中点連結定理を疑えばよい。問2は、長さの条件がまったくないから、角度が等しい場所を2つ見つけようとすればよい。円周角に気を取られ、半径が等しいことを忘れないようにしよう。

 

問1

 与えられた情報を書き入れると図1のようになる。

 点OはABの中点、点DはBCの中点であることに注目

 図2の赤の図形を見れば、中点連結定理が使えると分かる

 よって、AC=2OD=4 

 f:id:keimathchem:20181126233323p:plain

 

問2

図1のようになる。灰色の部分の相似を証明していく。

f:id:keimathchem:20181126234355p:plain

図2の青色×印は対頂角だから等しい。

あとは、条件にある角の二等分線を使おう。

∠ECD=∠EOF を言えるか考える。

 

 もちろん、

  \frac12 ∠AOC=∠AOF=∠EOF

 弧ACに着目すれば、

  中心角と円周角の関係から

   ∠ABC(∠OBC)=\frac12 ∠AOC

  だから、

   ∠EOF=∠OBC

 円の半径なのだからもちろん、OB=OC

 ということは、三角形OBC二等辺三角形

  つまり、

   ∠OBC=∠OCB(∠ECD)

以上より

 ∠ECD=∠EOF

これで2角がそれぞれ等しくなった。

 

学校裁量問題 大問5

 問1は図を書いて実際に検証していけばわかりやすい。問2は相似や等積変形など、グラフに図形の知識を組み合わせる問題。図を書き直す必要がある。問3(2)は一見難しいが、よく出る問題のパターンである。

 

問1

(1)

例えば、1階から4階までで考えてみると、

 

f:id:keimathchem:20181130180119p:plain

上昇するとき、

 4-1=3回エレベーターに乗り、4-1=3回停止する

降下するとき、

 4-1=3回エレベーターに乗り、4-2=2回停止する

 ※ 最上階の停止分は上りのときに1回数えているので省く。

 

 

 

これをn階までで考えてみると、

上昇するとき、

 n-1回エレベーターに乗り、n-1回停止する

降下するとき、

 n-1回エレベーターに乗り、n-2回停止する

よって、

 8×(n-1)×2+7×(2n-3)=30n-37

 

(2)

1つ目の式は

 x=y+2

2つ目の式は、図を書くとわかりやすい。

f:id:keimathchem:20181130182736p:plain

Bは 9x+7×8秒, Cは9y×2+11秒かかる。

同時に10階についたのだから

 9x+7×8=9y×2+11

という式が立てれる。

この2つを連立してやれば良い。

 

問2

(1)

 PがOの位置にあるときなので、図を書き直す必要がある。

 PがOの位置にあるとき、BPはy軸にかなさり、

 QはBP上でPよりy座標が小さいので、Qもy軸上にある。

f:id:keimathchem:20181130184532p:plain

こんな感じの図になる。水色の面積と、黄色の面積が5:2となればよい。水色と黄色の三角形は高さ共通なので、底辺の比は面積の比に等しい。よって、

 BP:PQ=5:2

BPの長さは5だから、PQの長さは2

よって、Q(0,-2)

 

(2)

 三角形OABの面積は 10

よって、三角形OAQの面積は 2となる。

この面積は一定でなければならない。

面積が一定で、頂点である点Qが動くということは、等積変形を疑えばよい。

f:id:keimathchem:20181130190743p:plain

図のように、面積が一定であるためには、OAと平行な赤い線分上をQが動く。しかも、この赤い線分は(1)で求めた Q(0,-2) を通る。

相似を使えば、この赤い線の式や、赤い線とBAの交点を求めなくてもよい。

f:id:keimathchem:20181130191952p:plain

求めたい部分は、図のオレンジ部分。

 水色とオレンジを含めた三角形全体と、水色の部分の面積比は

 7^2 : 5^2=49:25

よって、オレンジの部分は 49-25=24

ということは、水色とオレンジの面積比は

 25 : 24

水色の部分の面積は 10 だから、オレンジの部分は

  24×\frac{10}{25}=\frac{48}{5}

 

問3

(1)

 BDとACの交点をEとする。

  BD=4\sqrt2 だから EB=2\sqrt2

 よって、三角形OEBについて

  OB^2=OE^2+EB^2

  OB^2=16

 よって、OB=4

 

(2)

例えば、

 「体積8の三角錐O-ABCについて、点Cから三角形OABに引いた垂線CHの長さを求めよ。ただし三角形OABの面積は2とする。」

f:id:keimathchem:20181130194657p:plain

という問題について考える。これは典型的なパターン

 CHは三角形OABを底面と見た高さだから、

 体積を出す式を考えて、

  4×CH×\frac13=8

 これを解いて、CH=6

体積と底面から、高さを逆算すればよい。

 

同じように今回の問題を考える。

f:id:keimathchem:20181130195345p:plain

今回求めたいAHについて、

三角形OBCを底面に、AHを高さとすると、黄色い部分の体積を出せる。

三角形OBCの面積は、1辺4の正方形だから

 4\sqrt3

黄色い部分の体積は、元の正四面体の体積の半分だから、

 \frac{16\sqrt2}{3}

よって、

 4\sqrt3×AH×\frac13=\frac{16\sqrt2}{3}

 AH=\frac{4\sqrt6}{3}

 

 

感想

全体的に易しい問題が多く、時間が足りないことも無いだろう。

教科書の基礎問題がとければ十分対応できる。

 

学校裁量問題

難問というわけでなく、他の都道府県の前期や中期の標準レベル。