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顔の形をした図形(洛南高校)

今回は少し趣向を変えて、最近見た面白かった問題を紹介、解説することにする。

問題

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(1) 図のように、Oを中心とする半径4の円をかき、直径ABと平行で長さ 4\sqrt{3}となる弦CD,EFを引く

(2) CE, DFを直径とする円を円Oの外部に書く。また、CDを4分割してできた線分を1辺とする正三角形をCDの下側に4つ書く。

(3) (2)の正三角形の4つの頂点のうち、隣り合う2つの頂点を通り、AB上に中心がある円を二つ書く

(4) Oを中心とし、半径2\sqrt2の円をEFの下側に書き、EFとその円周の交点をG, Hとする。

 

問1 口の部分(赤色)の周の長さを求めよ

問2 髪の部分(黒色)の面積を求めよ

問3 二つの耳の部分(橙色)の面積の和を求めよ

問4 目の部分(青色)の円の半径を求めよ。

<H18 洛南高校

 

 

 解説

見た目のインパクトがかなり大きく、面白い。

問題用紙をめくった瞬間この顔を見ると、びっくりするだろう。

京都府内では1,2を争う難関校の問題ではあるが、問題自体は思ったより難しく無い。

 

問1

 線分OE, OF, OG, OHを引き、顔の下部分のみを取り出して考える。

 △OEFはOE=OFの二等辺三角形なので、OからEFに垂線を降ろしその足をIとする。

 もちろん、IはEFの中点なので,IE=IF=2\sqrt3である。

f:id:keimathchem:20180419033554p:plain

 求めたいのは弧GHの長さである。

 これは、中心角である∠GOHを求めれば、おうぎ形OGHから求められそうである。

 三角形OGHを見ると、正三角形っぽい。

 よって三角形OGHの辺の長さを求めていく。

 

 三角形OEIは直角三角形だから、

 三平方の定理より

  OE^2=OI^2+EI^2

  4^2=OI^2+(2\sqrt3)^2

  OI=2

 また、三角形OGIは直角三角形だから

 三平方の定理より

  OG^2=OI^2+GI^2

  (2\sqrt2)^2=2^2+GI^2

  GI=\sqrt2

 もちろん、三角形OGHは二等辺三角形だから、

  GH=2GI=2\sqrt2

 よって、OG=GH=HOより三角形OGHは正三角形

 よって、∠GOH=60°

 

 ゆえに、おうぎ形OGHについて

  弧GH=2×(2\sqrt2)×\frac{60}{360}

     =\frac23 \sqrt2 ・・・答

 

問2

 正三角形部分は簡単に求められそうなので、弦CDより上側の面積を求めたい。

 髪の部分を取り出して考える。(図のように、CDに垂線をおろす。)

 

f:id:keimathchem:20180419041425p:plain

 おうぎ形OCDから三角形OCDを引けば、図のCDより上の部分(黒い部分)の面積を求める事ができる。よって、中心角である∠CODを求めたい。

 

 CDとEFはABに対して対称な位置にあるので、OJ=2

 OKは円Oの半径なので、OK=4

 すなわち、JK=2

三角形OCKについて、

 OJ=JK=2, CJ⊥OKなので、三角形OCKはCK=COの二等辺三角形

 ゆえに、CK=KO=OC=4

 よって、三角形OCKは正三角形

 ゆえに、∠COK=60°

 対称なので、∠DOK=∠COK=60°

 以上より∠COD=120°

 

髪の上側の面積は

 上側の面積=おうぎ形OCD-三角形OCD

      =4×4×π×\frac{120}{360}-2×(4\sqrt2)×\frac12

      =\frac{16}{3}-4\sqrt3

 

髪の下側の正三角形の部分は

 \sqrt3 ×\frac{3}{2}×\frac{1}{2}=3\sqrt3

 

以上より、髪全体の面積は

  =\frac{16}{3}-\sqrt3 ・・・答

 

 問3

 こちらも耳の部分を取りだして考える。

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 図イのように、CEとOAの交点をLとする。

 もちろん、LC=LEなので、Lは耳の部分の円の中心である。

 

 耳の部分1つ分は、図イから

  耳一つ=緑の半円+青三角形OCE-赤斜線部分おうぎ形OCE

  で求められる。

 

 ここでも中心角∠COEが必要だが、

 問1, 2から JI=4と分かるので、CE=4となる。

 よって、三角形OCEは正三角形となる。

 ゆえに∠COE=60°

 と、すぐに求められる。

 

以上より 、耳1つ分の面積は

  耳1つ=2×2×π÷2

          +4×2\sqrt3÷2

            -4×4×π×\frac{60}{360}

これを計算して

   耳1つ=4\sqrt3 -\frac{2}{3}

よって

   耳2つ=8\sqrt3 -\frac{4}{3} ・・・答

 

 問4

 目の部分を取り出して考える。

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 図のように、目の中心をMとおき、そこからCDに引いた垂線の足Nとする。

 三角形の頂点と円Mが交わる点をそれぞれPQとする。

 ∠PNQ=60°で、△MNP≡△MNQなので

 ∠MNP=30°

 また、PN=CN=\sqrt3, MN=OJ=2

 よって、三角形MNPは1:2:\sqrt3の直角三角形

 ゆえに、

  MN=1・・・答